社長の訓示
4月と言えば、新入社員ですねえ。街にはスーツの似合わない若者が目立ちます。
新聞などでは毎年各社の入社式の社長訓示を報道するのが恒例で、大手企業では、訓示の内容をネットで公開までしているのですね。今年の傾向としては新入社員にグローバル化への挑戦を呼びかける内容が目立ったようです。
「グローバル市場で勝てるよう失敗を恐れず挑戦していこう」
「世界で活躍することに意欲的な若い力が必要だ」
あるいは「よりスピードを上げて変革を加速させる」
「貯蓄から投資への個人金融資産のシフトをリードしたい」~初手から随分具体的ですな。
私も一応社長なので、少し読んでみましたが、やはり大手さんのは素晴らし過ぎて参考になりません。
グローバル人材に成る前に、立派な普通の社会人に成って欲しいのですが、そういう訓示はないのかあ、と思い、もう少し調べてましたら、
在るわ、在るわ。
ネットに「社長挨拶例文集」とか「社長挨拶作成代行業」とかが。
さすがのコピペー文化ですな。学生時代に卒論代行を使ったような社長が挨拶代行も使うのでしょう、きっと。
さて、そういう社長のことは放っておきましょう。
全く余計なことながら、私の部下でもなんでもない、今年の新入社員の皆さんに、私から一言。
初任給は、これまでお世話になった方のために使いなさい。
その筆頭は勿論御両親ですが、御家庭が複雑で他に恩人がいる場合は、その方でも良いでしょう。
必ずすき焼きを御馳走しなさいとは申しませんが、多少贅沢感のあるものが、やはりこの際感謝の気持ちを伝えることができましょう。
自分の貰った金だから自分のリッチな週末のために使いたい、そう思っている君、そんな発想ではグローバル人材どころか、ロクな者に成りません。
カノジョにイタリアンをねだられても、訳を話して我慢させなさい。カノジョは二カ月目の給料で良いのです。
説得が成功しますように。
グッドラック!新しい人生に。
追伸
JALさんの機内誌『SKYWARD』の4月号
「JAPAN PROJECT 東京ようこそ、おもてなしの首都へ」に載せていただきました。在り難いことです。ご搭乗のおりにご覧ください。
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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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