ボられたことはありますか?

 皆さんは、ボられたことはありますか?

 「ボる」と表現しますと人聞きが悪いですが、要するに、

・常連客には標準価格の10%OFFの値段を請求し、

・常連でない客には標準価格の10%ONの値段を請求することを言います。

 たかだか10%なのですが、110÷90=122%ですね。22%の開きがあるとON値段を請求された人にとっては、不当な値段と感じられ、場合によっては怒りを覚えます。

 では、なんで店はこういう行為をするのでしょうか。

 小料理屋のママさんの立場になってみて下さい。

 常連客から、

 ウチの業界も今厳しくてさあ~今までみたいに、この店にしょっちゅう来れなく成っちゃったんだよお~

と言われてしまいました。貴女は、それでは寂しいと思い、

 あらあ、これからは少しお安くしときますから、今まで通りにいらして下さいよ~

と応えてしまいました。そう言った瞬間に利益が失われたのは明らかです。貴女の御店の経営も厳しいのに困りますね。どこかで挽回したいです。

 で、結局常連でない客には10%ONの値段を請求し始めてしまいました。

 だって、そもそも店内に定価は表示していないし、常連客と常連でない客が、貴女の店の値段について情報交換することはまず無いですから、要するに、バレる可能性は低いです。

 よし!常連さん以外は10%ONだわ!

 これが「ボる」の実態です。

 ここでこの行為が著しく不公正か、を考えてみますが、こうした行為はBtoBの取引では普通に行われていることですね。

 ただ決定的に違う点が一つ。BtoBなら取引ごとに見積もりを出します。客は見積もりに納得してから注文するので、ON値段であっても客が怒りだすことはあまり無いのです。

 違いはそこだけなのですが、飲食店の場合「ボられた!」ということに成ってしまいます。

 なんでまた、今日こんな話しをここに書いているのか、も書いておきましょう。

 最近「観光客が行かないような地元民相手の店で、安くて美味い店に行きたい!」という観光客の方が多いのです。ホテル・旅館関係の方から、しばしばそう聞かされます。

 そう言われて、ホテルの人は自分がたまに飲むような店を客に教えます。そこで惨事が起きてしまうのです。

 観光客は、ホテルに戻って来て言います・・・

 教えて貰った店に行って来たよ。たしかに美味しかったけど、安くはないね。

 え?いくら獲られましたか?

 @12.000円だったよ。

 あれえ!おかしいですねえ、あの店は@10.000円以内の店なんですけど・・・

 あちゃあ。

 ホテルの人は以前ママさんに「厳しくてさあ~」と言ったことがあり、それ以来OFF値段にしてもらっているのですが、本人がその経緯を忘れてしまっていたのです。

 トホホですね。

追伸①

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 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて955日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

 

 

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)