老舗と食文化
お彼岸中の先日、「料理通信」さんの取材がありました。
この御本(=雑誌)には「Mr.食育・服部幸應の「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーがありまして、光栄なことに、その「世界に伝えたい」店として、弊店をお採り上げいただくことになった次第です。 実に有り難いことです。
服部先生は、この他にも、やはり雑誌に先生が持っている連載コーナーにも弊店を推薦して下さっていて、来週取材の方が見えます。
「足を向けて寝られない」とは、このことですね。
さて、この「世界に伝えたい日本の老舗」コーナーの考え方は、
「老舗は(中略)お客さんとの長い友好関係が継続の大きな鍵を握ります。」
「日本の食文化が独自の成熟に至ったのは、その背景に日本ならではの「店と客の関係」があるからではないでしょうか」
「老舗から垣間見える日本の成熟した食文化を紹介していきたい」
と、いうことで素晴らしい連載と思います。
先生と完全に合致するか分かりませんが、私なりにこの話しを解釈しますと、特定の店に特定の客の一族が通う、ということが少なくとも二世代続いて、ようやく老舗だと思っています。自分の子に安心して食べさせる、ということが、やはり必須の要件だと考えます。
自分で「老舗」を自称することは勿論しませんが、内心では、そう区別しています。
思えば、その意味で、浅草は老舗が成立しやすい環境です。
まず、なにしろ繁華街としてのキャリアが長く、街としての誘客力があります。
加えて、もう一つ重要なことに、浅草周辺に御寺がたくさんあります。そして、その墓地に眠っておいでの御骨の人数は、台東区の現在の人口より多いと思われています。ここがポイントです。
こうしたお墓に、お彼岸・お盆・お正月にお参りし、帰りがけに飲食なさる方々が、浅草の老舗を支えて下さっています。
二世代どころか、五世代以上通っていただいているご家庭もあります。現場に出ると、
「自分が小さい頃、爺さんに「ちんや」さんに連れて来られたんだよ!」
と80才過ぎの方から聞かされたりします。有り難いことです。
そして、そう話される傍らには、その方の、もう結構大きく育った、お孫さんがいたりします。そのお孫さんが結婚されてお子さんが出来れば、六代ですね。
是非さらに、代を重ねていただきたいものだなあ、
と、老舗に関する取材を受けつつ思いました。
追伸
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2012.4.20(金) 浅草が燃えます。
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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて755日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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