肉の多様化
旧臘30日のことです、
「2017年もあとわずか。今年も肉は一定の盛り上がりを見せたが、年末ということもあり、近年の肉事情を少し整理しておきたい。」
という松浦達也さんの一文がネットに配信されました。松浦さんは『大人の肉ドリル』(マガジンハウス、2014年)を書いた方です。
さて松浦さんは記事中に書いています、
「2017年は、肉の多様化が定着し、好事家が好みの肉を選択できるようになった年でもあったのだ。」
「ブランドや等級に縛られない肉の多様化が定着」
「好みで選択可」になったというわけです。
思えば、早いものです。10年前は、未だ皆がブランド牛を崇め奉っていました。「A5信仰」の時代でした。
ところが、その後「ホルモンブーム」「赤身肉トレンド」「熟成肉ブーム」というふうに、さまざまな切り口が登場しました。
そして、今年ついに「肉の多様化が定着」。
「A5という脂肪交雑の基準は肉の味の指標になりうるのかという疑問」が普通に語られる状況になりました。
その「きっかけとなったのは、浅草の老舗すき焼き店「ちんや」の「適サシ肉宣言」。自店のすき焼きには「サシの多すぎる肉は合わない」と「脱A5」を宣言し、話題になった。」
でも、私は革命的なことをしたつもりはなく、むしろ、これが一番自然な形だと思っています。
なんだか、このところの「食」って、勝ち負け・優劣を付けたがり過ぎていたと私は感じています。
「食」は「おいしい」「たのしい」が重要なのであって、勝ち負け・優劣を付けたがるのって、どこかおかしいと私はいつも考えています。
ランキングは辟易です。
各人が自分の好むものを、適切と思う代金を支払って食べれば良いと思います。
「ランキングが上位のもの」「テレビに出ているもの」「行列しているもの」
って、あなたが美味しいと思うものですか?
違うかもしれませんよ。
自分の舌で決めませんか?
今年は、そういうことを考えてみませんか?
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.866連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。