媚びを売る
韓国から日本への観光旅行は、大震災後の風評被害や円高で激減し、いまだ回復していません。そこで溝畑宏・観光庁長官が先週韓国を訪れ、観光日本PRの記者会見を開いたそうです。
それは勿論良い事なのですが、その際のサービスぶりが韓国で議論の的になっているそうです。
⇒長官は突然、韓国の国歌を韓国語で歌ってみせたのだそうです。その韓国語は「拙い」ものだったそうな。
日本の政府高官が記者会見の余興(?)で相手国の国歌を歌ったということで、
「役人らしくない型破り」あるいは「愛嬌で親近感を出した」、
と韓国のマスコミは、おおむね好意的だったようですが、「・・・」と感じたのは、むしろ居あわせた日本マスコミの方だったようです。
「これは軽すぎないか。商売のために媚びを売る感じがする。品のない日本人の風景で戸惑っている。」と書いた新聞がありました。
皆さんはどう思われますか。
そもそもですよ、販売先に親しみを感じてもらえるよう努めることは、商売上必須のことです。それ無しでOKなのは、ヤクザと官業だけでしょう。
だから親しみを感じてもらえるように振る舞うのは当然のことですが、それが「媚びを売る」ように見えるかどうかは、その振る舞いに誠実さが感じられるかにかかっている、と私は思っています。
その「誠実さ」についてですが・・・
①自分が売らんとしているモノの品質に自信があり、なおかつ
② そのモノが必ず販売先の御役に立つ、
と信じていれば、販売先とのコミュニケーションも自然と誠実な感じになると思うのです、私は。
逆に、そこについて自信がなくて⇒愛嬌だけで何とか売りつけようとする時、それは要するにウソが入ってきますから、・・・
⇒誠実さが感じられない。
⇒媚びを売っている
と看做されてしまうのではないでしょうか。
さて話しは戻って、溝畑長官が「媚び」を売っていたかどうか、です。
観光商品としての日本は、放射能の問題がないかぎり、素晴らしいものです、当然ながら。必ず韓国の人に喜んでいただける、と信じて売り込むという行動は、普通はどんなに熱心にやっても、誠実そうで、媚びを売っている感じにはならないハズですね。
そんな中で問題は、国歌斉唱でしょう。
拙い韓国語を使おう、という姿勢は素晴らしいです。でも国歌が良かったのかどうか。
「大韓びとよ、大韓をとわに保全せよ!」とかいう歌詞ですからねえ。
むしろ、
是非お越し下さい!とか
お待ちしてます!とか
大歓迎します!とか
そういう普通の歓迎の言葉を、韓国語で一生懸命言えば良かったと思います、私は。
あるいは、
チェ・ジウさん大好きです!とか
少女時代 大好きです!とか
KARA 大好きです!とか
それから、もっと最新の、ほら、なんだっけ、とにかく脚の長い韓流の女の子が大好き!とか叫べば、よりベターでしたかね。
それも媚びてるだろう って?
(キッパリ)いいえ、ゼンゼン!
追伸
毎日新聞社発行の毎日ムック『100年の味 店100選』に載せていただきました。有難いですね。2012年1月12日発行。是非お求め下さい。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて694日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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