偽装の遠因
昨今、偽装が花盛りです。
以下は、その偽装メニュー問題に直接には関係ないことですが、間接的には関係があること、つまり偽装の遠因になっている問題についての、私からの、指摘と提案です。
全国の知事さん、市長さん、お手すきの時にお読みいただければ幸いです。
まず<指摘>=各県・各市町村の農水振興行政の在り方が、「拡販」「知名度UP」に傾き過ぎており、需給のバランスについて配慮が乏しいように感じる。
ある知人の証言によりますと、ある県の、結構有名な「あるある牛」はなんと、供給量の3倍消費されている!そうです。
すき焼き屋・ステーキ屋・焼き肉屋といった「特定料理業者」すなわち肉専門の飲食店は、牛の個体識別番号を客に明示する義務を負っておりまして、ちゃんと明示しているか、たまに御上がチェックに来ます。しかし、ホテル・旅館・一般飲食店は「特定料理業者」に指定されていないので、偽装が容易です。で、偽装が横行してしまうのです。
そして、まさにその状況下でも、その県の県庁は「あるある牛」のさらなる拡販・知名度UPを目指しておられるようで、豪華なことに、東京の超老舗VIPホテルを会場にして、業者招待会を開催しています。
マーケテイング会社を使って、業者まわりをさせており、弊社もお誘いを受けましたが、欠席しました。
昨今県庁や知事本人が全面に出て県産品をPRすることは素敵なことと称賛されており、各地で盛んに行われていますが、役人さんやマーケテイング会社が、自分がPRしている品物の需給バランスに注意をはらっているケースは少ないのではないでしょうか、推測ですけど。
「品物が足りない!」ということが生じた場合、それは非常にナーバスな問題なので、市場関係者は役人さんにはまず伝えないと思います。ですので、役人さんに問題意識が在っても、事実を把握するのは、かなり難しいと思われます。これも、まあ、推測ですが。
その間にも、さらなる拡販活動が推進され、矛盾が大きい場合には偽装に至るものと想像できます。
で、<提案>ですが=県庁などの行政機関に「地域ブランド監督課」を設置していただきたい。勿論農水振興部門からは独立した形で。
牛に限らず農産物は、短期間での増産が難しいですから、急にテレビで話題となり人気が出た場合などに、需給バランスが崩れ易い傾向があります。例えば、ブランド牛の肥育には30カ月程度かかりますので、人気が出ても増産は全く不可能です。
ところが、バランスが崩れた結果、それが遠因となって、偽装が行われた場合にも、誰もその状況を是正しようとしません。
グッチ社の「ブランドGメン」のようなものが必要だと思いますよ。
是正を行えるのは、公に行政権を与えられている当局者だけでありますから、つきましては、各県・各市町村において、地域ブランドの監督部署(=「ブランドGメン」)を設置していただくことをお願いする次第です。
ヨロシクです。
追伸①
単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。
21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。
時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。
くわしくはこちら↓です。
追伸②
ビジネスマンの方を対象に、忘年会に関する意識調査を実施させていただました。
目的は、もちろん、日本の会社の忘年会を、もっとワクワクするもの、もっと意義あるものにしたいからです。
忘年会は毎年惰性でやっている…では悲しいですよね。
ビジネスマンの皆さんは、どんな忘年会なら出席したいのか、逆に、どういう忘年会はパスしたいのか、
その答えがここにあります。
この調査結果は、そのための参考にしていただきたいと思います。
会社の忘年会から、この国を元気にしていきたいと思います。
さてさて、大ショックの調査結果はこちら↓から。
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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。