社畜
仕事熱心な人を形容する言葉は、時代と共にだんだんと変遷して来ました。
昔は「会社人間」や「企業戦士」、「ジャパニーズビジネスマン」というのもありました。
♪黄色と黒は勇気のしるし 24時間戦えますか♪
♪リゲイン リゲイン ぼくらのリゲイン♪
という歌が流行ったのは1980年代でしたね。当時私も勤めに出ていてカラオケでよく歌いましたが、この辺までは、猛烈仕事人間を軽蔑するニュアンスは無かったように思います。
やがて「社畜」という言葉が登場しました。サラリーマンが自分の意思と良心を無くした状態を揶揄したものですね。
その後リーマンショック辺りからは、今度は仕事熱心な人を揶揄するよりは、労働者を酷使する企業が「ブラック」と形容されるようになり、またも表現が変わりましたが、「社畜」も「ブラック企業」も実にイヤな表現です。勤め人が「戦士」だった時代が懐かしいのは、私だけではないと思います。
その「社畜」も最近あまり使われないと思っていましたら、先日ツイッターの公式アカウントで使った人がいて、大炎上してしまったようです。
「スーモ」という不思議な謎の生物を、住宅不動産系の会社が公式キャラクターとしていて、ツイッターもやっているですが、謎の生物らしくないツイートをしてしまいました。
「社畜さんいわく 残業のことを「二次会」って言うんだって♪ そう言うとなんかすごく楽しそうな感じがするねっ 二次会がんばって!ぼくはもう寝るよ~ おやスーモ♪」
流石に、これはマズかったですねえ。
「スーモが全ての社畜を敵にまわした」
「スーモ公式、本当に公式なのか疑いたくなるくらい鬼畜すぎる…」
「失望しましたHOMEsで探します」
「ぶちころがすぞ……このやろう……」
などの批判的な意見が数多く寄せられているとか。
私なんぞ、過労死必至な位の長時間、店の用事やすき焼きの用事に従事していますから、差しづめ、すき畜ですかねえ。
思いまするに、問題なのは長時間かどうかではなく、働く最終目的が、世の為人の為であるか、でしょう。
売上げは目的ではなく結果です。している仕事が人の為になっていれば、売上は後から付いてきますね。そう信じて長い時間を働いている人がサラリーマンの立場でもおいでかと思います。
そうした人達を形容する言葉として、「戦士」は今時流行らないかもしれませんから、他に良いニュアンスの言葉を考えてみてはどうかと思います。
追伸
JALさんの機内誌『SKYWARD』の4月号
「JAPAN PROJECT 東京ようこそ、おもてなしの首都へ」に載せていただきました。在り難いことです。ご搭乗のおりにご覧ください。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.510日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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