秋の御酒
秋の御酒を販売します。
と申しましても、この秋に搾った御酒ではありません。
酒造りは基本的に寒い時期にします。冬に仕込まれ、春に搾られた新酒をすぐ飲むとフレッシュで良いのですが、荒っぽい感じがすることもあります。
ですので、その新酒をすぐ飲まず、夏の間涼しい酒蔵で静置しておいて⇒ゆっくり熟成させて⇒秋になったら飲む、という習慣があります。
このことを「ひやおろし」と言っています。涼しくなった頃に卸す、という意味ですね。
半年ほど置きますと、酒は香・味ともに芳醇になります。フレッシュさは少し衰えますが、古来この時期が酒の飲み頃とされ、酒通が好むのです。
新し物好きはほどほどにして、こういう習慣を残していきたいものです。
さて、この「ひやおろし」の状態で飲むのに適した酒を、茨城県笠間市の磯蔵酒造さんが造りました。
精米歩合はあえて60%にしてあります。米を削り過ぎないことで、微妙な苦味や渋味を残し、それが熟成によって落ち着いたところを楽しめるような造りです。
で、その酒のネーミングは「秋あがり」です。
「ひやおろし」によって、酒質が芳醇に成ることを「酒が秋あがりする」とも言いますが、それをネーミングとして使っています。
この名前は、流石、磯蔵さんと思います。どうも「ひや」という言葉は「年寄の冷や水」を連想しますし、それに「酒を常温で飲む」という意味の「ひや」と近藤するイヤ混同する心配があります。
「おろし」も「三木降ろし」「野田降ろし」とか倒閣運動みたいで今一ですよね。
「秋あがり」という名前なら気分良く飲めますね。是非秋の「かわりザク」と共にご賞味下さい。
以下はデータです。
<品名>稲里 熟成純米酒 秋あがり
<原料米>ひたち錦(茨城産の酒造好適米)
<精米歩合>60%
<使用酵母>ひたち酵母
<アルコール分>15.5度(やや辛い)
<飲み方>冷酒で
追伸①
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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて968日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。