本物

最近「本物」の定義が気になっています。

例えば、築地の初競りの最高値の、大間のマグロを銀座の鮨屋で、馬鹿高い値段で食べることは「本物」ですか?

原産地=大間、本物。

流通地=築地、本物。

消費地=銀座、本物。

職人=たぶん本物。

希少性=初競り、本物。完璧に見えます。

が、価格と味のバランスが本物か微妙です。

初競りでなくても、

最高値でなくても、

大間でなくても、

銀座でなくても、かなり美味して、ほどほどの価格設定の鮨があったとしたら、どちらの「本物度」が高いでしょう。

世間から「老舗」と言われる店を経営する者は、たぶん、そういう所を煎じ詰めないとダメなんだろうと、最近思い始めています。

 

追伸、「適サシ肉の日」

日本記念日協会さん公認の記念日に成りました。

昨年私が「適サシ肉宣言」をした1月15日です。お見知りおきを。

「記念日制定の由来」は以下の通りです。

「2017年1 月15日に、東京浅草の老舗すき焼き店「ちんや」の六代目当主・住吉史彦が、自店で過剰な霜降肉(A5等級)を使うことを止め、「適サシ肉」すわなち適度な霜降の入った肉だけを使うと宣言した。本件は各種メデイアやインターネットで大きな反響を呼び、「A5信仰が終焉した日」として日本の食肉業界・飲食業界に記憶された。なお「適サシ肉」という言葉は住吉による造語で、株式会社ちんやは後にこの言葉を商標として登録した。」

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.891連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)