食堂車

迂闊なことに知りませんでしたが、新幹線から食堂車がなくなっていたそうです。

新幹線五十年を記念するデパートの催事で、食堂車を再現するコーナーが出来ているそうで、私は、そのニュースを読んで初めて知りました。迂闊でした、再現するほど昔のことだったのですね。

食堂車は1974年から四半世紀にわたって営業を続け、華やかだった時代もありました。子供の私もそれは楽しみでしたが、2000年にはもう廃止されていたのだそうです。

食堂廃止のキッカケは「のぞみ」の就役でした。

「のぞみ」は、当時利用客を増やしていた飛行機に対抗するため、1992年にJR東海が就役させました。「ひかり」よりさらに速く、東京― 新大阪間は従来の最速列車よりも19分早い2時間30分で結ばれることに。

これにより新幹線に残っていた、最後の旅情がなくなった、というわけです。

まあ、新幹線はそもそも旅情を楽しむものではなく、スピード自体が重要なわけですから、食堂廃止を嘆くのはお門違いかもしれません。

でも駅弁が食堂に取って代わった状況は嘆かざるを得ません。

「のぞみ」でスピードがUPしたのだから、旅先の町で過ごせる時間は延びている筈です。

皆さん、その町の食堂に入ってみませんか!

食堂と駅弁は似て非なるものですよ。

席に座って料理が出て来るのを待ちながら、その場の空気を楽しむこと。

出来立ての料理の温度を楽しむこと。

どんなスピード時代になっても、このことは忘れたくないものです。

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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)