変わりザク

すき焼き屋は、基本的には明治時代から同じ仕事をしていますので、そこへ食べに行っても、「あらたな体験」「新鮮な体験」というのは乏しいかもしれません。聞けば、「あらたな体験」が付いていないと物が売れない世の中だと言いますから、「すき焼き屋は何度も行ったことがあるけど、「ちんや」は少し変わっていて、意外な体験ができるね」という方向に、なんとか、もっていきたいものだと思っていました。

 そう思っていたら、「すきや連」に毎回参加している、カメラマンのカワイさんという方から面白い、ご提案がありました。カワイさんという方は、素人すき焼き愛好家であって、向笠千恵子先生の「すき焼き通」(平凡社新書)の第9章に実名で登場する方ですが、この方が、21年7月の第3回「すきや連」(浅草今半さんで開催)の寄せ書きに、次のように書きました。

 年2回の「旬のすき焼き!」春は山菜、秋は「きのこ」、しかも栽培ものではなく、里や山採りの天然にこだわった「すき焼き」が専門店のすき焼き屋さんで季節の「旬のすき焼き」メニューで、思いっきり季節を感じながら食べられても良いのではと思います。今年の春に、懇意にしている佐久市御代田の片山肉店で「ざぶとん」部をすき焼きカットしてもらい、佐久市岩村田の「王将」で頂いた、採りたての地採りのコゴミ、コシアブラ、ウルイ、フキノトウ、ウド、フキノワカバを、豆腐、しらたき、肉で食した所、山菜のアクは美味しい牛脂で旨みに変わり、この後の人生何回食べられるかと心配になるぐらいでした。秋には長野・鹿教湯の中村農園直売(県下指折りの地キノコ直売所)で「天然キノコ」を求め、「キノコすき焼き」を楽しみにしています。是非、一度お試しなさって頂けたらと思います。

 店で営業する場合は、カワイさんのようにはいきませんが、これをキッカケに「ちんや」でもはじめてみたメニューが、「変わりザク」です。そうです。「変わりザク」は「すきや連」からはじまった、新メニューなのです。

 21年の秋に始めた、秋バージョンが好評だったので、冬バージョンもやり、今回3/6より、春バージョンがスタートしました。

今回は、たけの子、山うど、長せり の3種盛り合わせです。どうです?こういう具を、すき焼きに入れて食べたことございますか?「ないなー」という方は、是非「ちんや」へお急ぎ下さい。「あらたな体験」?が待っています。両国の「ももんじや」さんでは、猪鍋にせりを入れていましたから、そんなに変なことでもありません。「すきや連」からはじまった、という話しも面白いですよね。

 ただし!「今週の特選ザク」の内容は、仕入れ・在庫状況が毎日変わりますので、事前のご予約は承ることができません。そのあたりは、悪しからず、ご了承願います。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございます。浅草「ちんや」六代目、住吉史彦でした。

*すきや連」ホームページは、こちらです。 

         

Filed under: すきや連,すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 11:39 AM  Comments (0)