古典芸能・最新形②
年始に、Eテレで邦楽の番組をやっていたので、視ていますと、それは
「すごいぞにっぽん!古典芸能・最新形」という番組でした。邦楽の革新に取り組んでいる方々を特集した番組のようでした。
その内容は、昨日の弊ブログに書きましたが、この番組でそれとは別に私が、
そう!そう!と思ったことがありました。それは、コメンテイターとして出演していた、バレエの草刈民代さんのコメントです。草刈さんは、
伝統の革新に取り組んでいると、伝統の本質に気づく場合があると思います。
とコメントなさっていました。至言と思います。
そして伝統料理にも、同じことが言えると思います。私のカレー卵やヨーグルト卵もそうです。
味や提供方法を変えてみると、旨さの本体が何だったか、そこで分かることがあるのです。遅いぞ、と言われそうですが、そこで初めて分かることがあるのです。
料理の世界を俯瞰しますると、だいたいは、
伝統的=美味しい
と言えます。味って人間存在の根本に繋がっていますからね。
でも、歴史に偶然が付きものであるように、料理の世界にも偶然が作った伝統があります。
例えば、土用の丑の日。
本当は、鰻の旬は冬眠に備えて身に養分を貯える晩秋から初冬にかけての時期で、それに比べて夏のものはベストではないそうですが、平賀源内(あるいは大田南畝)の入れ知恵で、鰻=土用の丑の日となって、それが立派な伝統になりました。
それはそれで結構なのですが、鰻の美味しさの本体を考える場合には、丑の日の件は頭から除外した方が良いということになります。
話しを戻しますが、私は、すき焼きの卵の味を変化させてみて、それで初めて、そうした変化に動じない肉の味の本体を認識することになりました。
それで、2017年1月15日の「適サシ肉宣言」には、卵の件が付いているのです。
あれから一年。
そういうわけで、今日は日本全国
「適サシ肉の日」です(笑い)
「日本記念日協会」さんにも認定していただきました。
ちなみに「制定の由来」は、
「2017年1 月15日に、東京浅草の老舗すき焼き店「ちんや」の六代目当主・住吉史彦が、自店で過剰な霜降肉(A5等級)を使うことを止め、「適サシ肉」すわなち適度な霜降の入った肉だけを使うと宣言した。本件は各種メデイアやインターネットで大きな反響を呼び、「A5信仰が終焉した日」として日本の食肉業界・飲食業界に記憶された。なお「適サシ肉」という言葉は住吉による造語で、株式会社ちんやは後にこの言葉を商標として登録した。」
まだまだ、この件で怒涛の日々は続きそうです。
追伸
インターネットの『Rettyグルメニュース』「平成生まれがゆく「東京名店物語」」にお採り上げいただきました。
文は平成生まれの山口祐加さん。若い方が老舗店に関心を持って下さるのは、嬉しいですね。是非ご覧ください。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.879連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。