くまモン
「くまモン」をめぐって、県庁と著作権利用業者がモメている件に注目なさっていますか?
これは、ブランドとは何ぞやという本質的な話しだと思いますので、私は注目しています。
報道によりますと、今年1月から「くまモン」の著作権の使用方法が改定され、
・海外や県外の企業にも有償で供与することとした。
・全世界を含めたライセンス使用の窓口業務や管理受託はアサツーディ・ケイが行い、
・徴収した商品ロイヤリティ料金は海賊版対策に充当する。
そう、熊本に縁も所縁もない企業でも、金さえ払えば「くまモン」グッズを作れることになったのです。
これまで「くまモン」が使えるのは熊本県の企業だけでした。しかも無料で使えるので、それによって熊本経済に貢献してきたのです。そこに共感して応援した熊本以外の人も多かったと思います。
が、誰でも良いということになったのです。大転換です。しかも、かなり感じの悪い大転換です。ファンの心が離れて行く可能性があります。ブランドにとって重大な事態だと私は思います。
そもそもですが、ブランドの礎は共感性であり、世間から共感していただけるのは、そのブランドの「志」のみです。
熊本を応援・宣伝する、というのが「くまモン」の「志」であったはずですが、「誰でもOK」になった後でも、同じことが言えますでしょうか?
県庁さんの言い分では、
・中国に偽物が多いので対策が必要だ。
・「くまモン」を世界に広めることで、観光誘致につなげたい。
震災で大きく傷んだ観光経済を立て直したいという気持ちは勿論分かります。
でも、「志」の無い「くまモン」グッズを目にした外国人が、熊本に行こう!という気持ちになるでしょうか?
私は疑問に感じます。むしろ「くまモン」は熊本でしか買えない方が、熊本に行きたくなるのでは?
偽物には抗議をするのが順当ではないでしょうか。
実は「適サシ肉」の偽物も既に出回っていて、私が提唱した「適サシ肉」の定義を当然無視していますが、私は彼らと取引して、使用料を貰おうとは思っていません。
偽物を作るような連中と取引した時点で、「くまモン」を愛する人はいなくなる、私は、そういう予感がします。
追伸、「適サシ肉の日」
が日本記念日協会さん公認の記念日に成りました。
昨年私が「適サシ肉宣言」をした1月15日です。お見知りおきを。
「記念日制定の由来」は以下の通りです。
「2017年1 月15日に、東京浅草の老舗すき焼き店「ちんや」の六代目当主・住吉史彦が、自店で過剰な霜降肉(A5等級)を使うことを止め、「適サシ肉」すわなち適度な霜降の入った肉だけを使うと宣言した。本件は各種メデイアやインターネットで大きな反響を呼び、「A5信仰が終焉した日」として日本の食肉業界・飲食業界に記憶された。なお「適サシ肉」という言葉は住吉による造語で、株式会社ちんやは後にこの言葉を商標として登録した。」
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.889連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。