マリアージュ研究
「味博士」の「マリアージュ研究」が面白いです。
「味博士」とは慶應義塾大学共同研究員の鈴木隆一博士のこと。味を計測して、それをグラフで「見える化」する技術を開発された方です。
『味博士のぜったい太らない食べ方』
『「味覚力」を鍛えれば病気にならない』
『日本人の味覚は世界一』といった著書もあります。
このブログの6/6号に書きました通り、博士と私は熟成肉の研究を通じて知り合いましたが、料理と酒のマリアージュ研究の方も、結構面白いです。
博士が慶應で開発した「味覚センサー」は、甘・塩・酸・苦・旨の五味を計測してグラフに表示できるのですが、このセンサーで料理と酒の両方を計測します。
で、そのグラフを重ねてみるとマリアージュの相性が分かる、という次第です。
重ねた結果、五味の数値がバランスよく大きくなっていれば、「味わいに膨らみが出た」ということを意味します。
料理と酒が互いに不足する味を補い合い、「味の構成力が高まった」とも言えます。
この研究の結果、赤ワインには椎茸が最も合う、といった藩邸結果いや、判定結果が出ていたりしています。面白いですね。
さらに申せば、このような五味のバランスが良い食事をしていれば、人は太らないそうです。
人は、味のバランスの偏った食品をたくさん食べてしまう傾向があるとかで、肉好き・酒好きの皆さんには嬉しい知識ですね。
話しを戻しまして、この技術を使って、すき焼きと酒の相性を判定して欲しいなあ、と当然思います。しかし、そうは博士が卸しません。
そういうことを博士は事業にしているのです。この技術を基に、所謂「大学発のベンチャー企業」を興して、その社長にも成っておられるのです。(=AISSY株式会社)
博士曰く「儲けが出ても、学校に配当を払わないといけないんですよ。学校が株主なもんですから」
うーむ、社長はどこでも楽じゃないですな。
追伸①
「ちんや」は誠に勝手ながら7/28(月)から7/31(木)まで夏季休業をさせていただきます。ご諒承下さいませ。店は休みますが、弊ブログは「予約投稿」により、休まず更新してまいります。
追伸②
8/23に、食育企画『親子体験食味学習会』を開催します。まずすき焼きの歴史を学習、その後肉のカット体験。その次には本格的にすき焼き。チャンとした参加証も貰えますから、自由研究にピッタリ。是非親子でご参加を!
詳しくは、こちらです。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.609日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。