お彼岸と食育
今日は、お彼岸の3連休の中日で、店の営業がとても忙しい日でした。実は、お彼岸は浅草の飲食店にとっては、一大イベント・一大商機なのです。
そのわけは、浅草の北部や西部に、お寺が多く、そこに墓参りに来られるご家族連れが多いからです。墓参りは家族の重要な行事ですから、小さいお子さん・お孫さんも引率していかないといけません。そして、小さいお子さんがお墓にお参りしたら、ご褒美として、やはり、何か美味しい物を食べさせないといけません。それで、浅草の街が賑わう、という寸法です。有難い話しです。
もう一つ、お彼岸が有難いのは、墓参りの後の食事=親子孫3世代での食事が、そのまま「食育」の場にもなっている、ということです。「いいかい?、良い肉というのは、こういう味がするんだよ」あるいは「シラタキはどうやって作るか、知ってるかい?」という具合に、おじいちゃん・おばあちゃんが、日本の伝統料理の良さを、「食育」している場面が見られるのは、お彼岸です。
ご家族揃っての会食に勝る「食育」の機会はありません。最近では、有名シェフが子供たちに料理を教えたりしているそうで、それはそれで結構ではありますが、まず、家庭の中で、食べ物のことをもっと語っていただきたいと思います。「同じ味を、家族が皆『美味しい!』と感じられたら素晴らしい」そう思っていただけたら、最高です。
そうした機会に読んでいただこうと、「ちんや」では、すき焼きについて、お子様向けに平易に解説した、小冊子「すき焼き百科」を独自に作って、店頭で差し上げています。(小学校高学年の生徒さん向けに書かれています。)
ご仏縁に、(こういう時だけ・・・)感謝しています。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございます。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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