人を憎まず
「罪を憎んで人を憎まず」と申します。
出典は『孔叢子』刑論の中にある孔子の言葉だそうですが、聖書の「ヨハネ福音書」8章にも、ほぼ同じ意味の言葉が載っているそうで、賢い人は東でも西でも考えることが同じなのだなあ、と感心してしまいます。
さて、今日はこの言葉をマネして、私も一句。
「マナー憎んで民族憎まず」。
とあるB級週刊誌によりますと、とあるアジアの国からの観光客は・・・
「ホテルの朝食バイキングでは、1日分の料理を持ち帰るばかりか、空いたペットボトルにジュースやコーヒーを次々と詰めることもあるという。」
このホテルでは備品も安全ではありません。
「タオル程度ならまあ仕方がないのですが、お湯を沸かすポットや液晶テレビまで持っていかれたことがあります。県は中国人観光客の誘致に懸命だけど、正直、迷惑だし、下手をすると大赤字です」
「今では中国人のこうした“持ち帰り”に対抗するため、テレビを鎖でつないで防衛しているホテルも少なくない。大浴場のシャンプーやリンスまで持っていかれているようで、ボトルをプラスチック製の鎖でつないでいる温泉宿も。」
「旅行中にあの大きなシャンプーのボトルを持ち歩いて、中国まで持って帰るとは……その物欲エネルギーには恐れ入るばかり。自分のものは自分のもの、他人のものも自分のもの──これが中国人には当たり前の感覚なのだろう」・・・
片や日本人はと申しますと、W杯を観に行ったサポーターが自分達のゴミを拾って帰った、ということで称賛されています。
それは勿論素晴らしいことです。私も称賛したいと思います。
しかしですねえ、日本人もマナー悪いですよ、浅草では。
サンバカーニバルの時とか、ゴミのポイ捨てが酷いです。
サンバを観に来て、腹が減ったのなら、どこかの飲食店に入れば良いのです。汚れた食器は店の人が片づけて洗ってくれますし、食べ残しはキチンと捨ててくれます。
なのに、その人権費を負担するのがイヤなものだから、コンビニで弁当を買い、食後の弁当箱は、食べていた場所に置いたまま。そ知らぬ風情で去って行きます。日本人がです。
普段のタバコのポイ捨ても相変わらずですね。
だから、「マナー憎んで民族憎まず」。
まずは、マナーを憎む姿勢をハッキリと打ち出すべきです。
客数は一時は減るでしょう、勿論。
でも、マナーの良い人が集まる店、マナーの良い人が集まる街は快適ですから、きっと必ず、また人が集まるようになります。
要するに、私は人の問題だと思います。それも、客ではなくてオーナーの人の問題。
マナーの悪い客を切れないオーナーだから、マナーの悪い客が集まる店に成るんです。間違いないです。
そういう意味で、マナーを憎まずに民族を憎むのは無益だと思います。
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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。