古民家再生
第15回「すきや連」のプログラムの一環で、滋賀県豊郷町の酒蔵「岡村本家」さんを訪ねました。
豊郷町と申しましても、明治時代になって彦根から分離されたのであって、元々は彦根藩。
岡村家は井伊家に酒を納めていた、という由緒を誇る蔵です。
メインの銘柄名は「金亀」。この名前も彦根城の別名「金亀城」にちなんでいます。
さて、お訪ねしまして、酒造りの説明も勿論していただきましたが、私の印象に残りましたのは、蔵の再生・古民家の再生のことでした。
NPO「とよさとまちづくり委員会」の副会長でもある御主人は廃屋と化している古民家を再利用するプロジェクトの中心人物なのです。
まず岡村さんの蔵自身、酒の製法が変ったりした関係で、空きスペースが相当あったとのことでした。それを見学コースにしたり、コレクションの展示スペースにしたり、イベントスペースにしたりなさっています。
イベントスペースの名前は「蔵しっく館ホール」。
改装に着手した当時御父上の御理解が得られず、父上が出張で留守にしたスキにやってしまったというからスゴいです。
さらに、岡村さんは近隣に多数在る、空き家の再生にも取り組みます。
まず「まちづくり委員会」が、町内にある100戸近い古民家のなかから条件に合うものを所有者に交渉して借り受け、
滋賀県立大学の、「とよさと快蔵プロジェクト」メンバーの学生達十数名が、古い荷物の運び出しから、掃除、庭の手入れ、床の張り替えまで行って、ほぼ1年がかりでリニューアルしていく、と聞きます。
延べ500人にも及ぶ人件費は全くかかっておらず、補助金も受けていない、とかで御立派です。
再生された民家の画像を、実際に見てみると、とても素人が作ったとは思えない出来ばえで、古い旅館を思わせるような佇まいも魅力的です。
作業に携わった学生達も大満足で「とても愛着があり、自分が住みたいくらい。」と話している、とか。
うーん、古くて不便な物は簡単に壊してしまう関東者とは違いますね。関東では、古い物に対して、こういう気迫や情熱がないです。
やはり、日本人をやっているキャリアが長いですからね、関西人は。
夜の宴会の後の二次会で行った彦根の色街「袋町」にも風情が残っていました。
こういう物こそが「オンリーワン」だと思うのですが、関東には少ないですね。震災・戦災で元々少ないのですから仕方ない部分もありますけどね・・・
せめて関西では、頑張って遺していって欲しいと願います。
追伸①
単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。
21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。
時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。
くわしくはこちら↓です。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は361人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.251日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。