ロングセラー
「丸源飲料工業」社長で、墨田区観光協会・会長の阿部貴明さんの講演を聞きました。
「丸源」さんは主に外食産業向けの業務用飲料を作るメーカーさんで、準大手の大きさです。
元々は墨田区の地場のラムネ屋さんでしたが、手広く販路を広げて来られました。しかし、その一方で最近は、墨田区だけで販売する「東京サイダー」を復古・開発するなど、挑戦的社風でも知られています。
で、その「丸源」さんの理念は、
「私たちは、新たな食文化創造向け、日々チャレンジします」です。
年に400品ほどに新商品が開発され、その内の10~15%が市場に出される、というから大変なことです。さらに「ロングセラー商品を作らない」「ロングセラー化を阻止する」と言いますから、徹底しています。
同一の商品が永久に売れ続けることなどは有り得ないことで、それでも売り続ければ⇒その商品に依存する売り上げ構造に成ってしまい⇒やがては取引先から値引きして売られる様に成ってしまう⇒だからロングセラー商品を作らない、のです。
なるほど!ですね。
時に皆さん、「食文化」って何ですか?
世間では、むしろロングセラー商品のことを、そのまま「文化」と言っていませんか?
すき焼きは、その見本。
そして「丸源」さんの源流のラムネこそは、まさに世界遺産級の食文化だと私は思います。そのことは弊ブログの2011年10月20日号に書きましたので、お読み願いたいのですが、そのことは今日はさて置きまして、何しろ、文化という単語の意味が違うことに、ここでは注目していただきたいです。
阿部さんは、商品・食品が文化と言える要件として、
経験
意匠
信頼
物語
貢献
の5つが必要で、それを揃えなければ、中小企業は生き残っていけない、と説きます。
この「文化」は、私たちの言う「文化」とは意味合いが違いますが、そもそも文化の定義などは、「言った者勝ち」ですから、こうした企業さんにも是非引き続きご発展いただきたいと思います。
また私たちサイドの「文化」の意味・定義も、もっと練らないといけない、と反省させられました。
ロングセラーすなわち文化にあらず。
苦い感じではありますが、勉強に成りました。
阿部さん、有り難うございました。
追伸①
BSジャパンの、『空から日本を見てみようplus』に出演させていただくことになりました。
雲に乗った気分で見てまわる「新感覚空撮地理バラエティー!番組」です。
今回は「空から見る東京の下町」というテーマで、下町のおこり・変遷・現在を歴史的・地理的観点から紹介する、という内容です。
3月12日(火曜)20:00~オン・エア予定。
是非ご覧ください。
http://www.bs-j.co.jp/sorakara/
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は336人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.102日連続更新を達成しました。あと9日で1.111日連続更新です。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。