大正浪漫の宿
下仁田町の「常盤館」さんをお訪ねしました。
今年秋に「すきや連」を開催する準備のためです。
下仁田は下仁田葱の産地として、あまりにも有名ですが、その下仁田で「全国ねぎサミット2014in ぐんま下仁田」というイベントが開催されるそうです。動員3万人の予定という大イベントなのだとか。
そして、その会期にあわせて「すきや連」と「すき焼きシンポジウム」も下仁田の地で開催されます。
「すきや連」は、これが第19回。「常盤館」さんで開催します。
さらに同じ日に「すき焼きシンポジウム」が群馬県庁の主催で開催されます。
このシンポジウムは、群馬県が県内ですき焼きの食材を全て揃えられる「すき焼き県」であることをPRするため公開イベントです。「すきや連」のメンバーも登壇する予定なので、そちらの会場の下見もしてきました。
さて「常盤館」さんは大正元年のご創業、往時の面影を残すお宿で、下仁田葱すき焼きを名物にしています。
創業当時、下仁田は木材や繭の取引で賑わっており、商人達の往来が盛んでした。その商人達のための宿として出発なさったと聞きます。
高崎から下仁田へ向かう上信電気鉄道は大正10年に全線電化。電化完成を街を挙げて祝った時の写真が宿の廊下に掛けられています。宿は多数の日章旗で飾られ、芸者衆も大勢、それは賑やかだったそうです。早くから産業化した土地だったことが分かります。
八王子のすき焼き屋「坂福」さんも、同じ頃やはり商人同士が会食する場としてスタートしていますから、事情が似ていますね。
下仁田は残念ながら花柳界は廃止になってしまいましたが、八王子は今も花柳界を残していますね。
「常盤館」さんはまた、竹久夢二の宿としても知られています。
夢二は晩年に「榛名山産業美術研究所建設についての趣意書」を発表したことから分かる通り、上毛の地を愛していて、下仁田へも足を延ばしたのだそうです。夢二の絵が館内のあちこちに架けられていて浪漫チックです。
絵を鑑賞した後は、勿論すき焼きです。「すきや連」群馬メンバーの皆さんも顔を出して下さり、小宴と言った感じ。
おや!と思いましたのは、すき焼きの手順です。「坂福」さんと同じではないですか!
葱を炒めて、その上に肉を載せ、その上から割り下を投入する方式です。
この方式は「ちんや」と同じでもあります。
旧くからの店や宿が商いを継承することで、土地の記憶や味の記憶も伝えられて行きますね。
「日本一揺れる」上信電鉄も愉快でした。
追伸、
誠に勝手ながら、「ちんや」は9/1(月)~9/4(木)まで4連休をさせていただきます。ご諒承下さいませ。
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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.642日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。