お彼岸と食育

今日は、お彼岸の3連休の中日で、店の営業がとても忙しい日でした。実は、お彼岸は浅草の飲食店にとっては、一大イベント・一大商機なのです。

 そのわけは、浅草の北部や西部に、お寺が多く、そこに墓参りに来られるご家族連れが多いからです。墓参りは家族の重要な行事ですから、小さいお子さん・お孫さんも引率していかないといけません。そして、小さいお子さんがお墓にお参りしたら、ご褒美として、やはり、何か美味しい物を食べさせないといけません。それで、浅草の街が賑わう、という寸法です。有難い話しです。

 もう一つ、お彼岸が有難いのは、墓参りの後の食事=親子孫3世代での食事が、そのまま「食育」の場にもなっている、ということです。「いいかい?、良い肉というのは、こういう味がするんだよ」あるいは「シラタキはどうやって作るか、知ってるかい?」という具合に、おじいちゃん・おばあちゃんが、日本の伝統料理の良さを、「食育」している場面が見られるのは、お彼岸です。

 ご家族揃っての会食に勝る「食育」の機会はありません。最近では、有名シェフが子供たちに料理を教えたりしているそうで、それはそれで結構ではありますが、まず、家庭の中で、食べ物のことをもっと語っていただきたいと思います。「同じ味を、家族が皆『美味しい!』と感じられたら素晴らしい」そう思っていただけたら、最高です。

 そうした機会に読んでいただこうと、「ちんや」では、すき焼きについて、お子様向けに平易に解説した、小冊子「すき焼き百科」を独自に作って、店頭で差し上げています。(小学校高学年の生徒さん向けに書かれています。)

  ご仏縁に、(こういう時だけ・・・)感謝しています。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございます。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

ご栄転

 昨日(3/19)の夜のことですが、東京商工会議所台東支部事務局の、K方局長とK田主任が見えました。K田君が会議所本部へご栄転で、今月いっぱいで、台東支部事務局からいなくなる、ということなのです。

 台東支部青年部の総会は毎年私の店「ちんや」で開催されているので、青年部担当の事務局員・K田君には毎回とてもお世話になりました。K田君は、青年部の会合のたびに、飲ん兵衛の部員たちに夜遅くまでつきあってくれました。ご自宅が遠く(横浜の先)また、在任中に結婚されたにもかかわらず、良くつきあってくれました。

 思い出されるのは、K田君が着任してきた、その年の秋に開催した、「台東区横断・縦断ウルトラクイズ」のことです。この企画は、浅草神社境内や寛永寺境内に多数の参加者を集めて、台東区に関するクイズを出す、という一大イベントで、青年部が主催しました。  

 もちろん、K田君にも着任早々から、この大クイズ大会のために奔走してもらったのですが、なんと、実施当日、台風が急接近してきたのです・・・

 結局、台風が東京を直撃することはなく、しかしやはり荒天の下で、クイズ大会は行われ、青年部員一同ズブ濡れになって、スタッフを務めました。

 K田君には、ご栄転後も、台東支部で過ごした3年間を覚えておいてもらいたいものです。

 あ、そうそう、K田君にもう一つ注文が。東京商工会議所の職員なのに、神奈川県に住んでいるのは、どうなんだろう?東京の、できれば台東区に移ってはいかが?

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*東京商工会議所台東支部については、こちらのサイトをご覧下さい。

Filed under: 今日のお客様 — F.Sumiyoshi 6:28 PM  Comments (0)

意地悪な案だなあ

 今日午後、通り会(正式には「浅草雷門通り商店街振興組合」)の理事会があったので、出席しました。

 地下鉄の駅の構内に、通りの電飾広告を出して集客しよう、という案が計画されていて、その件が今日の理事会にかかりました。通りの地図と個店の情報(電話番号、定休日、営業時間など)を大きく掲示しよう、という計画です。

 天麩羅屋「A」のW社長が万事手配してくださっていて、すぐにも実行できそうな準備状況なのですが、ひとつ問題がありまして、それは、通り会に入って下さらない店の扱いです。

  未加入店は、会費を払ってくださらないわけなので、会費を払っている店と同等というわけにいきません。理事長とWさんの案では、地図上に店名が載るものの、個店の詳しい情報は載せないようにする、という案でした。

そこで私が、会費未納店は店名を載せず、業態だけを載せる案、つまり「牛丼店」とか、「美容院」とか、「ブランドもの安売り店」などと表記する案を出しましたが、「住吉君らしい、意地悪な案だなあ」「喧嘩売ってると思われちゃうよ」ということで否決されました。

皆さん、大人だなあ。それにつけても、街づくりは難しい・・・

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*浅草の通り一覧は、こちらのサイトで確認できます。

Filed under: ぼやき部屋,浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 5:06 PM  Comments (0)

福岡総会

 「国際観光日本レストラン協会」の総会が福岡市でありましたので、泊りがけで出席してきました。お彼岸で浅草の店が忙しく、それに遠方なのに、わざわざ出かけていった理由は、この総会で私・住吉史彦を、協会の理事に指名する人事案がでることになっていたからです。

 この協会は、全国の素晴らしい料亭さんやフレンチのレストランなど一流店ばかりの集まりでして、「ちんや」ふぜいは、入会させていただいているだけで、有難いくらいの会ですから、理事になることなどはまったく考えていませんでした。当然、私以外の理事さん方は、素晴らしい方・お偉い方ばかりで、年齢的にも私のような若輩者が理事になどとは考えてもいませんでした。

 「理事に」という話しがあった時、即座に「いやいや、恐れおおいですから」と言えばよかったのですが、そういう話しが自分に来ることを全く想定していなかったので、どう反応したら良いか、思案している内「いいよね?」と決まってしまいました。

 ところで、何で私ふぜいが、協会の「理事に」となったか、ということですが、それはまず、去年の2月に開催された、協会の総会懇親会を「ちんや」で引き受け、お偉方の皆様をなんとかと接待し、また料理もまずくはなかったからだろうと思います。ですから、私の人物への評価というより、「ちんや」従業員一同の、仕事への評価が、まず第一でしょう。感謝しないといけません。

 その他に評価されたポイントがあるとすれば、例の「すきや連」活動でしょうか。すき焼き屋で、ああいう活動をはじめた人間は、かつていませんでしたし、おかげ様で、毎回大盛況のうちに活動を継続できていますので、協会の大先輩の中にも「あれは、たいしたもんだよ」と言って下さる方がいて、もちろん、出世したくて活動しているわけでは、まったくなく、ものずきでやっているのですが、有難いことだと思っています。

 総会後の懇親会では、「新理事を皆さんにご披露する」ということで、壇上に上げられました。私は「ここで一つ、笑っていただこうか」と考え、自己紹介を、こう切り出しました。

 「お江戸浅草花川戸から、やって参りました、わたくしは、市川海老蔵でございます!」

  ごく少人数の方だけに笑っていただきました・・・いいんです、それでも。協会の津田会長(=「なだ万」会長)はウケて下さいましたので。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございます。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 *「国際観光日本レストラン協会」については、こちらのサイトをご覧下さい。

*「すきや連」については、こちらのサイトをご覧下さい。

Filed under: 飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 8:24 PM  Comments (0)

博多の夜

 「国際観光日本レストラン協会」の総会を明日(3/18)に控え、福岡市にやって来ました。

協会の九州支部長で、今回の福岡総会の世話役である田中さんが、ご自分の御店「芙蓉別館」で前夜祭を開催されるので、参加しない手はありません。

  午前中に浅草の店で、保健所の方と打合せをした後、おお急ぎで羽田へ向かい、14時前のフライトで飛びました。幸い、福岡は空港が都心に近いので、この時間でも17時少し前には宴会場に入ることができました。

  九州は海の産物と酒が豊富なことで有名ですから、当然宴会には、こうした品々が並びます。全国の有名料理店の、ご主人さん方が集結するわけですから、板長も気合が入ってます。

 また、今回は抽選で、地元福岡県の方と同卓でしたので、いちいち料理を解説していただきながら食しました。有り難いです。

 この席だけでも御酒をさんざんいただきましたが、一次会で終わるハズもなく、さらに博多の夜を転戦しました・・・

 しかし、遊びにきたわけではありません。明日朝は、柳橋市場を見学するので、早起きします。東京ではお目にかかれない、面白い魚介類にお目にかかれるそうなのですが、はたして、起きることができるのか?

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございます。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 *「芙蓉別館」さんのホームページは、こちらです。

Filed under: 飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 1:47 PM  Comments (0)

人間ドッグ

今日は、火曜日の定休日を使って、人間ドッグを受けました。結婚する前の年から毎年、ヨメと二人で受けていますので、もはや年中行事と化しています。

 採尿⇒採血⇒バリウム⇒発泡剤⇒下剤と毎年のことながら、気の重い行軍です。

 で、結果ですが、ザンネンながら?どこも、悪いところがありません。太く短く生きたいんですけどねえ・・・

 浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 2:01 PM  Comments (0)

10年目のWebマーケテイング

今日は、株式会社IMCのI社長が打合せに見えました。「ちんや」のWebマーケテイングの件で相談にのってもらっていて、もう3回目の打合せです。

 「ちんや」のホームページは、もう出来て10年になるのですが、その間にネット環境はだいぶ変わりました。開設当時は、ちょっとコンテンツを工夫すれば、「凄いね」と言われた時代で、SEMだのSEO対策だのは言われていませんでした。そろそろ、ひとひねりする頃合です。

 IMCさんのホームページTOPに、「貴社の価値を確かに伝える」と書いてある通り、I社長は、クライアントの会社ができることの中で、価値ある仕事・やりたい仕事を抽出して、それを欲している人に、「確かに伝える」仕事をなさっています。ネット業界の技術屋ではなく、「ちんや」のことをじっくり調べて、「伝え方」を工夫していこう、という進め方です。何度もお運びいただいて、本当に有り難いです。

 実は、I社長とは、台東区役所が主催している、二条彪先生のセミナーで知り合ったのですが、同じプログラムで勉強した仲間なので、話しが噛み合って、GOODです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございます。浅草「ちんや」六代目、住吉史彦でした。

 *株式会社IMCさんのホームページは、こちらです。

*私とIMCさんなど、二条彪ゼミの仲間が共同で作ったホームページは、こちらです。

Filed under: 今日のお客様,台彪会 — F.Sumiyoshi 3:54 PM  Comments (0)

お願いだから、上手くいくように!

今日はホワイトデー。お二人様の、カップルのご来店が多く、お二人だけで個室を利用なさるので、クリスマス・イブほどではないものの、バレンタインデー同様、営業能率的には、悶絶の日となりました。

 世の中の、個室のある飲食店では、「個室は4名様より」などと利用制限をしている店が多く、短期的には、その方が営業能率は良いのでしょうが、「ちんや」では、そうした制限はしていません。お二人だけで個室を利用できます。

  お二人様について「それは、サンプリングだとか、お試しだとか思えばいいんですよ。厳しく制限すると、営業の間口が狭くなって、将来的にお客様の層が細りますから、お二人様個室OKは正解だと思いますよ。」と言って下さったのは、台彪会メンバーで、Webマーケテイングの会社をやっている、I社長でした。

  なーるほど、そういう考え方も有り、ですねえ。たしかに、そのカップルが上手くいって、結婚されて、お子さんが出来れば、ご家族揃って来店されるでしょう。お爺ちゃん・お婆ちゃんも参加されるでしょうから、その際は、お二人様どころか、七名様以上ですから、それは有り難い方向です。

 実際、浅草神社(通称:三社さま)で、赤ちゃんの「お宮参り」をして、その後で「ちんや」で食事という展開は良くあるケースです。そのカップルは以前に、お二人で「ちんや」に見えていたかもしれないですね。うーん、たしかに邪険にできないですね。

 と、いうわけで、お若いカップルのご両人は、どうぞ、お二人だけで個室をご利用ください。

 ただし! お願いだから、上手くいくように、お願いします。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございます。浅草「ちんや」六代目、住吉史彦でした。

*「台彪会」については、こちらです。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 2:44 PM  Comments (0)

手作り工房マップ

「手作り工房マップ」は、台東区役所が作っている、見学・体験をできる区内の工房のリストのことで、「ちんや」もそこに載せてもらっていますが、このプログラムで、見学・体験の方が見えました。

 ここに載せてもらった理由は、まずは①「安心」な店としての、ご評価をいただくためです。消費者の方ご本人の目に「ちんや」のバックヤードを見せてしまえば良い。そうすれば、安心して「ちんや」の肉を食べていただけるはずです。情報の開示(=バックヤードも見せている)⇒後ろめたいことをしてない店⇒安心して買える。このストーリーをつくりあげたいと思っています。

 それから②食育活動への貢献、ということです。本物の味覚を知らないお子さんがどんどん増えていて、このままだと、化学的に調合した味が、世の中の標準になりかねなません。また、そもそも、すき焼きということ自体を経験したことのないお子さんも多いようです。お子さんへの食育は、是非とも緊急に取り組むべき課題です。このマップへの掲載もその一環と位置づけています。

 今回の方は、実は、アムステルダムで和食の店を開業しておられる母娘ですので、上に書いた①②とは違うのですが、海外にすき焼きを普及させることを志しておられて、そのために勉強に来られるわけですので、食育活動と言えなくもありません。

   現地の日系社会の方または、駐在の日本人ビジネスマンの方が、「浅草の「ちんや」で習って来た」すき焼きを召し上がり、「日本に戻ったら、自分もその店に食べに行こう」と考えるかもしれませんから、営業的にも、その内、良い事があるものと期待しています。

  それにつけても、ハーフのお嬢さん、美形だったなあ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございます。浅草「ちんや」六代目、住吉史彦でした。

 *「手作り工房」については、こちらです。 

司会は真面目にやるように!

衛生管理の話しは、一般の皆さんの話題になることは皆無で、ご興味もあまりなかろう、とは思いますが、今日は衛生管理の話しです。飲食業界人には重要ですので、書いておくことにしました。

衛生自主管理認証の限定バージョンができました。本来、東京都の衛生自主管理の認証を取得するためには、非常にたくさんの項目を毎日チェックし、なおかつその記録をとらないといけません。つまり、記録用紙が膨大になります。それで、かなりな実務上の負担があるため、当局の考えたほど、普及していません。

 そこで、衛生自主管理認証の限定バージョンというか、切り売りバージョンが、台東区で始まりました。「台東区食品衛生自主管理推進店」登録制度という名前です。いくつもある項目の内、店の側が自分で項目を選んで、チェックと記録を実行し、その記録を保健所に提出したら、その項目について(「だけ」ですが・・)、衛生自主管理を保健所当局から認めてもらえるわけです。

この限定バージョンでも、実行している店が公表されます。店先に貼るステッカーをくれるだけでなく、保健所のホームページに載ります。

このように、導入が比較的やさしく、衛生管理に熱心な店であることをアピールすることができるので、「わりと良い制度だよね」と思い、「ちんや」で導入を進めていましたところ、それが浅草料理飲食業組合の、II田組合長の御耳に入り、「それはいいね。組合として、この制度の普及に協力しようじゃないか!」となりました。

 そこで、この制度についての勉強会を、まずは組合役員を対象にして開催することになりました。話しの流れで、私がこの件の担当委員長に任命されたのですが、組合長が保健所長に話しを通してくださったので、トントン拍子で話しが進みました。企画したのが、2月に入ってからなのに、もう、今日(3/12)その勉強会の開催にこぎつけました。30人近い組合幹部が集まり盛況でした。

今後は、まず幹部の御店で導入し、だんだん組合全体へ広がれば、「浅草は衛生的にも頑張っている街」という評判になりましょう。

個人的にも、世の中に貢献できて、気分が良かったわけですが、一つだけザンネンなことがありました。組合長から「今日の勉強会の司会は、真面目にやるように!」と命ぜられ、いつものハイブローな?ジョークを飛ばせなかったことです・・・

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございます。浅草「ちんや」六代目、住吉史彦でした。

*「台東区食品衛生自主管理推進店」登録制度については、こちらです。

Filed under: 浅草インサイダー情報,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 1:27 PM  Comments (0)