浅草的音楽

 『浅草旦那のランチ』の対談収録の、第二弾がありまして、レコード店「音のヨーロー堂」の四代目と、ロシア料理の「ボナ・フェスタ」さんで対談しました。

 大正元年ご創業の「ヨーロー堂」の四代目は、私の弟と同級生ですが、久しぶりにお話ししましたら、レコード店業界の、チョットした改革派に成っておられました。

 大手レコード・チェーンが派手に展開し、次いで今度は音楽をネットでダウンロードできる時代に生きて、個人経営のレコード店はどうやったら生き残れるか、御店のあり方どうするか、を深刻に考えてこられたようです。

 そして、その結果、四代目が考えたのは「浅草的音楽」のレコード店。

 しかも、「どのジャンルにも属さない当店生まれの浅草的音楽」の御店。

 それは「浅草に来たことのある人は誰もが思うなんか懐かしくて楽しく、そして心がうきうきする気持ち。そんな気持ちにさせてくれる音楽」~それが「浅草的音楽」なんだとか。

 御店のHPを拝見しますと、ジャンルの守備範囲は浅草ジンタ、昭和歌謡、GSや演歌、純邦楽と、たしかに「どのジャンルにも属さない」です。

 で、そういうものの中から、商品を選び出す方法はというと・・・

「当店生まれ」つまり、四代目が自分の耳で選ぶ、ということです。

 ここは、とても大事な点です。

 浅草生まれのアーテイストとか

 浅草在住のアーテイストとか

ではなくて、四代目がイメージする「懐かしくて楽しく、そして心がうきうきする」ものであることが大事なのです。

 浅草という街は、とても間口が広くて歴史が長く、たくさんの人がかかわっているので、いろんな種類の音楽が浅草と関係しています。

 でも、その全部を安易に採用しては、お客様に強力に支持される店にはなり得ませんね。

 四代目はキチンと、その辺りを把握し、普通のレコード店だった「ヨーロー堂」の品揃えを改革し、私が子供の頃楽器売り場だった場所は、イベントステージに改装しました。

 そのステージでは毎週のように、なにかしらのイベントが行われ、「浅草的音楽」の愛好者を惹きつけています。

 思えば、私が思い悩んでいる「浅草的料理」も定義が難しいです。

 例えば、鰻料理はジャンルとしてはかなり「浅草的」ですが、しかし冷凍技術や電磁波を使って調理した鰻は「浅草的」でしょうか。

 「懐かしくて楽しく、そして心がうきうきする鰻料理」でなければ、物理的に鰻でも「浅草的」ではないハズですね、断じて。

 思い悩んできたテーマに、なんか道筋をもらったような気がしました。

 小難しく定義するより、 「懐かしくて楽しく、そして心がうきうきする」と定義してしまうところがミソですね。

 良い経験でした、「旦那のランチ」。 

 

追伸

 「台彪会」会長として、「ニッポン全国彪友会ー台東万博!」を計画しています。

 二条彪先生の門下生約200人が集まる、一大交流会です。先生のメルマガを取っている方なら、どなたでも参加できます。

 2012.4.20(金) 浅草が燃えます。

 詳しくは、こちらをご覧下さい。

 PR動画も撮りました。⇒こちらです。目が点に成りますよ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて757日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 

Filed under: 浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)