和牛香
NHK『ためしてガッテン』が「特売の牛肉が!まさか高級和牛の味になる!?」という内容で番組を作ることになり、制作スタッフの方から、
和牛香を最大にする料理法をやっていますか?
と問い合わせがありました。
特に温度にご興味があったようです。
さて、その和牛香とは、
霜降りの和牛肉を熟成させた後に、加熱した場合に生じる香りを言っています。コクがあって甘い香りです。
生肉の状態では感じられない香りですが、適温に加熱しますと、
桃やココナッツといった果物の好ましい香りを感じさせる、「ラクトン類」という有機化合物がたくさん揮発するそうです。また、さわやかな森林の香りであるグリーン香気を感じさせる成分も多く出るとか。
研究によりますと、香りの成分の総量自体も、豪州産の赤身肉に比べて、圧倒的に和牛肉の方が多いそうな。
さて問題は、その加熱する温度です。
80℃の時が最大だそうです。参考になりますね。
ただし、です。80℃で加熱すると、肉の赤身の部分すなわち筋繊維が縮みます。収縮は50℃を過ぎると起き始めて、65℃までに完成すると聞きます。
ですので、香りは80℃が良いからと言って、あまり熱し過ぎるのはどうかと思いますよ。
沸騰させた湯に肉を入れるのは、勿論×です。お気をつけ下さい。
この点が、その番組のメインのテーマになるようです。
なお赤身肉は、ステーキのように高温で焼いて⇒少し焦げた時に香ばしい香りを多量に出すのが霜降り肉と違います。
赤身と霜(=脂肪)を同時に加熱した時に出るのが、和牛香なのです。赤身肉のすき焼きは、少し香りが物足りない、というのはこれが理由でしょう。
弊店では、そこを補うために、赤身肉に良質の牛脂を付け、香りも楽しめるようにしています。
一応、論理的です、はい。
今日は、バケ学っぽくてスミマセンでした。
明日から、いつもの下らないブログに戻しますので、ご愛読下さい。
追伸①
BSジャパンの、『空から日本を見てみようplus』に出演させていただくことになりました。
雲に乗った気分で見てまわる「新感覚空撮地理バラエティー!番組」です。
今回は「空から見る東京の下町」というテーマで、下町のおこり・変遷・現在を歴史的・地理的観点から紹介する、という内容です。
3月12日(火曜)20:00~オン・エア予定。
是非ご覧ください。
http://www.bs-j.co.jp/sorakara/
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は336人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.100日連続更新を達成しました。あと11日で1.111日連続更新です。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。