新春浅草歌舞伎
浅草公会堂でやっている「新春浅草歌舞伎」を観ました。
この1月は、中村勘三郎さんの「平成中村座」と、「新春浅草歌舞伎」の二座が浅草で興行を打っていまして、浅草の街を盛り上げてくれています。
銀座の歌舞伎座が改築中なので、こういうことになっているのではありますが、こういう嬉しい状態は明治時代以来なのかな、と思います。
この二座の内、「平成中村座」は場所が山谷堀公園なので、「ちんや」からは結構遠いのに対し、「浅草歌舞伎」は、場所がとても近いので、我々の店辺りにも、有り難い経済効果があります。
お返しに応援しなければバチが当たると申すもの、です。で、見物させていただきました。
さて、今年の「浅草歌舞伎」の目玉は、市川亀治郎さんの「卒業」です。
亀治郎さんは、浅草には10年以上出演して下さいました。途中でNHK大河ドラマの「武田信玄」にお出になった年は、浅草はお休みでしたが、それ以外は毎年出演して、浅草の街を盛り上げて下さいました。
その亀治郎さんが、今年6月には「四代目市川猿之助」を襲名することが決まっていて、その襲名披露興行が、来年1月には別の土地で開催されます。
そういう次第で、「正月の浅草」を卒業なのです。
その演目ですが、「敵討天下茶屋聚」の「通し」でした。
この狂言は、上方系統の仇討ちもので、テイストとしては大衆演劇風の筋です。今まで「浅草」に架かった狂言とは、チト傾向が違います。
この狂言の弾けた感覚に、亀治郎さんの大奮闘が、実にマッチしていました。
泥酔ぶりとか、盗賊に成る場面がとても上手く、立ち回り=と言っても正面から闘わず、追手から逃れようと、客席を逃げ回ったりして、お客さんも大盛り上がりでした。
幸い、御本人とお話しする機会があったので、
来年は寂しくなりますねえ。
と申し上げますと、
イヤ、また帰って来ます!
と嬉しい一言。
期待したいですね。
いいね!澤瀉屋!
追伸
毎日新聞社発行の毎日ムック『100年の味 店100選』に載せていただきました。有難いですね。2012年1月12日発行。是非お求め下さい。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて689日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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