ノロとコロナ

「東京あらーと」から数日、街に活気はまったく戻りませんが、スポーツ界は前進を始めているようです。スポーツ界は外食業界より気の毒な業界と思っていましたら、立場が逆転しそうな勢いです。
逆転しそうなのは、プロ野球とJリーグが全選手のPCR検査に踏み切るからです。
医療目的ではなくて経済目的で関係者の一斉検査をするのは日本では画期的ですね。歌舞伎町も続けば目立つ先例になりましょう。
経済目的での全員検査には反対意見の先生も多かったと記憶していますが、ワクチンも特効薬も出て来ない中で経済活動を再開するには、それしか手がないわけですから、色々な業界に広がるかもしれません。
「コロナの女王」として有名になったハルエ先生は、元々検査拡張路線で、経済を目的に関係者の検査をしている例として、調理師のノロウイルス検査を挙げておられました。
そうなんです、ノロとコロナにはかなり共通があるんです。
・無症状の人がいる。何故無症状の人と有症の人がいるのか分からない。
・ワクチンも特効薬もない。
・世間に蔓延してしまっている。
以上が共通点です。無症状の人がいて、その人が普通に活動するので、他の人にうつる点が非常に共通しています。
違うのはまず、増殖する臓器。コロナは肺ですが、ノロは腸です。腸で増殖し、便と共に外へ出て来て、次の人がそれに触れた場合感染します。
つぎに死亡率。ノロで亡くなる人は、多くありません。ただし飲食店でノロの食中毒が起きた場合、その飲食店の「死亡」にはつながります。
で、その飲食店の「死亡」を避けるため、調理師の一斉検査=検便を行うのです。無症状の調理師が、良く手を洗わずに盛り付けを行うのを避けるのです。これは経済目的の検査なわけです。
コロナの場合でも、検査能力に余力が出来てきた場合、似た方向に行くのでは?と私は予測しています。

追伸、
肉の売場で実施している医療関係者応援割引は6月15日(月)までです。既に950人ほどの従事者の皆様にご利用いただき、光栄に思っています。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.756本目の投稿でした。引き続きご愛読を。

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安全な料理

ウイズ・コロナ時代も1週間過ぎましたが、いかがお過ごしですか?
新時代のガイドラインに、大皿料理はダメと書いてあるのを読み、すき焼き=肉が大きい皿に盛ってある→ダメと悲しい気持ちになっている方がおいでかもしれません。私も一瞬そう思いました。
が、良く考えてみますると、感染リスクの大小は皿のサイズの大小ではないですよねえ。むしろ、すき焼きはかなり安全な食事方法だと私は考えます。理由は以下の通りです。
まず感染リスクの大小は、皿のサイズの大小ではなく、出来上がった料理が放置されている時間の長短です。放置されている間に隣客が飛沫を飛ばし、それが料理の上に乗っかるから良くないわけです。
隣客が飛沫を飛ばせば、小鉢でも野菜スティックでも危険です。とにかく料理は早く食べることが重要です。
次にすき焼きが何故安全か、ですが、それは加熱した食材を直後に食べ切るからです。仮に肉の上にウイルスがいたとしても、鍋で煮ることで死滅しますから安全です。
煮た肉をしばらく放置して、そこへ隣客が飛沫を飛ばせば危険になりますが、すき焼きを放置する人って、あんまりいませんよね。中華料理の大皿が放置されているのは残念なことに良く見かけますが、すき焼きの場合たいていは即食べます。加熱後放置されることはほとんどない→だからかなり安全と思っています。
「大皿」という単語そのものにとらわれるのは、いかがなものかと思います。
ただし、取り箸の共用は問題になります。取り箸の手で持つ部分に飛沫が行けば触ってしまいますからね。
そこだけ注意すれば、すき焼きはかなり安全と思っています。どうぞ、引き続きお召し上がりくださいませ。

追伸、
肉の売場で実施している医療関係者応援割引は、これまで「5月31日まで」と申しておりましたが、まだ病床が空き切っていないことから、6月15日まで続けます。どうぞ、ご利用下さいませ。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
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三大怪獣グルメ

テレビ東京『孤独のグルメ』の原作者として有名な久住昌之さんが監修した映画『三大怪獣グルメ』が劇場公開されました。
内容は、『孤独のグルメ』とはかなり違っていて、
「巨大怪獣イカラ、タッコラ、カニーラが東京に上陸。シーフード怪獣攻撃隊SMATが出撃。戦闘によって怪獣たちから切り落とされた部位は、食べてみると抜群の美味しさだったのです・・・」と奇想天外です。
その久住さんのデビュー作漫画が『かっこいいスキヤキ』(1983年、「泉昌之」名義)だったことを、今日は強調しておこうと思います。
そこではすき焼きの思い出が描かれていますが、設定は、大学の体育会系サークルの打ち上げですき焼き。部員達はお互いにどの具材をいつ取ろうかと、壮絶(?)な心理戦を展開します。
久住さんは弊店へも連載「途中メシ」の取材に来て下さったことがあり、その時には勿論『かっこいいスキヤキ』にサインしていただきました。喜んで下さったのを覚えています。

『三大怪獣グルメ』 是非ご覧下さい。
劇場:渋谷ユーロスペースなど
監督・特技監督/河崎実 監修/久住昌之 脚本/右田昌万、河崎実
出演/植田圭介、吉田綾乃クリスティー(乃木坂46)、安里勇哉(TOKYO流星群)、横井翔二郎、木之元亮ほか

追伸、
肉の売場で実施している医療関係者応援割引は、これまで「5月31日まで」と申しておりましたが、まだ病床が空き切っていないことから、6月15日まで続けます。ゆるりとご利用下さいませ。

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食中毒の季節

6月に入り、日本各地で30℃を超えるようになりました。
食中毒の季節です。お気をつけ下さい。
今年は特に飲食店のテイクアウトが盛んですから、お気をつけ下さい。
飲食店のテイクアウトとコンビニ弁当の安全性は天と地ほど違うのですが、そこをご存じない方が多いので、あらためて指摘させていただきます。
飲食店のテイクアウトは5分以内か、せいぜい10分以内にお召し上がり下さい。夏場にそれ以上放置すれば食中毒菌が増える可能性があります。
コンビニ弁当を何時間以内に食べれば良いかは、シールに書いてあると思いますので、それが期限です。したがって下さい。
テイクアウトが10分、コンビニ弁当が数時間と大きな差がある理由は、
・テイクアウトは暖かい状態VSコンビニは冷やしてある
・テイクアウトは保存料無しVSコンビニは保存料テンコ盛り
だからです。
一番デンジャラスなのは、生野菜、刺身が温かい料理と同じパックに入っている場合です。生野菜、刺身は加熱していない=殺菌できていない状態ですから、それをパックに入れて、温かい料理の熱で温めれば、当然菌が増殖します。増殖しない前に食べてしまわないとお腹が痛くなるかもです。
テイクアウトは、生ものと温かい物が同居していなくても、超特急で食べなければならず、そのことを書いて商品に貼り付けないといけないのでは?と私は思うのですが、テイクアウト初心者のお店は、それが出来ていない場合がありますね。
指導監督するのは保健所の役目なのですが、保健所は、今はそれどころではないです。だから、消費者が自分で気をつけないといけない、ということになります。
と、言っても、私は勿論コンビニ弁当を推奨しているわけではないですよ。何時間ももたせる為に保存料入れてますから、私は食べません。
飲食店のテイクアウトを、気をつけつつ、お召し上がり下さいませ。

追伸、
肉の売場で実施している医療関係者応援割引は、これまで「5月31日まで」と申しておりましたが、まだ病床が空き切っていないことから、6月15日まで続けます。ゆるりとご利用下さいませ。

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名産ブランド なぜピンチ?

ネットを検索していて旧知のすき焼き屋さんを発見しました。コロナ禍の最中ですが、毎日「すき焼き」検索は続けているのです。
で、見つけたすき焼き屋さんというのは、「山平屋」さんという墨田区のすき焼き屋さんで、近江牛を中心に頑張っておられます。
「名産ブランド なぜピンチ? コロナが生んだ苦境」
という記事の中で出てきました。記事によりますと近江牛は、
「取引価格が下落。2019年のこの時期は、1kgあたり3,000円を超えていたが、2020年は大きく下回っている。5月中旬には、2,000円を下回ることも。徐々に回復してきているが、それでも例年を大きく下回ったまま。」
「山平屋・樋口潤専務取締役「だいたい3割ぐらいは、一番高かった時期に比べて下がっていますね。大手の飲食店さんとかが自粛で営業短縮とかされていたので、相場が下がったのかなと思います」
「こちらでは、卸売り・小売り・飲食業をやっているが、外出自粛でステイホームが続いたことから、小売りの売り上げは好調だったという。しかし、卸売りや飲食業に関しては、大きく低迷したまま。先行きが見通せない状態が続いている。」
この記者さんは、名産ブランドがピンチになった理由として、売り先が飲食業に偏ったのでピンチになったと分析しているのです。その中で、「山平屋」さんは小売り、つまり肉屋もやっていたので、そちらは好調というわけです。
が、普通の街の肉屋さんにとっては、単価の高いブランド肉を普段から売るのは簡単ではありません。
ブランド肉=高級飲食店
輸入肉=スーパー
という二極化の構図を出来てしまった中でコロナが来たので、ダメージがブランド肉に行ってしまったということです。
「山平屋」さんが小売りで売れているのは、近江との長年の関係の中で成り立つ話しだよなあと思いながら拝読しました。

追伸、
肉の売場で実施している医療関係者応援割引は、これまで「5月31日まで」と申しておりましたが、まだ病床が空き切っていないことから、6月15日まで続けます。ゆるりとご利用下さいませ。

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第25回研究会

本日開催される、100年経営研究機構さんの第25回研究会のテーマは
「100年企業に見る、コロナウイルスに関する対策と状況」です。
今回の緊急事態宣言が発令された頃、100年機構さんが、日頃から関係のある100年企業の皆さんにお見舞いの連絡をしたところ、多大な影響を受けながらも即座に状況の変化に適応すべく対策を取り、さらには事業の方針を転換させるような意思決定をされている企業が多数存在する事実が判明したそうです。
そこで、100年機構さんでは、この状況を、アンケートを実施して把握しようと考えられました。
大変結構な試みと思いましたので、私自身が回答したのはもちろん、知り合いの老舗企業経営者の皆さんに拡散を致しました。
日経ビジネス電子版などメデイアにも注目されて結構なことだと思います。
その結果報告が今回の研究会です。
今日は私も関係先として5分間コメントを依頼され、話すこと自体は嫌いではないのですが、今回はオンライン形式(ZOOM)。
ZOOMって、どうも勝手がちがうんですよねえ。
最近床屋も行ってないし・・・

追伸、
肉の売場で実施している医療関係者応援割引は、これまで「5月31日まで」と申しておりましたが、まだ病床が空き切っていないことから、6月15日まで続けます。ゆるりとご利用下さいませ。

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フェイスシールド

緊急事態が明けて「ちんや」も元の営業時間に戻りましたが、コロナ前と大きく違う点が一つ。
全員フェイスシールドを付けて応対させていただいています。
これは過剰でしょうか?
エビデンスに基づかない過剰な取り組みでしょうか?
「着物にフェイスシールド」は絵として異様ではあります。だから今は、これを笑いのネタにしていただこうと思っています。「ワクチンが出来るまでの期間限定の光景ですから、よろしかったら記念写真をどうぞ!」
さて話しを戻して過剰かどうかですが、「学校でフェイスシールド」は過剰だと言うお医者様が多いようです。
埼玉県立小児医療センター救急診療科長の植田育也さんは、
「フェイスシールドは、私たちみたいな、目の前でコロナ陽性の患者さんがゴンゴン咳をする様な状況で必要になるものです。学校では、登校前の検温・症状チェック、手洗い、密な学習を避ける、+飛沫飛散防止の(予防でない)マスク着用、くらいで十分ではないでしょうか?」
ということでしたが、これは給食中に会話をしないことが前提です。
「対面で会話をしながら食事するのでなければ問題ないと考えます。学校でのフェイスシールドが必要となる場面はほぼ無いと言ってよいと思います」
飲食店は、その「対面で会話をしながら食事する」場面なので、フェイスシールドが要ると私は考えています。
お客様は会話を楽しむために外食するのですから、子供の給食のように「おしゃべり禁止」とは行きません。酒が入れば声も大きくなります。
よって全員フェイスシールドを付けて応対させていただいています。
ご諒承下さいませ。ワクチンが出来るまでの期間限定の光景です。

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肉の売場で実施している医療関係者応援割引は、これまで「5月31日まで」と申しておりましたが、まだ病床が空き切っていないことから、6月15日まで続けます。ゆるりとご利用下さいませ。

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大皿

「ちんや」の賄い料理の配給方法が、大皿盛り合わせから個別盛りになりました。もちろんコロナ対策です。
賄いを営業中に食べるわけですから、全員一斉に食べることは出来ず、仕事が忙しくないタイミングで個別に食べます。料理が出来てから全員が食べ終わるまで長時間大皿で置いておくと、感染のリスクが生じてしまいますので、個別にした方が良いのは明らかですね。
当然これは正しい対処なのですが、困ったこともあります。盛り加減を大食の人に合わせざるを得ないことです。個々人の食べる量に合わせて盛るのでは流石に大変過ぎますからね。
で、困るのが私です。炭水化物は減らし気味にしていますので。
これまでは大皿から少なく取れば良かったのですが、今はそうは行きません。
その日のメニューが焼きソバやパスタで、それが大盛りだったりすると、
・・・
いったん受け取り、冷やしておいて夜食にまわしたりしています。
なお、営業用のすき焼きの肉やザクなど具材が、大盛りされていますが、調理済みの料理を大皿に盛るのとは感染リスクが違います。
すき焼きの場合は鍋で加熱して、それをすぐ食べるからです。加熱によりウイルスは死にます。
取り箸を共用すると、それは問題になりますが、事前に消毒してありますし、それでも心配な方の為に各部屋に消毒液を用意してありますので、それでご安心いただければと存じます。
見た目は「大皿」ですが、リスク面ではかなり違いますので、念のため。

追伸、
肉の売場で実施している医療関係者応援割引は、これまで「5月31日まで」と申しておりましたが、まだ病床が空き切っていないことから、6月15日まで続けます。ゆるりとご利用下さいませ。

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だし再発見

「にんべん」の十三代目・高津伊兵衛さんが本を出されました。
『だし再発見のブランド戦略』(PHP研究所)
「にんべん」さんは創業320年の鰹節専門店。業界を代表し、また日本橋を代表する大店ですね。
この御本は現当主・克幸さんが十三代目伊兵衛を襲名するのに合わせて刊行されました。襲名披露宴はコロナで中止となり残念でしたが、本だけでも芽出たいと思います。
『だし再発見のブランド戦略』は256ページと、結構、厚手の本です。
「ブランド戦略」と聞くと最近の話しだけかと思ってしまいますが、にんべん歴代のことや、街とのつながりのことも述べられた後、進取の気風の延長線上に「だし再発見のブランド戦略」が登場します。
内容は、
・創業320年を築いた「三つの革新」
・明治の混乱期を救った本枯鰹節の誕生
・時代が生んだ「つゆの素」と「フレッシュパック」
・日本橋に漂う、進取の気風
・江戸城の近くに多い飲食問屋と薬問屋
・縁起物としての鰹節
・だしとうま味調味料の違い
・少子高齢化時代の新たなお客様
・味付き高級だしパック「薫る味だし」の提案
・一杯100円の「かつお節だし」ができるまで
・和ダイニング「日本橋だし場 はなれ」
・惣菜専門店「一汁旬菜 日本橋だし場」でフルラインが完成
・若い世代に「だし回帰」の動き
・「にんべん」と「日本橋だし場」二つのブランドを使い変わる
・鰹節だしを世界へ
受け取る印税は「新型コロナウイルスの影響を受けている飲食関係の方々に寄贈いたします。」というから素晴らしいです。
皆様、ご購読を。

「だし」再発見のブランド戦略
著者:高津伊兵衛
発売日:2020年5月28日(木)
価格:1,600円+税
伴型:ソフトカバー 四六版、256ページ
ISBN 13: 9784569846736

追伸、
肉の売場で実施している医療関係者応援割引は、これまで「5月31日まで」と申しておりましたが、まだ病床が空き切っていないことから、6月15日まで続けます。ゆるりとご利用下さいませ。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.748本目の投稿でした。引き続きご愛読を。

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ちょんの間

今回のコロナ問題の報道を視ていたら、飛田新地が何回か出てきました。
大阪西成区の飛田新地は脱法的に性的サービス(所謂「ちょんの間」)を提供している地域です。
「脱法的」と申しますのは、「料亭」を自称している点です。売春防止法ができた時に、その性的サービスは、「料亭」を訪れた客とそこで働く女性による「自由恋愛」なのだ、あくまで売春ではないのだ、ということにして→その言い逃れが何故か通ってしまい→今日まで継続しています。
「料亭」が加盟する組合の名前も「飛田新地料理組合」と言っていて、そういうことをしていない全国の料亭から見れば迷惑でしかない話しです。
飛田新地が在るがために全ての料亭に風適法が適用されています。今回出された休業要請は段階的に解かれていますが、その中で料亭が一番最後になっているのも、飛田のせいだと言って良いでしょう。
前提がそういう脱法的なものですから、メデイアには出づらい筈です。が、今回は何故か良く出てきます。
ヨシムラ知事はパチンコには払わない休業協力支援金を飛田には払ったそうです。建前が「料理業」だからでしょうか。大阪人って、なんだか飛田には甘い気がします。東京の料理業界は本気で不愉快に思っているんですけどね。
さて、飛田が頻繁にメデイアに出るせいで、その感染症対策が知られることになりました。そして、その対策が先進的です。性的サービスをするが故に伝統的に力を入れて来たとか。
報道によりますれば府の支援金は「全店舗あわせればおよそ8000万円となる。経営が苦しいお店もあると思うんです。ですが、支援金を原資とした抗体検査の実施を決めました」
「飛田新地の経営者だけでなく地元商店街やPTAも抗体検査の運営委員会に加わり、出前を取る飲食店やおしぼり業者をはじめとする取引先、地域住人も無償で検査が受けられるように8000人分の抗体検査キットを準備した。そして5月24日、第一陣となる150人が検査を受けたのだ。」
「もし被検者に陽性反応があれば保健所に連絡を入れ、PCR検査などを実施してもらうように仲介するという。」
賢明なコロナ通の読者さんは、抗体検査で現在感染しているかを調べることは精度が高くない、実用するには問題がある、それを受けているから安心して行けるわけではないと知っておいでと思いますが、やらないよりはマシかもしれません。飛田新地が8.000人規模で先駆けたという点は参考にして良いかと思います。

追伸、
肉の売場で実施している医療関係者応援割引は、これまで「5月31日まで」と申しておりましたが、まだ病床が空き切っていないことから、6月15日まで続けます。ゆるりとご利用下さいませ。

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弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.747本目の投稿でした。引き続きご愛読を。

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