ランキング操作
1/5の新聞・テレビが「食べログやらせ業者」について報じました。
「飲食店のランキングサイト「食べログ」が、好意的な口コミ投稿の掲載や順位の上昇を請け負う見返りに飲食店から金を受け取る「やらせ業者」に、ランキングを操作されている事例があることが4日、運営会社のカカクコム(東京)や飲食店関係者への取材で分かった。」
「東京都内の飲食店関係者によると、やらせ業者はIT関連会社や投資顧問会社を名乗り、店舗を個別に訪問。「食べログの点数を上げる裏技のご提案です。食べログからは非公認のサービスとなります」などと言葉巧みに勧誘し、店舗側の意向を反映した好意的なやらせ「口コミ」を毎月5件ずつ投稿するという。」
「報酬は月間約10万円。男性は「依頼を受けた店舗の点数を確実に上げる」などと強調したという。」
まあ、私たちにとって、この話しは旧知の話しで「何を今皿イヤ今更」という感じですね。私が聞いたところでは、ライバル店を貶す書き込みもしていたはずです。
「食べログは昨年11月の月間利用者数が3200万人以上に達し、影響力が大きく、やらせによって客入りの悪い店が“繁盛店”に変身する場合もある。」
「カカクコムは、サイト内の監視を強めるなど対策強化に乗り出した。カカクコムは現時点でやらせ業者、39社を特定しており、田中実社長(49)は「今後は不正業者の業務停止を求めて提訴するなど断固とした措置をとりたい」としている。」
ほお、「断固たる措置」ですか。
どういう措置ができるんでしょう。「観もの」とはこのことですね。
だって、「食べログ」は、登録さえすれば誰でも投稿できますね。本名かどうかわかりません。
やらせ業者は悪用し放題でしょう。匿名性のネット社会で純然たる公正な「口コミ」なんて、在り得るんでしょうかね。
だいたい料理屋なんて自分の舌で選べば良いんです。
それが出来ない時は、しっかりした見識をお持ちの方に教えてもらえば良いんです。じゃあ「食べログ」は誰が使うのかって?友達のいないヤツが使えば良いんじゃあないですかね。
私だって私の友達には、お教えしますよ。勿論、同業者のことですから、ネットには書けませんけどね。それこそが口コミというものです。
ネット上の「口コミ」なんてものは、公正なものでは断じてなくて、ホンモノの口コミの中にだけ、真実が在るんです。
ネットの普及以来、私達は公正であることに鈍感になり過ぎていませんでしょうか。
こうしたランキング操作のことを、ネット業界では「ステルス・マーケテイング」とか言っちゃうそうですが、カタカナにすることで、不公正な感じを消そうとしているだけです。
一般人や芸能人のブロガーが、企業から依頼を受けて、その商品を褒めるのも同類です。
以前、このブログに結構な数の読者がいることを知った、ある人が言いました・・・
へええ、じゃあ、住吉さん、儲かっちゃうんでしょうねえ!
念のため、この「じゃあ」について解説しますが、「じゃあ」とは「住吉さんは老舗料理屋の主人だし、書いてるブログに読者が大勢いるなら、その立場を悪用できますね。旨くもないものを旨いと書いて、その旨くもないものを作っている業者から、お金をもらっているんでしょうね。儲かっちゃうんでしょうねえ!」
という意味です。
私が、昔の、名誉を重んじる侍なら、
ぶ、無礼者!
と叫んで、刀を抜き、その女(⇒女だったのです!)を切り捨て御免にしたことでしょう。
ところが、彼女はニコニコと楽しそうに、この話しをしていて、悪気はカケラもなさそうでした。ブログとは、そのように使うものだと、最初から考えているようでした。
まさに、末法の世ですな。
南無観世音菩薩。
追伸
毎日新聞社発行の毎日ムック『100年の味 店100選』に載せていただきました。有難いですね。2012年1月12日発行。是非お求め下さい。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて682日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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