ファミリービジネス
『星野佳路と考えるファミリービジネスマネジメント 1 継ぐべきか、継がざるべきか』を読みました。
星野さんは、有名な「星のや」などの旅館を展開する「星野リゾート」の社長さんですが、元々は軽井沢町の温泉旅館の4代目です。
大学院卒業後、外部の会社勤務を経験した後、家業の旅館に入ったものの、改革方針を巡って父上と対立・辞職。しかし結局別の親族の仲介で呼び戻されて、社長に就任。以来様々な経営改革によって軽井沢のローカルな会社を全国企業に押し上げたことで知られています。
昨年1/5の弊ブログに書きました通り、私は母校・慶應義塾中等部(=慶應大学の付属中学校)の「キャリア講座」に出講しましたが、実はその時に星野さんも見えていました。
この講座は毎年開講されているレッキとした正規の授業でして、中学生のために、OBが自分のキャリアについては話すのです。
10人の講師が出て、生徒さんは、その中から選択できるのですが、その中に私と共に星野さんも入っていたのです。
その時、自分などが話すより、よほど星野さんの話しが聞きたいなあ、と思ったものでしたが、勿論そうは行かず、あれから1年この本で、お話しの一端を知ることができました。
さて、この御本の中では星野さんと15人の世襲社長が対談していますが、ファミリービジネスと言っても一様でないことが分かります。そして、その様々なケースに付けられているコメントが、今後「継ぐべきか、継がざるべきか」の命題に直面する若い方々には、とても参考になると思います。
一方、ファミリービジネスの活性化ができれば、日本経済を元気にするだけのインパクトを持つ。その方法は、大手とは違うはずだ。これが星野さんの主張でもあります。
既に経営の合理化を進められる所まで進めてしまっている大手企業と違って、ファミリービジネスは「のびしろ」が在る、星野さんの見立てでは30-50%伸びてもおかしくない、というのです。
しかも、そうしたファミリー企業が、おそらく日本のGDPの半分以上を作り出していますから、日本経済を元気にすることも可能なはずだ、と言います。
本当に、その通りと思います。
私自身も大学の経営学などが、ファミリー企業には上手く当てはまらないと感じ続けてきましたが、星野さんも同意見で安心した次第です。
良かったです。
追伸
JALさんの機内誌『SKYWARD』の4月号
「JAPAN PROJECT 東京ようこそ、おもてなしの首都へ」に載せていただきました。在り難いことです。ご搭乗のおりにご覧ください。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.516日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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