顔がいのち

「人形は顔がいのち」の「吉德」さんの、新本社屋が完成し、お披露目会がありましたので、出かけてまいりました。

「吉德」さんは1711年(正徳元年)のご創業、現在地から全く動くことなく商いを続けて来られたそうですが、建物はかわっています。

関東大震災と東京大空襲で二度焼失したのは「ちんや」と同じですが、その後1960年代にも隣家の火事が燃え移って建て替え。それが、これまでの店舗でした。

2011年の大震災の後、その建物の建て替えに着手、このたび竣工を迎えたそうです。目出度いです。

建物の構えは現代的であるものの、和風の要素を取り入れた感じ。売り場は広々。

また4階には、先々代が昭和初期から集めた「吉德これくしょん」の展示室が新設されました。

同業の「久月」さんと一緒に展示を拝見していたら学芸員さんを紹介して下さり、嬉しい解説付きの見物となりました。日本の人形って美しいもんです。せっかくの機会ですので、

日本の人形工芸の全盛期って、いつだと思われますか?

と質問いたしましたら、意外にも、

大正から昭和初期でしょう!

というご返事でした。

当時は職人の数も多くて、対する買い手も多く、技芸としても西洋文明の影響を採り入れて最高レベルにあった、と言えるのだそうです。

うーむ。

そう言えば、建築とか庭とかも、この時期のものに良いものがありますし、今に続く料亭さんにも、その頃創業したところが多いです。

大正から昭和って、日本人にモノを見る目があった時代なんですねえ。

勉強になりました。

なお一般公開は、9月15日(月) 9:30からです。

追伸、

誠に勝手ながら、「ちんや」は9/1(月)~9/4(木)まで4連休をさせていただきます。ご諒承下さいませ。

このブログは予約投稿により、休まず更新して参ります。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.644日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: 浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)