靴の 松・竹・梅

 このブログの3/11号に書いた、末光宏さんを講師に迎え、勉強会を「ちんや」で開催しました。もちろん、靴についての話しです。「ちんや」従業員向けの、勉強会ですが、貴重な話しなので、浅草の飲食店の人達にも「良かったら是非聞きに来て下さい」と声をかけましたら、桜鍋「中江」のN社長、「ときわ食堂」のM君、「駒形どぜう」のW君、料亭「きよし」(墨田区向嶋)のA子女史、それから飲食店ではないですが、地元の書家のS女史も参加してくれました。

 この講演会の趣旨を、重複になりますが、もう1回書いておきますと、実は「ちんや」では「ちょっと嬉しい褒め言葉作戦」を実行したいと思っています。お客様の、お靴・お着物・お洋服・お持ち物を従業員にどんどん褒めさせます。基本的にいつも褒めることにしたいと思っています。

 それは褒めない方がむしろ不自然だからです。お客様の立場になってみれば、せっかく靴や洋服を整えて「ちんや」を訪問したのに、誰も褒めてくれなかったら、がっかりしますよね。外食に出かける、ということは、お客様にとっては、そういう手間がかかるわけですから、こちらは是非とも反応してさしあげないといけません。

  褒めて差し上げれば、お客様のご機嫌が良くなって、接客が格段にやりやすくなりますから、お客様も店も双方がハッピーです。そして、さらに、その「モノ」を造った、造り手の人もハッピーになります。

  もちろん、やたらめったら何でも褒めるのはカッコが悪いですから、モノの良し悪しを少しは知った上で褒めたい所です。そこで造り手の人に「ちんや」に来てもらって、従業員向けに、靴を褒める場合のポイントを教えてもらおうと企画しました。

 それが今回の、講演「30分でわかる靴の 松・竹・梅」です。

  カリスマ靴職人の末光さんは、手だけでなく、結構御口も滑らかで、「絶対おススメのメーカー」「ピンキリのあるメーカー」も教えてくれました。講演の後は、末光さんを囲んで参加者で懇親すき焼き。1時間で終わる予定でしたが、靴談義で夜が更けました。

  今後飲み会がある時は、今日仕入れた薀蓄をガンガン受け売りして、得意がってやるぞ。ひひひひ。これだから、カリスマ受け売り師はやめられない。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

早計?レガッタ

 学生時代にボート部に所属していた友人が、4/18「ちんや」へ食事をしに来てくれました。この日に隅田川で開催された、「早慶レガッタ」(=ボートレースのこと)を奥様とお嬢様に見せて⇒その後で食事、という段取りだったとか。自分がかつて出場していたレースを家族に見せ、父として誇らしい気分だったに違いありません。お天気にも恵まれ、浅草の休日を満喫してくれたことと思います。

 「早慶レガッタ」と申しますのは、早慶両校ボート部が隅田川を借り切って開催する、二校だけの対抗レースでして、我が母校が、私の地元・浅草で開催する唯一の行事です。そういう行事が地元で開催される御縁で、学生時代の友人にも店へ来てもらえて、有り難いことです。

 とても経費がかかる、このレースの開催が永続できるよう、毎年、大会公式プログラムに協賛広告を出すことにしています。今年が第79回なので、来年は第80回です。歴史の一部に参加させていただけることを感謝しています。

 今年の勝負については、回漕中のザンネンなトラブルもあり、我が義塾の敗退でしたが、両校選手の健闘を讃えたいと思います。

 それにしても、ウチのパソ彦、「早慶」って変換しないから、不便だよなあ。なんで「総計」と「早計」だけなんだ? ゼッタイに「早計」より「早慶」の方が使われると思うけどなあ。

 ワセダ出て⇒NECに入った、早計なヤツが設計したに違いない、このパソコン。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「早慶レガッタ」については、こちらです。

Filed under: 今日のお客様,浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 9:16 AM  Comments (0)

南部ってどのあたりですか?

 このブログの4/7の号で、「ちんや」には「お客様に聞かれて困った質問」収集委員という委員がいると書きましたが、その委員の連中が収集した「困った質問」が提出されてきました。

 「ちんや」さんの、すき焼きの鍋は、どこで買えるんですか?

 こういう御質問は結構多いようです。で、答えですが、ザンネンながら、買える店はありません。「ちんや」向けの特別仕様の鍋ですので、よそにはないのです。現在使っているのは、昭和50年に現在の店舗を建てた時に、岩手県の、南部鉄器のメーカーさんに発注したものがほとんどで、それ以降は新規発注せずに、その当時のものを大切に使っています。

 と教えたら、収集委員は「?」という様子。「岩手県の南部ってどのあたりですか?」

 うーん、そうか、「南部」を教える必要があったか。南部というのは、南の部分じゃないんだなあ。

 収集委員は皆、最近入社したメンバーなのです。ゆとり教育では、南部氏が岩手県を永いこと治めてきたことを教えてないのかしら? 困るなあ。伝統工芸の存続にもさし障りますよね・・・

 ところで、ひょっとして、気づいた人もおいでかもしれませんが、この「困った質問」はブログのネタの宝庫なのです。

「やっぱりそうか、住吉、情報の社内共有化とか言っちゃって、実はブログのネタ集めしてたのか!」

 ひひひひ。

 全国のブロガーの皆さん、この方法をマネっ子する時は、ウチに挨拶しに来てくださいね。ついでに、すき焼きも食べてくれると嬉しいなあ。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

討ち入り

 4/16は月に1度の、雷門横丁一斉清掃の日でしたので、参加しました。と申しますか、私は、「浅草雷門横丁振興会」の副会長でして、会が区役所から借り受けた、清掃用具や、「大江戸清掃隊」の揃いの法被は皆、「ちんや」でお預かりしていますので、この行事を主宰しないといけません。

 路面を皆で清掃するわけですから、雨がひどければ延期です。朝から冷たい霧雨が降っていたので、判断に迷いましたが、決行と判断。やると決めた以上は、ハリキッて、隊のツワモノ?どもを率いて奮戦しました。

  この行事は、平成18年に、「浅草雷門横丁振興会」が結成されて以来、欠かさずに月に1度行われています。暑い日も寒い日もめげずに続けてきたわけは、「この横丁をなんとしても清潔な通りにしたい」という共通の願いがあったからです。

  雷門横丁というのは、雷門通りのすじ一本北、つまり「ちんや」の裏の、細い通りなのですが、通りと通りの間の距離がさほどないので、雷門通りから雷門横丁まで敷地が続いている店が多く、そうした店は雷門通りに面して表口を、雷門横丁に面して通用口を設けています。で、平成18年当時問題だったのは、その通用口近辺、つまり雷門横丁に面した口の、ゴミの始末が、とてもだらしない店があったことでした。

  ゴミの始末がだらしない店の中に飲食店がありました。「ちんや」も飲食店ですが、飲食店は生ゴミを出しますから、始末をよほどキチンとしないと近隣にご迷惑をかけます。生ゴミにネズミやハエ、ゴキブリが寄ってくるからです。そして悪いことに、その店にはホームレスまで寄ってきてしまいました。ヤツが連日出没するので、とても困りました。

 もちろん、その店には何度も、個人的に申し入れをしましたが、口約束ばかりで、キチンとしたゴミ処理が実行されません。従業員に外国人が多く、オーナーが店をコントロールできていない様子でした。

  このザンネンな状態を解決すべく、一人の女子が立ち上がりました。ウチの裏の、もんじゃ焼き「O」のU子ちゃんです。ちゃん付けなのはずっと年下だからです。「雷門横丁に「通り会」を作って、組織の力でゴミ問題に取り組もう」という彼女の音頭とりで、浅草雷門横丁振興会が結成された時、私は副会長となり、生まれて初めて、年下の女性の上官をかつぐことになりました。 

 そういう次第ですので、私の役どころはさしずめ参謀長といったところです。会の規約の起草、設立総会の準備を進め、平行して「大江戸清掃隊」として区役所に公式登録をしました。「大江戸清掃隊」に登録すると、清掃用具が借りられ、また揃いの法被も借りられるのです。横丁のメンバーが徒党を組んで、汚い店(つまり、他人の敷地)に入り込むには、揃いの法被がどうしても必要でした。その法被が届いた時は、「これでやっと、あの汚い店に立ち入って掃除できるぞ」と興奮したものでした。

  やがて設立総会を経て、浅草雷門横丁振興会が無事結成され、最初の「一斉清掃」の日がやってきました。待ちに待った、討ち入り、じゃなくて立ち入りの日です。揃いの法被を着込んで、他人の土地に侵入し、当の店の人間が驚くのを無視して、ガンガンと掃除してやることができます。

  気分が高揚した私は、集まったメンバーを前にさけびました。

「おのおの方、積年の憂さをはらす日がまいった。今宵めいめいが本懐を遂げるべし!」

「エイ、エイ、オー」

  後日談ですが、あの汚かった店は倒産し、今のテナントさんに代わりました。今のテナントさんはキレいにしてくれているので、以前のような問題はなくなりました。毎月清掃することで、他の御店もゴミ処理に気を使うようになりました。また、会の共有でダストボックスを購入したので、さらに清潔になりました。 あーあ、興奮しないなあ、最近。

   お読み下さり、かたじけない。住吉由良之助でござった。

 *「ちんや」については、こちらです。

*「大江戸清掃隊」については、こちらです。

Filed under: 浅草インサイダー情報,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 9:44 AM  Comments (0)

ビールより なんとか

 4/15、浅草料理飲食業組合の研修会で、アサヒビールの守谷工場を訪ねました。この工場は、平成3年に竣工したのですが、私は竣工直後に訪問したことがありまして、2度目の訪問です。ですから、実は、行く前には全くワクワク感がなくて、「業界のおつきあいだから」というだけで参加を決めました。

  守谷工場はアサヒビールの工場の中では、3番目に新しく、本格的な見学コースを備えた最初の工場です。ホテルのロビーのように快適な見学コースがあって、赤い制帽が可愛い、ガイド嬢もいます。でも、実は、だからこそ私にとっては、再度訪問する意欲がわかない工場でした。立派すぎて、同じ敷地内にいるのに、見学者が造り手の人間からとても遠い感じがするのです。我々中小企業人にとって、こういう工場は「ひゃあ、スゴい近代的ですね、恐れ入りました、へへー。」で終わってしまうのです。造りの現場にいるリアリテイーがほとんど感じられなかったのが、前回の見学でした。

  今回の見学も、どうせそのような次第だろうと思って守谷(茨城県)へ向かいましたが、そういうこっちの思いを知ってか、アサヒの吾妻橋支店さんは特別プログラムをご用意くださりました。

  ホテルのような見学コースが終了した後、「それでは、これから従業員用スペースにお入りいただきます(!)」と声がかかりました。これが、本当に従業員用スペースでして、本日の出勤者シフト表(もちろん従業員さん方の実名!)を掲示したパネルの横を通過して進んでいきます。その間副工場長氏がつきっきりで、説明してくださいます。正規の見学コースは静かで快適ですが、こちらは稼動している機械のすぐ横を歩くので、轟音が響きます。副工場長氏、説明を絶叫。

  やがて進む内、アルコールチェック機というのを発見。ビールのアルコールをチェックする機械はありません。出勤してきた従業員の、体内のアルコールをチェックする機です。前夜に深酒した者を検知するのだそうです。ひえー。ごくたまに、本当に検知されて、作業に加われない人もいるとか。「そんなの検査されたら、俺なんか、週に1回くらいはひっかかるな」と浅草のK社長。「嘘つけ! キミは3日に1回はひっかかるよ!」と別の社長。まだ飲んでないのに、楽しくなってきました。

  従業員用スペースを見学させていただいた後は、醸造部長氏も参加しての、質疑応答タイムです。いろいろお尋ねする中で感心したのは、国内に何箇所もある、各工場のスーパードライを相互に点検して、評価しあっているというところです。もちろん、人間が自分の舌で点検するわけです。「味覚だけで、そのスーパードライがどこの工場の産かわかるんですか?」とお尋ねすると、「そりゃ、たいていわかります。でも、一番判別に迷うのは、実は、自分の工場で作ったドライなんですよ。よそが作ったのは、簡単に判別できるんですけどね。」

  うーん、大工場・大メーカーでも、最後の最後は人間なんだね。とても有り難く、勉強になりました。

  さてさて、見学の後にやることはもちろん、決まっています。それは、宴会!じゃなくて試飲会です。醸造部長氏が選んだビールを、「樽生・注ぎ方インストラクター」氏が注ぐのですから、マズかろうハズはありません。いざいざ、と勇んでいると、さきほど来、我々を案内してくれた、赤いお帽子のガイド嬢が、「それでは、私はこちらで失礼いたします。」と帰ろうとするではありませんか。

 「あれ、お姐さん、なんでもう上がっちゃうの? 一緒に飲もうよ!」と声をかけると、

浅草からずっと同行して来て下さった、吾妻橋支店長氏が、

「チョ、チョッと、住吉さん、彼女はまだ勤務時間中なんですよ。」そう言う支店長氏の目が笑っていなかったので、それ以上しつこくするのはやめにしました。

  やだなあ、支店長、冗談ですよ、冗談。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

「すき焼きのタレ」

 先日、こんな電話がかかってきました。「取材の電話なんですけど、すき焼きのタレについてお話しをうかがいたいと思いまして・・・」

 ? すき焼きの、タ・レ?

  ここでいきなり、受け売りいたしますが、全国調理士養成施設協会が編集した「改訂 調理用語辞典」によりますと、垂れ(タレ)とは、

「主に醤油や味噌に味醂、砂糖などを合わせ、煮詰めてやや濃度をつけたものだが、用途によりいろいろな種類がある。かば焼きや照り焼きなどのように材料につけて焼いたり、鍋料理や鉄板焼などに添えたりする(後略)」です。

  そうです。「鍋料理に添えたりする」するのが垂れでして、しゃぶしゃぶの垂れを垂れとよぶのは、正解ですが、すき焼きの鍋の中に入っている液体は、垂れではないのです。少なくとも、「ちんや」では。

  では、その液体を何と呼ぶか、ですが、「割下」と言います。 

 わ・り・し・た です!

 ここでまた、受け売りいたしますが、割下とは、

「割り下地のこと。鍋料理に用いる味を調えた煮汁のこと。だしに醤油、みりん、その他の調味料を混ぜ合わせて煮立てた汁。(後略)」=つまり、あの鍋の中の液体のことです。

  ちなみに、私は毎朝出社すると、割下に迎えられます。私・住吉史彦は、(一応、)すき焼き屋の主なので、割下の味を見るのが日課なのです。朝一で、その日に使う割下が、口径5cmほどの小さな透明の猪口に入れられて、私の帳場の前に置かれていますので、それをペロペロとなめつつ、メールやブログのチェックをします。実は今現在も、そういう状況です。

  ところが、です。「焼肉のタレ」で有名な、大手食品メーカーのEバラ社さんが、「すき焼きのタレ」という製品(瓶詰め)を売り出したので、「ちんや」でもお客様が「お姐さん、すき焼きのタレちょうだい!」などと嘆かわしいことをおっしゃるようになってしまいました。

  そこで、「ちんや」にご来店の際、「住吉さんのブログを読んで習ったんだけど、すき焼きの鍋の中に入っている液体は、垂れでなくて、割下なんだよね!」と言った方に特典をつけます。

 <特典=「ちんや」の仲居が、冷ややかな表情で「常識ですね」とお返しすること。>

 ひひひひ。あ、しまった! また、ひひひひを使ってしまった。他のキャラも育てて使わねば!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 9:41 AM  Comments (0)

どぜうと葉桜 

 4/13は火曜日なので、店を休ませていただきましたら、またとないお花見日和ではありませんか。私は、もともと満開のころより、散り行く桜が好きなので、隅田公園に出かけない手はありません。

 隅田公園には、種類の違う桜が植えられていまして、完全に葉桜になってしまった木もありますが、種類によっては、まだ花が残っている木もあります。散歩する内に、気温もどんどん上がってきて暖かく、風は爽やか、東京スカイツリーも良く見えて、最高の気分でした。

  散歩を満喫した後は、墨田区吾妻橋の「どぜうH」へ。どぜう鍋にあわせ菊正宗の燗酒を注文。ひっく、昼酒はどうも、酔うなあ。極楽、極楽。

 「おい、住吉、おまえは、浅草料理飲食業組合で、組合長のII田さん(「どぜうII」)にさんざんお世話になっているのに、そういう所に食べに行って良いと思ってるのか?」

  あ、組合長、いや、これはですね、なんと申しますか、要するに、言ってみれば「偵察」です。そう、まったくの「偵察」です。ですから当然、どぜうを楽しんだりはしておりません。もちろん、酒もまったく楽しんでおりません。ひっく、うーい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: 浅草インサイダー情報,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 3:00 PM  Comments (2)

けいだん連

 「継旦連」(けいだんれん)という団体があります。と申しますか、浅草料理飲食業組合の青年部のことをそう呼んでいます。「旦那を継承する連中」ということでつけたネーミングだそうです。浅草の料理屋の、跡継ぎとなる若手が、ときたま集まって情報交換・親睦をはかる会のことです。

  その「継旦連」の総会が4/12にあったので、出席しました。今回の総会で、今まで代表幹事だった、「ヨシカミ」(洋食)のAさんの任期が終わり、代わって「雷門満留賀」(蕎麦)のS社長が就任されました。

 総会は、同時に青年部を定年で「卒業」する方の「卒業式」も兼ねています。今回「中清」(天麩羅)のN社長が50歳の定年を迎えられて、「卒業」されました。長年お世話になり、誠にありがとうございました。

  実は、定年の規定は、私が「継旦連」の代表幹事在任中の、平成12年に定めたものなのですが、この規定に則して卒業生を輩出するのは、今回が初めてです。また、N社長は、私の前任の代表でしたので、今回の「卒業式」は、私にとっては感慨深いものがありました。

  ただ一つだけ問題がありました。やはり私が加入している、東京商工会議所台東支部青年部の総会が、同じ日にカチ会ってしまっていたのです。会議所総会の会場はウチ=「ちんや」(!)ですので、出ないわけにいきません。ただ有り難いことに時間はズレていて、会議所の方は18:30〜21:00で、継旦連は22:00〜24:00なので、なんとか強行ダブル出席した次第です。

  会議所の懇親会で飲まされて、すっかり酩酊した私は、ご機嫌な御み足を、互いちがいに繰り出しながら、「継旦連」総会の会場へ移動しました。「F忠」のN社長、「どぜうII」のIIジュニアも、同じコースの酩酊組です。

 (議長)「それでは、本年度の活動計画案について、ご質問のある方は・・・」

  「異議無―し! ひっく 万歳! ウラー!」

 (議長)「そこのすき焼き屋さん、ウルサいですよ! ヨッパライの投票は無効ですので、住吉君の投票は無効と認めます!」

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*浅草料理飲食業組合については、こちらです。

Filed under: 浅草インサイダー情報,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 11:00 AM  Comments (0)

ウドのすき焼き

 4/10テレビ朝日の「使えるアイデアハウス」という番組の中で「ウド農家のマル秘レシピ」というのを放送していました。

 このブログの3/7の号に書きましたが、今「ちんや」では、春バージョンの「変りザク」をお出ししていまして、その内容は、たけの子、山ウド、長せり の3種盛り合わせです。ウドがその中に入っているので、この番組が気になって見てしまいました。

 当然、ウド農家に取材に行った場面が放送されていましたが、東京郊外・立川市の、地下の室(むろ)で、「東京ウド」を栽培しているところが紹介されました。地下で育てているところが映像的に面白いせいか、「東京ウド」は良くテレビで見かけます。

  ここで育てているのは「軟化ウド」という白いウドです。地下で日の光に当たらないので、白くなります。長さは長いです。逆に、普通に畑で育てると「緑化ウド」という、上の方が緑色のウドになります。「ちんや」の「変りザク」に入っているウドは、福島県相馬地方の「緑化」のタイプです。(普通に育てているのに、「緑化」って言うのも?ですが)

  「マル秘レシピ」の中に、ウドのすき焼きも入れてくれればいいなあ、と思いつつ見ていましたが、ザンネンながら落選したようでした。

 結構旨いんですけどねえ、ウドのすき焼きは。是非、「ちんや」でお試しください。ご提供はこの時季だけです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 10:50 AM  Comments (0)

神田仏蘭西料理

 4/9の昼時、神田仏蘭西料理「聖橋亭」さんで、国際観光日本レストラン協会関東支部の役員会が、開催されましたので行ってきました。ランチ付きの会議でした。

  この御店は、神田明神の参道横にある、民家を改装したもので、隠れ家的な、知人のご自宅に招かれたような感覚になる、小さな御店です。2階に12席定員の部屋がありますが、その部屋が最大で、3階に小さい和室と洋室(各6席定員)がそれぞれ一つずつあります。N社長みずからのご案内で、全部の部屋を拝見しましたが、どの部屋にも、趣味の良い調度品が置かれています。そして、なんと4階には「お昼寝スペース」があります。普通の家にいるかのようにくつろいで欲しい、という趣旨だそうです。

  この御店のシステムは完全予約制で、予約がないと店を開けないのですが、逆に、普通の食事の時間でなくても、事前に予約すれば、客の希望の時間にあわせてくれるそうです。ある意味、究極のマーケテイングですね。営業方針が、民家風という造作にもマッチしていてGOODです。浅草の路面で営業している「ちんや」にはマネできない芸当です。

  さて、肝心のお料理ですが、私としては、コンソメのスープとビーフシチューのソースにとても感心しました。実は、この御店自体は最近できたのですが、経営している中富商事さんは、飲食の業界で70年以上の歴史がある老舗でして、コンソメやビーフシチューは得意料理なのです。前菜やデザートも小奇麗に盛ってあって、それももちろん、結構でしたが、私としては、スープやシチューといったの、「日本の洋食」的料理に、どうしても惹かれます。

  なんでも、ビーフシチューのソースには、隣の、神田明神の参道にある甘酒屋さんから、糀をもらって入れているとか。それって、すき焼きの鍋に、やはり発酵食品である味噌を入れるのと、同じ作戦です。横浜の「太田なわのれん」さんなどでも、味噌の入ったすき焼きを出されていますが、ハッキリ言って、大スキです、そういう傾向の味。

 お仏蘭西人には、わからないだろうねえ、この味は。

  あ、そうだ、7/3にそういうテーマで講演しなきゃいけなんだ! せっかく旨いもの食べたのに、イヤな事思い出しちゃったなあ。あーあ、勉強しなけりゃ、そろそろ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*神田仏蘭西料理「聖橋亭」さんについては、こちらです。

*「7/3にそういうテーマで講演しなきゃ・・」については、このブログの3/10の号をご覧下さい。

Filed under: すき焼きフル・トーク,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 9:16 AM  Comments (0)