みすじブーム

みすじをご存知ですか?

みすじは、東京都台東区南部の地名。一丁目と二丁目が設置されている。

東辺は新堀通りに接し、これを境に蔵前に接する。南辺は鳥越に接する。西辺は左衛門橋通りに接しこれを境に小島に接する。北辺は、春日通りに接しこれを境に元浅草に接する。町域内は商店・オフィスビルと住居が混在している・・・の話しでは勿論ありません。

肉の「みすじ」のことです。

今日は、肉の部位の名前「ミスジ」の話しですが、さてそのミスジは肩甲骨の内側に在ります。肩肉の一部分です。

とある焼肉屋系のサイトによりますと・・・

「一般的にいうところの肩肉の端に位置しており、1頭から数百グラムしか獲れない。赤身なのに綺麗な細やかなサシがはいっています。ロースやモモとは画一した別世界の味わいで、あっさりとした食感、それでいて濃厚な味わい、後味もキリッとしたとろけるお肉です。幻といわれる。」

はあ?!

気にいりませんねえ。

ミスジは、たしかに美味しい部分ではありますが、他の部位と比べて突出して美味しいとまでは言えず、「別世界」「まぼろし」なわけはないですよ。

ですので「ちんや」では、周囲の肉からミスジだけを切り出すということはせず、大きな肉のまま、すき焼きに入れます。それで普通に旨いです。

なのに、「別世界」とか「まぼろし」とか言うのは、さも希少なように宣伝して単価を上げたい、という業者側の思惑がそうさせているのです。

では逆にお尋ねしますが、ミスジなら必ず旨いのでしょうか?

んなわけないです。

残念な牛のミスジなら当然残念です。冷静に考えれば、それが当然なのに、今日もテレビでは、

ミスジが食べたい!というCMが流れています。とある大手焼き肉チェーンのCMですね。

いったい、この会社さんは、ミスジだけを食べんがために、牛という牛の肩という肩からミスジだけを切り出そうと言うのでしょうか。ミスジが獲れれば、どんな牛でも良いのでしょうか。

冷静な皆さんなら、この馬鹿馬鹿しさがお分かりの筈です。

部位が美味しいのではないのです。

牛が美味しいのです。

部位をことさらに強調していると、牛を育てておいでの生産者の方の努力を忘れてしまいませんか。そういう心配があるので、私はやはり気にいりません。

だいたいですよ、CMのように「ミスジが食べたい!」なんて小さいお子さんが言うわけないです。まあ、天然のお子さんではなく、子役ですからね。ああ、気味悪い。

私は昔から子役って者が好きに成れませんが、セリフまで業者チックだとさらに気味悪いですねえ。

お子さんが言うとしたら「美味しい肉が食べたい!」に決まってるでしょう。

そういう自然な食べ方をしてみませんか?!

追伸①

お盆ですが通常通り営業いたしております。どうぞお出かけ下さい。

今月の休業日は8/19(火)と8/26(火)です。連休は9/1-9/4にいただきます。よろしくお願い申し上げます。

追伸②

8/23に、食育企画『親子体験食味学習会』を開催します。まずすき焼きの歴史を学習、その後肉のカット体験。その次には本格的にすき焼き。チャンとした参加証も貰えますから、自由研究にピッタリ。是非親子でご参加を!

詳しくは、こちらです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.628日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)