酒屋に行って買って来い!

 便利さを追い求めるあまり、文明社会は間違った方向へ向かっているのではないのか?

 そういう問いかけを頻繁に目にし、また耳にします。知識人だけでなく、テレビの街頭インタビューなどで一般人もそういうことを話してします。

 でも私が感じるのは、やっぱり皆さん「総論賛成・各論反対」だよねえ、っていうことです。食の世界は利便性一本槍といった情勢です。

 例えば「ノンアルコール・ビール」はたしかに便利です。

 酒を飲めない人が乾杯に参加する時に、外見がビールと似ているため、飲めないことがバレずに済みます。その人がその集団に愉快に帰属している感じを演出できますから、まあ便利です。

 車を使って参加している方にも、たしかに便利です。

 しかし、です、あの飲物を「ビール」と呼ぶのは、ほとんど詐称ですよね。

 その飲み物がビールであるのなら、内容物は「麦芽」「ホップ」の2アイテムだけであるべきです。他の材料を入れたらNGです。

 では「ノンアル」はどうでしょう。皆さんも今度ラベルを手にとって、是非内容物を確認して下さい。色んなものが入ってますね。

 ハッキリ申して私は、あの飲み物が、美味いマズい以前に、気味悪いと思いますので、「ちんや」の店には置いていません。

 しかし気味悪いと思わないばかりか、

 あんな便利なものを何故店に置かぬ?!

とか言い出す方がおいでだから困ります。

 普通に、

 「ちんや」さんでも販売なさったら売れると思いますよ」という具合に言っていただければ、こちらも、

 どうも御親切に恐縮です。

と丁寧に返しておいて、その御意見は無視しますが、

 馬鹿野郎!今すぐ酒屋に行って買って来い!

とか言われると、私も喜んで一銭交えるイヤ一戦交えたくなる、というものです。

 私はやはり、一瞬の帰属感を演出するためだけに気味悪いものを飲むより、マトモな飲物を飲みたいと思っています。

 ついでに申しますと、私は「ノンアルコール・ビール」はマズいとも思っております。

 メーカーの方、恐縮です。

追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

 他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

 是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
 ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

  「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は300人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて969日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)