老舗の味ーうん十年ぶりの鰻

 4/24に、「台彪会(たいひょうかい)」の工房見学会があり、その打ち上げ&懇親会が鰻の「川松」さんでありました。「川松」の後継者・A子女史が「台彪会」のメンバーでして、おかげ様で、とても楽しい宴会になりましたが、実は、その時隣席になった方から、「川松」さんについて、とても良い話しを聞きましたので、今日はそのことを書いてみようかと思います。

  隣席になった、Uキャスター販売のU社長は、私と同年配の方で、お父上(=会長)も存じ上げているのですが、ウチの父と同年配です。そのお父上にUさんが、「今日はこれから、初めて「川松」さんで鰻を食べるんだ。」と言ったところ、「何言ってんだ、オマエが小さい頃に、「川松」さんへは、何回も連れて行ってやったんだぞ!」と言われてしまったそうなのです。

 そう言われたUさんは、「そうだったのかな? でもあんまり、覚えてないなあ」と思いつつ、「川松」さんでの懇親会に出席しました。しかし鰻を食べた時、思ったそうです、「あ、この味は、自分もオヤジも好きな味だ。きっと、間違いなく、連れてこられてる!」

  Uさんは、鰻とご飯の両方を、上手に箸に載せてバクっと食べます。結構な分量を載せて、うまそうに、ズンズン食べていきます。その場で確認しませんでしたが、その食べ方もオヤジ譲りかもしれません。

  かつて、Uさんが小さい頃、一家は「川松」さんで、楽しい食事をしたのだと思います。ご家族とハッピーな時間を、そこで過ごしたからこそ、その時の味を覚えているのだと思います。その結果、味覚の継承が、次世代へキッチリ行われています。そして、味覚が継承されていれば、その料理屋さんにとっては、永続的なご繁盛につながっていきます。

  うーん、同業として、かなりうらやましいなあ、この話し。「ちんや」でも、こういう話しが聞かれるようにしないと。

 と書いている、私の横からヨメの冷たい視線が・・・

「いつまでパソコンにかじりついてるのよ? アタシもパソコン使うんだから! どうせ、また善人ぶったこと書いてるんでしょ。」

  え? だってそりゃあ、ホントに善人だもん。 ねえ、台彪会の皆さん。 ひひひひ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「川松」さんについては、こちらです。