神の国

観光立国推進基本法が制定されましたのは平成18年。以来海外の御客様の入国数は、大震災でいったん減ったものの、だんだんに増えてきました。

ビザ無し入国をOKにすると、その国からの入国が随分増えるようで、最近ではタイの方が増えたようです。

浅草の街でも、震災後激減した外国の御客様が、だいぶ戻ってまいりました。

で、困りますのは、外国の御客様には、「とりあえずビール」がないことです。

日本人の集団が会食する時は、飲める人も飲めない人も、ビールが好きな人も嫌いな人も「とりあえずビール」ですが、外国の方は、

私はビール、

私は赤ワイン、

私は白ワイン、

私はウーロン茶、

私はラムネ、

私は温かいウーロン茶

と、てんでんバラバラです。

自分の飲みたくないものを飲むことなど、なさらないのです。

まあ、当然と言えば当然で、ビールが嫌いな人にもビールを飲ませてしまう日本人の方が世界の中では異常なのでしょうが、宴会の段取りを考えますと、やはり「とりあえずビール」は便利です。

それぞれのドリンクの瓶を海戦して、イヤ開栓して、適切なグラスを用意して、それぞれの席に間違いのないようオーダーされたものを配膳して・・・とやっていますと10名様程度のグループでも、結構な時間がかかってしまい、なかなかスタートできません。イライラしますね。

だから皆さん、それぞれにお飲みになりたいものもありましょうが、最初の一口だけは、皆で同じものを飲みましょうよ、まずはそれで宴会をスタートさせて、後は個別に注文して下さいね、という流れの方がスマートです。

段取りだけはありません。

そもそもですよ、日本人の宴会の起源は直会(なおらい)です。祭礼の日に神と人とが同じものを飲み・食べるというのが、そもそもですから、各人が違うものを飲むという考えがないですね。

ここは日本なのですから、外人さんもよほどのアレルギーの方以外は、多少嫌なものでも同じものを、という体験をしてもらうのも良いかもしれません。

ご注文を伺いに行くと、色々オーダーが出て来てしまうので、食前酒は店側が「込みの」値段で用意してしまった方が良いのかもしれませんね。

勿論「とりあえずビール」よりは「とりあえずサケ」がベターですが、日本酒はアルコールの度数が高いのがハードルですね・・・

そう言えば、以前「日本は神の国」と発言して辞任させられた先生が、復活して今度はオリンピックを仕切るそうですが、「神の国」発言、私は支持しますよ。政治家が言っては、宗教的中立性の観点からマズいかもしれませんが、一般人が言うならOKかと。

日本は神の国なのだから、最初の飲物は統一しましょうよ、ねえ、モリさん。

追伸

JALさんの機内誌『SKYWARD』の4月号

「JAPAN PROJECT 東京ようこそ、おもてなしの首都へ」に載せていただきました。在り難いことです。ご搭乗のおりにご覧ください。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.519日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)