八丁味噌
「ちんや」でも味噌椀に使っている、有名な「八丁味噌」。
今その「八丁味噌」に由々しき問題が起きてしまっているのをご存じでしょうか。
「八丁味噌」と言えば、岡崎。岡崎城から八丁(=870メートル)の距離にあるので、「八丁」なわけです。
そこに
・合資会社八丁味噌(商品名は「カクキュー」)と、
・株式会社まるや八丁味噌の2社があります。
蔵に自生する微生物だけを用い、杉の木桶で二夏二冬寝かすという伝統方法で味噌を造っています。
で、「由々しき問題」ですが、この岡崎の2社は、2026年以後、「八丁味噌」というブランドを使用する場合に、農水省の「地理的表示」(GI)認定を受けて「いない」という表示を合わせてつけないと販売できなくなるというのです。
そうなる理由は「愛知県味噌溜醤油工業協同組合」(43社)がGI保護制度を利用して「八丁味噌」の権利を獲ってしまい、岡崎側の2社は県組合に入っていないからです。
岡崎側に言わせれば、岡崎の会社でもなく、伝統製法を使ってもいない県組合が「八丁」を名乗るのはおかしいことで、そんな組合には入れない。
県側に言わせれば、昭和初期から「八丁」と称している業者は2社以外にもあり、また伝統的かどうかは程度の問題だとか。
私が全国の食品ブランドを拝見したところでは、「本家」と「ほぼ本家」あるいは「まあ、本家」が同居して同じブランドを使っていることは、結構、ありますね。しかし「ほぼ本家」や「まあ、本家」の側がブランドを独占して、真正の本家が追い出されているケースというのは、珍しいと思います。
県組合に行政手続き上の瑕疵は無いようですので、ここは大岡裁きが期待されるところでしょう。
「ちんや」は勿論GIなんか、さて置いて3月以降も「カクキュー」味噌を使う予定です。
追伸、すき焼き「ちんや」再開のおしらせです。
3月18日に、浅草花川戸「金泉ビル」(台東区花川戸2丁目16-1)で再開させていただきます。
すき焼き店のほか、精肉売店も併設致します。
「株式会社 WDI」さんとの御縁により、私の当初の見込みより早めに再開できることとなり、嬉しく思っております。
新店舗には旧店舗のスタッフも、私も従事致しますし、旧店舗の調度品を持ち込みますので、味や雰囲気を保てるものと考えております。
ご期待いただけましたら幸いです。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.369本目の投稿でした。