不景気な、お顔合わせ
業界の宴会の幹事に指名され、その打ち合わせで、会場に予定されている、地元ホテルを訪ねました。浅草の中では大きいホテルです。で、行ってみてビックリ。打ち合わせコーナーが満員の盛況なのです。しかも私以外全員アツアツのカップル。スゴーく、商談しにくいです。
驚いてマネージャー氏に「いやあ、この不景気の最中に素晴らしいですねえ」と言うと、「いやあ、披露宴だけは順調なんですけどね、法人宴会はダメですよ。それにね、大きい声じゃ言えませんが、この不景気ですから、「御三家」が御予算にあわなくて、ウチで、という方が多いんじゃないかと思ってます。もちろん、確認できませんけど・・・」
「御三家」とは尾張・紀州・水戸では、もちろんなくて、帝国ホテル・オークラ・オータニの老舗ホテル3軒のこと。この都心の3軒は、この不景気の最中でも値段が高いらしく、景気が良ければ、そういう所で挙式するようなカップルが、今は他へ流れているらしいのです。
なるへそ! そういう次第か。 でも、そういう見方はザンネンですよね!
言われてみれば、「ちんや」でもこのところ、「ご両家お顔合わせ」が多いのです。この不景気ですから、超一流料亭さんが御予算にあわなくて、「ちんや」で、という方が多いんじゃないか、そう思うことも可能です。
「ちんや」では、昼食なら、料理代金@4.300円+ご奉仕料@400円だけで個室をご利用いただけます。(部屋代は無しです。)部屋ごとに、本物の「開化絵」がかけられていて、格式もキープしています。また時間も、1回2時間半おとりします。自分で言うのもなんですが、オトクに個室をご利用いただけますから、ご予算の関係で「ちんやで顔合わせ」ということになったカップルもありましょう、実際。
でも、ご予算の件は、どうせ確認できないんですから、「好きこのんで、星の数ある料理屋の中から、「ちんや」をお選びいただいた」あるいは「すき焼きをお選びいただいた」、そう思うことにします! それに、すき焼きは、人と人を結びつける食べ物です。一人ずつポツンポツンと配膳される料理より、よっぽど楽しいですよね。
「ちんや」では、最初の内は、店のスタッフがすき焼きを作りますが、途中から様子を見ていて、ご自分たちで鍋をやっていけるようなら、そうしていただくことにしています。それも一つの思い出になるのでは、と思うからです。是非、ご両家ですき焼きに挑戦していただき、結婚なさった後に、「顔合わせは、すき焼きにして良かったね。あれで両家が一気に仲良くなったよね。」という話しになるよう、期待しています。
「え? すき焼きの作り方をめぐって、両家にそれぞれコダワリがあって、対立してしまったら、どうしてくれるんだ?」
うーん、そういう問題があるのなら、どうせ後で発覚しますから、確実に。結婚してしまわない内にわかった方が良いんじゃないのかなあ。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
*各個室にかけている、「開化絵」の画像はこちらで、ご覧いただけます。