毒見

浅草にある佐渡料理店「だっちゃ」さんで、フグの卵巣の粕漬けを食べました。

フグの卵巣は、あの猛毒「テトロドトキシン」のある所ですから、非常にデンジャラスな珍味です。

その卵巣を醗酵によって可食化した、石川県の「ふぐの卵巣の糠漬け」については、以前弊ブログで一度書きました。

おさらいしますが、この漬物を造るには、フグの卵巣を2年以上にもわたって塩漬け⇒さらに糠漬けにする事で、毒素を消失させるのです。

日本の「食品衛生法」は、フグの卵巣を食用することを禁止していますが、石川県予防医学協会による毒性検査を受けることで、この漬物だけは許可されているのです。

この漬物の変形版の、酒粕に漬けるタイプのものを、佐渡の須田嘉助商店さんが作っていて、それを浅草の「だっちゃ」さんで食べられるのです。

この漬物を造っているのは、須田嘉助商店さん一軒だけだそうで、こちらは新潟県による試験を経て出荷されるとか。

これは大変な食文化です。

だいたい、こういうデンジャラスなものを食べられるようにすることこそ、人間の究極の知恵です。

そもそも人間は野生動物に比べて身体能力が劣ります。例えば素手で熊には勝てませんし、鳥のように飛べません。

だから、他の野生動物が食べないようなもの=フグの卵巣を、調理して可食化して食べているのです。

これは実に大変なことで、人間の食の本質に触れる瞬間、と書いても大げさではないと思います。

ところで「食の本質」は良いけれど、結構勇気のある男だったんだねえ って?

あ、それはですね、私はそんなに食べたくなかったんですけど、同席した浅草のふぐ屋のWTNBさんが、

これは珍しい! 食べてみたい!

とおっしゃるので、どうぞ、お先に召し上がって下さい!

と毒見をしてもらってから、私が食べたのです。ははは。

<春の臨時営業(火曜営業)のお知らせ>

春の観光シーズンをむかえ、下記の日は火曜日ですが、営業いたします。

どうぞ御利用下さいませ。

平成25年4月 2日(火)隅田公園桜まつり

平成25年4月30日(火)GW連休

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は345人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.123日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。