超高速!参勤交代
夏休みをいただきまして、映画『超高速!参勤交代』を観ました。
ブログをやっておりますと、休み中に観た映画までブログネタにしたくなってしまうところが、なんとも業のようなものですが、まあ、本人が楽しいのだから、仕方ありません。
さてさて、あらすじは、
「八代将軍・徳川吉宗の治世、享保二十年(1735年)。磐城国の小藩・湯長谷藩の藩主・内藤政醇は、1年間の江戸での勤めを終えて湯長谷に帰国した。ところが、それから間もなく江戸屋敷に居るはずの江戸家老・瀬川が、幕府老中・松平信祝の命令を携えて政醇の前に現れる。」
「その命令とは、帰国を果たしたばかりの政醇に対し、「5日のうちに再び参勤交代せよ」というものであった。信祝は湯長谷藩が所有する金山に目をつけ、金山を手に入れようと無理難題をふっかけて、湯長谷藩を取り潰そうと企んでいた。」
その頃の湯長谷藩の現状は・・・
「石高1万5000石の湯長谷藩には、4年前の飢饉の影響もあって蓄えがなく、参勤するための費用がない。家臣たちからは「幕府に直訴する」「賄賂を贈って許しを乞う」など意見が二分して話がまとまらない。これに対し、政醇は家臣と領民を守るために、あえて理不尽な参勤を受け入れることに決め、家臣一の智恵者である家老・相馬兼嗣に意見を求めた。」「相馬は、少人数で山中を走り抜け、幕府の役人の監視のある宿場のみ日雇い中間を揃えて大名行列を組むという案を挙げ、早速準備に取り掛かった。」
・・・というものです。バカバカしそうでしょう?!
私はバカバカしい映画が好きなので、それで観に行ったのですが、むしろこの映画は、ほのぼのとしていて、そしてほのぼのと成れるのは、主役の殿様・内藤政醇のリーダーシップが、ほのぼのとしたリーダーシップだからです。
そう、この映画はリーダーシップについて語った映画でもあります。
まず殿様は、5日での参勤交代をやってやる!と、田舎者の気骨を見せますが、根が、良い人過ぎる位良い人です。
山道・獣道の案内をできると売り込んで来た、一匹狼の忍者「雲隠段蔵」を見込んで信じ込んでしまいます。
実は段蔵は一行を取手宿まで案内したら、そこで金を受け取って別れようと考えています。老中方の忍者が一行を襲おうと狙っているのも知っていますが、金を受け取った後は見捨てる積りです。
ところが、あろうことか、殿様は段蔵に先祖伝来の刀を与えて、家臣達を頼むぞと頭を下げます。謝礼も取手に着く前に与えてしまいます。
謝礼の前払いを受けた段蔵はさっさと消え失せて、遊郭に登って遊びますが、謝礼金が小銭ばかりであるのを見て、いかに苦心して用立てた金なのかに気づきます。
元々は騙そうと思っていた殿様への忠誠心が芽生えた段蔵は殿様の下にかけ戻り、老中方の忍者と命を懸けて戦います。
もう一つ、殿様のリーダーシップ。
老中方との戦いの中で深手を負う家臣がいますが、彼・秋山は当初、超高速参勤交代に反対意見を述べた人物でした。
殿様は気骨者でありながら、理詰めの議論が出来る、秋山をも選んで一行に加えていたのです。その期待に応えて秋山は、襲い来るピンチに冷静な対処をして活躍します。
いったんは反対姿勢を露わにした秋山ですが、「老中に気骨を見せてやる」という大方針が決断された後は、ひたすらに無理なプロジェクト(=超高速参勤交代)を推進し、戦闘場面でも無理に切り込んで逆にやられしまうのです。
リーダーとフォロワーが、それぞれの位置で持てる力を尽くす姿に、観客は涙します。
うん、結構良い映画でした。
ああ、バカバカしい映画が観たいなあ。
追伸
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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.616日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。