活字離れ

  「朝日新聞西部本社は19日、福岡市、北九州市とその周辺地域や山口県の一部を除き、夕刊を3月31日付で廃止することを明らかにした」・・・そうです。

 全国紙では『産経新聞』が既に、夕刊を廃止にしていて、その報せを聞いた時はかなり驚きましたが、活字離れの傾向が今もさらに進行しているのだなあ、と再認識させられました。

 『毎日新聞』でも北海道支社は夕刊を以前からやめているそうです。

 そういえば「ちんや」のスタッフでも、新聞を買わずに携帯でニュースを読んでいる者が多くなりました。

 でもネットのニュースって、「関心ランキング順」に掲示されていて、先頭に並ぶのは、せいぜい7〜8件ですよね。それだけを読んでいると、皆が同じことにしか興味を持たなくなってしまうのでは、と心配してしまいます。

 しかも、ですよ、その上位のニュースが、百済ないイヤ下らないことが多くないですか。例えば、このブログを書いている今現在の時点で、Yahooの上位は・・・

・栄村の住民、豪雪で苦労

・中国首相、海峡封鎖に反対

・ネットに不合格者の受験番号掲示

・夫のメール、内緒で確認は合法か?

・相撲のバルト12連勝

・秋の朝ドラは絆がテーマ

・ダルと紗栄子の離婚発表

・「アンガールズ」山根を名誉棄損の女逮捕

 こ、これが上位8件とはねえ。本当に重要そうなのは2〜3個だけですねえ。

 世の中の、みんながこういうことばかりに興味を持っているって、いかがなものなんでしょう。

 勿論、新聞の場合は、新聞社の方向性で編集されますから、完全中立ではないです。でも、このランキングよりは、どう考えたって、マシだと思います。

 それと、もう一つの結論も。

 目立ちたい時は、芸能人に絡むしかない!っていうことのようです。

・「アンガールズ」田中を名誉棄損の、すき焼き店員逮捕!とか・・・ね。

 追伸

  毎日新聞社発行の毎日ムック『100年の味 店100選』に載せていただきました。有難いですね。2012年1月12日発行。是非お求め下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて691日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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旅行業約款

 昨年末の新聞に、

「標準旅行業約款」改正へ。

という記事が出ていたのを見つけた方はおいででしょうか。観光庁が決めたようです。

 どう改正するか、と申しますと・・・

 旅行会社が募集する海外旅行ツアーのキャンセル料を徴収できる期間を、これまでの出発30日前から前へ伸ばして、90日前から徴収できるようにするのだそうです。

 なんでこういう話しになっているか、ですが、それはキャンセルのあまりの多さです。

 このところ、ネットで予約・キャンセルが簡単にできるようになり、

⇒「とりあえず予約」をしておいて、直前に取り消す、ということが増えており、

⇒旅行会社が、航空運賃、宿泊費などを負担する事態が増えたのだそうです。それが原因です。

 それでは商売が成り立ちませんからね。

 以前から、この業界の「予約」のいい加減さは酷いものでしたが、ネットの導入で一層酷い事態になっています。

 どうも今ネットで行われていることは「予約」という表現に値しない、仮押さえに過ぎないらしいのです。

 まだ有給休暇の申請を部長に出していないのに、混む前に押さえたいものだから、ネット「予約」してしまい、休みがとれなければ⇒キャンセルという展開ですから、安易なものです。

 だいたい予約とは人様との約束であって、取り消せば実害があります。それを取り消しておいて謝罪も弁償もしないとはどういうつもりなんでしょう。

 そう言えば弊店の予約でも、それ式の「予約」が増えてきています。「」付きの予約です。

 電話で話していて、

 キャンセルする場合はどうなりますか?

と聞かれたら、私は即座に、その通話をおしまいにします。

 キャンセル前提の「予約」はうかがっていませんので、お決まりになったら、あらためてうかがいます・・・

 「予約」しようとして受け付けてもらえず、驚く人もいますね、たしかに。驚くのは若い人が多いです。

 「予約」したいんですけど!!

 ええ、ですから、手前どもはキャンセル前提の「予約」を予約とは考えておりませんで、お決まりになったら、あらためてうかがいますので、よろしくお願いします。はい、失礼しました。ブチッ。ツー、ツー、ツー。

 そりゃあ、もちろん、地震とか台風とか急病とか交通事故でキャンセルするのは仕方ないですよ。

 でも予約じゃない「予約」は御免蒙りたいですね。

 ヨロシクです。

追伸

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新春浅草歌舞伎

 浅草公会堂でやっている「新春浅草歌舞伎」を観ました。

 この1月は、中村勘三郎さんの「平成中村座」と、「新春浅草歌舞伎」の二座が浅草で興行を打っていまして、浅草の街を盛り上げてくれています。

 銀座の歌舞伎座が改築中なので、こういうことになっているのではありますが、こういう嬉しい状態は明治時代以来なのかな、と思います。

 この二座の内、「平成中村座」は場所が山谷堀公園なので、「ちんや」からは結構遠いのに対し、「浅草歌舞伎」は、場所がとても近いので、我々の店辺りにも、有り難い経済効果があります。

 お返しに応援しなければバチが当たると申すもの、です。で、見物させていただきました。

 さて、今年の「浅草歌舞伎」の目玉は、市川亀治郎さんの「卒業」です。

 亀治郎さんは、浅草には10年以上出演して下さいました。途中でNHK大河ドラマの「武田信玄」にお出になった年は、浅草はお休みでしたが、それ以外は毎年出演して、浅草の街を盛り上げて下さいました。

 その亀治郎さんが、今年6月には「四代目市川猿之助」を襲名することが決まっていて、その襲名披露興行が、来年1月には別の土地で開催されます。

 そういう次第で、「正月の浅草」を卒業なのです。

 その演目ですが、「敵討天下茶屋聚」の「通し」でした。

 この狂言は、上方系統の仇討ちもので、テイストとしては大衆演劇風の筋です。今まで「浅草」に架かった狂言とは、チト傾向が違います。

 この狂言の弾けた感覚に、亀治郎さんの大奮闘が、実にマッチしていました。

 泥酔ぶりとか、盗賊に成る場面がとても上手く、立ち回り=と言っても正面から闘わず、追手から逃れようと、客席を逃げ回ったりして、お客さんも大盛り上がりでした。

 幸い、御本人とお話しする機会があったので、

 来年は寂しくなりますねえ。

と申し上げますと、

 イヤ、また帰って来ます!

と嬉しい一言。

 期待したいですね。

 いいね!澤瀉屋!

 追伸

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家畜商免許

 先日、このブログのアクセス解析をしていたら、その日見に来られた方の数が通常の​146%でした。

 「!」ですよね。しかし、原因が全くわかりません。

 ツイッターで「すき焼き」と​言った人も、その日は普段より多い感じでしたが、その理由もわかりません。そこで、

 なんでだろう? 分かる方、​ご連絡下さい!

とフェイスブックに投稿したら、中学の同期生と、蔵元「あさ開」のネットショップ店長Sさんから同じ内容の返信がありました。

 その原因とは・・・

「ダチョウ倶楽部の寺門ジモン(49)が牛などを取引するための「家畜商」の免許を取得し、昨年11月に牛肉では日本最高峰のブランド・松阪牛のセリに参加して牛1頭を競り落としていたことが13日、分かった。」

「お笑いで活動する一方“食”への造詣が深く、グルメリポーターとしても活躍。特に牛肉へのこだわりが強く、「最高級を知れば、すべてがわかる」と、10年前から松阪牛のセリ市に顔を出して勉強を続けていた。」

 ああ、そう言えば、テレビでやってましたねえ。このニュース。「ニュース」というほどの報道価値があるかは「・・・」ですが。

 この日このニュース以外に、牛やすき焼きに関心が集まる要素は無かったものと思われます。

 ですので、弊ブログにアクセスが急増した理由が、これだと言えなくもないと思います。

 自問氏イヤ寺門氏は、

「牛肉好きが高じて、とはいえ、寺門が本物の牛1頭、しかも最高峰の松阪牛を手に入れた。昨年11月27日に三重県松阪市で開催された松阪牛のNo.1を決める最高峰のセリ市「第62回 松阪牛共進会」に参加。」

「出品された50頭の中から「ちはる6の3」という704キロのメス牛を195万円で見事に落札。11年越しの夢の実現だった。」

 それにしても松阪の市場は、よくまあ、免許を出したものですねえ。

 免許というからには、今後牛の取引をするんでしょうか、ジモンさん。「・・・」ですよね。

 そして、もう一つ、「・・・」なことが。

 それは落札価格。

 松阪の、年に一度の共進会に入った牛が、195万円とは。

 今回「優秀一席」の牛だけは高かったものの、後はショボい相場で、平均価格はBSE問題のあった年さえ下回ってしまいました。

 ジモン氏の牛は、その平均価格をさらに少し下回った位の値段ですね。安い買い物で御満悦でしょうね。

 いやあ、デフレが身に沁みますねえ。

追伸

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鰻文化がピンチです。

 鰻の業界が大変なことになっている模様です。

 鰻の資源枯渇によって仕入れ価格が大暴騰して、廃業せざるを得ない鰻屋さんも出てきそうだ、とか。

 その暴騰ぶりは、

今まで、うな丼・うな重を1人前2.500円、3.000円くらいで食べていたものが5.000円、6.000円で食べられるかどうか、というレベルに、近い将来なるそうで、深刻です。

 知人で名店「いづもや」の若旦那である、Iさんが、そうフェイスブックに投稿されていました。

 鰻というと、完全養殖に成功したと聞いていましたが、しかし、

「確かに鰻の完全養殖は成功してます。ですが、今現在育てられる匹数はうなぎ屋さん30軒ほどが1日営業出来るくらいなんです。つまり全国何百軒、何千軒とあるうなぎ屋さんは1年を通して営業ができないレベルでしかないんです。」

 その他は、やはり日本近海に泳ぎ着いたシラスウナギを獲って、それを養殖で育てるのだそうです。

ということで、完全養殖は特効薬にはならない模様です。

 こうなった原因は、シラスウナギの激減ですが、減少の要因としては・・・

・エルニーニョ等による海流の変化、それに

・天然鰻を獲ってしまったり、

・シラスウナギを根こそぎ獲ってしまうことなど、

だそうです。

「大手小売りや、外食チェーンも鰻を扱うようになって久しいですが、そういったベルトコンベアーでの大量生産も大幅な値上がりの一つの要因です。ですが、どこも商売ですから、どこをどう止めるとか、そういうところになかなかすすんで行かないのも現実。」

 やっぱり!

 私は、コンビニだの居酒屋だのが、「丑の日」フェアをやったりするのを、かねてニガニガしく思ってきました。

 蒲焼レトルトを通販するのも同じく反対です。

 鰻は、鰻屋さんで食べれば良いのに!

 このまま行くと「資源が枯渇し、ワシントン条約等で鰻を採る行為自体が禁止されてしまいかねません。」   

 皆さん、日本の鰻文化がピンチです。

 鰻をどう食べるべきか、皆さんにも、お考えいただきたいです。

 ヨロシクです。

追伸

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組み合わせ

 弊店の肉と、他の食材の組み合わせをテストしていて、

 うーん、そうかあ、ダメかあ、と思うことがあります。

 高品質の肉と、高品質の他の食材を組み合わせれば、必ず最高の組み合わせになるとは限らない⇒ダメかあ、ということです。

 先日も、弊店の肉といくつかのバターの組み合わせをテストしていた所、素晴らしい品質と特徴をもった、あるバターとの組み合わせがNGでした。バターの個性が強すぎるのです。

 ここで思い出しますのは、漫画『美味しんぼ』の「ハンバーガーの要素」という回です。

 この回では、食の巨匠・海原雄山の弟子の板前さんが、雄山の店を辞めてハンバーガー店を始め、最高の素材ばかりを集めたハンバーガーを売ろうとします。しかし、その最高のはずのハンバーガーは、雄山に散々に酷評されてしまいます。

 その板前さんは、「自信作のハンバーガーが、まずいはずが無い。雄山先生は自分が辞めたことに腹を立てて、そんな風に言ったのだ」と思い、今度は雄山の子の山岡士郎に、試食を依頼します。

 ところが、雄山と対立している士郎も、そのハンバーガーを貶すので、板前さんはひどく落胆します。そして最高のものばかりを組み合わせても、打ち消し合うことがある、という士郎の解説に、自分の不明を思い知らされる、そういう筋です。

 これに類することが本当にあります。

 肉と何かを合わせて料理する時、最高品質のものより一般的な品質のものの方が旨い、ということが実際にありますね。

 実は、この話しは弊社の系列のカジュアル・レストラン「ちんや亭」で、お出ししている料理を考える時に、知っていただいておくと良い話しです。

 大きい声では言いにくいのですが、ごくフツーのチーズを使っていたりするのです。

 「ちんや」の座敷=つまり、すき焼き部門の面々は、「ちんや亭」の、こうした流儀を、かつて「鎮定文化」イヤ「ちん亭文化」と称していました。勿論、バカにしたニュアンスです。

 でも、今私はここを考え直そうかと思っています。

 高級なのとフツーなのをテストして、フツーの方が旨ければ、堂々とフツーを採用すれば良い、と今は思います。

 だから、最近色々テストしているのですが、その結果、「このままで、いいんじゃあないの!」ということがあります。

 久しぶりに御来店いただいて、全然変わっていなくても、何も研究してないわけじゃあ、ないんです。

 そのヘン、ひとつ、ヨロシク!!

 あ、でも、安いものを買えば良いのか、というと、それは勿論、違います。

 かつては安くてもマトモな製法で出来ている食材が沢山ありましたが、今時はそうは行きません。

 現代の安い食品の場合は、製法そのものが変わってしまっている場合が多いです。「変わってしまう」とは当然製造工程を省く方向に変わっています。

 だから、安いものを買えば良いのか、というと、それは違うのです。

 まあ、でも、その話しを始めると、長いですから、今日はこの辺で。

追伸

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スイート・ルーム

 私が絶対に、意地でも休養をとる日があります。

 それは年始の第二火曜日、つまり「成人の日」の翌日です。

 私はおかげ様で健康体ですが、ここで休まないと身がもちません。何故か、と申しますと・・・

 まず12月は忘年会シーズンですので原則無休です。特に12/29-12/31の三日間は、正月用の肉の仕込みが深夜までかかります。

 元日は、店は休みますが、完全休養とはいきません。大晦日の夜、除夜の鐘つきに参加して、浅草寺さんから戴いた蕎麦を食べてから床に就きます。元旦に遅く起き出してからも、翌日からの準備がいろいろあります。

 で、1/2からは正月のバトルです。それが「成人の日」まで続きます。

 それでやっと、小休止できるのが、「成人の日」の翌日の、第二火曜日というわけです。

 さて、その「成人の日」の晩から、我が家には、都内の某ホテルに泊まる習慣があります。結婚した時に披露宴をしたホテルです。

 店を閉めた後、家に帰らずホテルへ直行して、そこでようやく、気分転換をさせていただく段取りです。

 それが毎年の習慣なのですが、それが今年はちょっとしたトラブルがありました。

 部屋に入ってみると、エアコンの振動音がスゴいのです。

 うーん。

 私は、クレームということを、まず言いませんが、この場合は歴然と誰が見ても、イヤ誰が聞いても大きく振動しているので、そのことをフロントに伝えました。

 すると、すぐに係りの人がやって来て、音を確認し、

 へ、部屋をお取替えします!

⇒待つこと、しばし。

 替わりの部屋へ案内されますと、

 ひ、広いですね。

 野球ができそう・・・は流石に言い過ぎですが、卓球は楽にできます。

 そういう積りはなかったんですけど・・・

 いいんです、いいんです!こちらのお部屋をお使い下さい!

と言って、係の人は去って行きました。

 でもねえ、外タレじゃあないんだから、こんな広い部屋使い切らないよなあ。

 クロゼットが二つもあるけど、スーツは1着しか持ってきてないから、無意味だよなあ。

 おお、棚が6段もあるな。タレントさんなら、帽子とかアクセサリーとか入れるのでしょうねえ。

 おっと、スリッパも微妙に大きいぞ。細かく差をつけるんだねえ。

 そういう積りはなかったんですけどねえ。

 でも、良く考えてみると、この日はホテル業界では、超に超が付く閑散日です。

 だって、正月の後の、成人式の3連休の最後の日は、家に帰って、明日からの仕事に備える日です。ホテルでゆっくりする人は、ほとんどいないと思います。祝日ですからビジネスマンもいません。

 宿泊料金も格安設定です。だから、そもそも泊まっているんですけどね。

 そういう状況だから、こういう広い部屋も空いているのでしょう。

 有難く使わせていただくことにしました。

 今年は、このまま最後までツイていると良いのですけど・・・

 無理かなあ。

追伸

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交付を受けられる事業者

 東日本大震災の被災地で再建を目指す中小企業に、公的な支援が届かない。

 そういう事例が少なくないと、報道で知りました。

「福島県浪江町の請戸(うけど)漁港近くの「鈴木酒造店」は11月下旬、山形県長井市に移って酒造りを再開した。」

「酒蔵も商品も津波で流され、経営者の鈴木大介さん(38)の自宅は全壊。福島県内では一時的な再建場所を見つけられず、「いつかは浪江で」との決意を胸に、長井市の酒蔵を買い取ることにした。」

 おお、偉いです。

 ところが・・・

「酒蔵の改修や貯蔵用タンクの購入も含めて1億円強かかる。しかし(中略)補助金を受けられるのは、県内で再建する事業者だけ。福島県が設けた上限3000万円の補助制度も対象外で、結局、銀行から融資を受けるしかなかった。鈴木さんは「誰のための公的支援なのか」と、ため息をつく。」

「交付を受けられる事業者は6割程度。公的支援を受けられる条件が実情に合っていないため、申請さえできない事業者もいる。」

 なんということでしょう!

 馬鹿げています、実に。

 この規定を作った人間の、発想方法を疑います。

 思い出しますのは、福島県酒造組合が昨年秋に「セルリアンタワー東急ホテル」で開催した、試飲会のことです。

 「鈴木酒造店」の御主人は、酒瓶を手に独り舞台に登り、復興への決意を語っておられました。津波と原発事故で二重に被災しながら、また立ち上がらんとする、人間の精神力というものを、目の前に目撃して、心の奥底から感動しました。

 それなのに、そういう方に、この国が救いの手を差しのべないとは!

 最近、日本人であることが、ときおりイヤになります。

 いえ、正確には、日本国政府の下に居ることがイヤになります。 

 大政奉還した方が良いかもしれませんね。天皇家に。

追伸

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国分町

 今、仙台が復興景気に沸いている、と大晦日の読売新聞が報じていました。

 東北随一のネオン街・国分町の飲食店は、連日大賑わいで、売上げが前年の2割増し、という状況が続く店も多いそうです。

「震災前より景気がいいのよ。復旧作業で全国から、建設や土木関係や不動産関係、保険関係者とかが来ていて、お金はかなり落としてくれているかな。それもキャッシュで。震災直後は、“これからどうなるんだろう”って途方に暮れたけど、今はちょっとしたバブルね」(飲食店経営者)(=平たく言うとママさん)なんだそうな。

 店内では作業服のままで繰り出して来た客が目立つとか。

 笑えたのは、そうした客を接客するコツが、やはり読売新聞に報じられていたことです。「震災の時に、どうなさっていましたか?と切り出すようにしています」(飲食店関係者)(=平たく言うと、お姐さん)

 客の中には、単にお姐さん達と仲良くするだけでなく、東北の日本酒を飲んで支援しよう、という奇特な方もいるらしく、それは大変結構な話しです。

 ただ、そこに書いてある「飲食店」というのは、全ての飲食店ではないと思います。新聞は風俗店も「飲食店」と表現しますが、立派な御料理を出す御店の方は、ここに書いてあるような景気とは聞いておりません。少なくとも、私は。

 復旧関係者は、仙台へ遊びに行っているわけではなく、昼間は仕事です。ハードな仕事で、夜遅くまでかかるのでしょう。そのハードな仕事が終わって、寝る前にクールダウンしたいから、夜更けて繁華街に行くのだと思います。嫁さん・子供は東京ですしね。

 そういう状況ですので、彼らが向かう「飲食店」とは、立派な御料理を出すお店のことではないと思っています。

 潰れてしまった店もあります。

 帝国データバンク仙台支店の発表によると・・・

やはり「国分町で高級料亭などを経営する「銀たなべ」が事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。」

「東日本大震災の影響で一時、全店営業停止を強いられ、売り上げが急減したことが響いた。負債総額は約5億円。同社は1949年に創業。国分町や周辺で日本料理店などを展開し、地元では高級料亭として知られた。」

とのことでした。お気の毒なことです。

 今の復興景気で儲かった人が、本格的日本料理を食べて下さると良いのですけどね。

 「ちょっとしたバブル」をバブルに終わらせないよう、消費する側もそれを受け取る側も、お金の使い道を、よくよくお考えいただきたいものです。

 しっかり考えて消費してね、お姐さん達。

追伸

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ランキング操作

 1/5の新聞・テレビが「食べログやらせ業者」について報じました。

「飲食店のランキングサイト「食べログ」が、好意的な口コミ投稿の掲載や順位の上昇を請け負う見返りに飲食店から金を受け取る「やらせ業者」に、ランキングを操作されている事例があることが4日、運営会社のカカクコム(東京)や飲食店関係者への取材で分かった。」

「東京都内の飲食店関係者によると、やらせ業者はIT関連会社や投資顧問会社を名乗り、店舗を個別に訪問。「食べログの点数を上げる裏技のご提案です。食べログからは非公認のサービスとなります」などと言葉巧みに勧誘し、店舗側の意向を反映した好意的なやらせ「口コミ」を毎月5件ずつ投稿するという。」

「報酬は月間約10万円。男性は「依頼を受けた店舗の点数を確実に上げる」などと強調したという。」

 まあ、私たちにとって、この話しは旧知の話しで「何を今皿イヤ今更」という感じですね。私が聞いたところでは、ライバル店を貶す書き込みもしていたはずです。

「食べログは昨年11月の月間利用者数が3200万人以上に達し、影響力が大きく、やらせによって客入りの悪い店が“繁盛店”に変身する場合もある。」

「カカクコムは、サイト内の監視を強めるなど対策強化に乗り出した。カカクコムは現時点でやらせ業者、39社を特定しており、田中実社長(49)は「今後は不正業者の業務停止を求めて提訴するなど断固とした措置をとりたい」としている。」

 ほお、「断固たる措置」ですか。

 どういう措置ができるんでしょう。「観もの」とはこのことですね。

 だって、「食べログ」は、登録さえすれば誰でも投稿できますね。本名かどうかわかりません。

 やらせ業者は悪用し放題でしょう。匿名性のネット社会で純然たる公正な「口コミ」なんて、在り得るんでしょうかね。

 だいたい料理屋なんて自分の舌で選べば良いんです。

 それが出来ない時は、しっかりした見識をお持ちの方に教えてもらえば良いんです。じゃあ「食べログ」は誰が使うのかって?友達のいないヤツが使えば良いんじゃあないですかね。

 私だって私の友達には、お教えしますよ。勿論、同業者のことですから、ネットには書けませんけどね。それこそが口コミというものです。

 ネット上の「口コミ」なんてものは、公正なものでは断じてなくて、ホンモノの口コミの中にだけ、真実が在るんです。

 ネットの普及以来、私達は公正であることに鈍感になり過ぎていませんでしょうか。

 こうしたランキング操作のことを、ネット業界では「ステルス・マーケテイング」とか言っちゃうそうですが、カタカナにすることで、不公正な感じを消そうとしているだけです。

 一般人や芸能人のブロガーが、企業から依頼を受けて、その商品を褒めるのも同類です。

 以前、このブログに結構な数の読者がいることを知った、ある人が言いました・・・

 へええ、じゃあ、住吉さん、儲かっちゃうんでしょうねえ!

 念のため、この「じゃあ」について解説しますが、「じゃあ」とは「住吉さんは老舗料理屋の主人だし、書いてるブログに読者が大勢いるなら、その立場を悪用できますね。旨くもないものを旨いと書いて、その旨くもないものを作っている業者から、お金をもらっているんでしょうね。儲かっちゃうんでしょうねえ!」

という意味です。

 私が、昔の、名誉を重んじる侍なら、

 ぶ、無礼者!

と叫んで、刀を抜き、その女(⇒女だったのです!)を切り捨て御免にしたことでしょう。

 ところが、彼女はニコニコと楽しそうに、この話しをしていて、悪気はカケラもなさそうでした。ブログとは、そのように使うものだと、最初から考えているようでした。

 まさに、末法の世ですな。

 南無観世音菩薩。

 追伸

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