三方よし

「100年経営研究機構」さんから会報誌「百年経営」が届き拝読しておりましたら、意外なことが書いてありました。
近江商人の精神として大変よく知られている「三方よし」という言葉は、江戸時代には使われておらず、昭和に登場した言葉なのだそうです。
だから江戸時代に設定されたドラマで登場人物がこれを言うのはおかしいとか。
へえ、存じませんでした。
近江商人の経営を「三方よし」と表現したのは、経済史学者で滋賀大学経済学部長だった小倉栄一郎(1924年~1992年)が1980年代に用い始めたのが先例なんだとか。意外と最近なんですね。
もっとも「三方よし」という言葉自体は、それ以前から使われていました。
麗澤大学の創立者で「モラロジー」(道徳科学)の提唱者だった廣池千九郎(1866年~1938年)が「自分よし、相手よし、第三者よし」と言っていたそうです。
小倉と廣池のつながりは不明です。
廣池は「モラロジー」に基づいた教育活動に大変熱心で、昭和戦前滋賀県でも講習会が盛んに開かれていたので、小倉が廣池の活動に接した可能性は考えられるものの、確たる証拠はないとか。
江戸時代に起源のある滋賀県の企業が「三方よし」を掲げていることがありますが、最初から言っていたと思い込まない方が良いようです。

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弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.776本目の投稿でした。引き続きご愛読を。

Filed under: 憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)