すき焼きとワイン
ワイン専門誌「wi-not?」第3号の「浅草老舗七人衆、“冬泡”を啜る」というコーナーに出演させていただきました。
なんか自分の出ている本って、妙な感じがします。
今回は、仲見世「評判堂」店主で浅草観光連盟会長の富士さん、
「どぜう飯田屋」四代目で浅草料理飲食業組合長の飯田さん、
蕎麦「尾張屋」の女将・美実さん、
落語の「浅草演芸ホール」三代目席亭の松倉さん、
和菓子「龍昇亭西むら」五代目の西村さん、
「音のヨーロー堂」四代目松永さん、
それから私の七人が、7種類のスパークリング・ワインを飲みつつ対談する、という企画でした。
馴染みのメンツですので、すっかり御機嫌に飲んでしまい、その時話したことが記事になるとは、実に恐ろしい事態でした。
さて、同じ「wi-not?」第3号の後ろの方に、すき焼きとワインの取り合わせに関する記事が載っていました。
田中克幸さんという方がこの雑誌に連載している、TANAKA-LABOというコーナーです。
ここで指摘されていることは実に的確で、私たちのコーナーと違って大いに参考になると思いましたので、ここに要約しますと、
西洋諸国の牛肉を前提に発想して、すき焼きとワインを合わせると×である。
<和牛の風味>ワイルドさや血っぽい風味がない。
<和牛の質感>元々やわらかい肉を薄切りするので、極端にソフト。
<和牛の脂肪>脂肪の融点が低く、よく融けて脂っぽくない。
ですので、血っぽさや脂っぽさを流し去るワインつまりスカッとしたワインは×です。強い担任イヤ強いタンニンの在るワインも必要ありません。
どうでしょう、皆さんが日頃西洋の肉料理に合わせているワインだと良くない、ということがすぐに分かると思います。
むしろ魚の煮つけに合わせるワインを、すき焼きに合わせた方が、まだ合うのです。
だいたい、ワインはどうやっても酸が多いので、しゃぶしゃぶにはOKと思うのですが、私などは好き好んですき焼きに合わせようとは思いません、実は。
でも、まあ、世の中には日本酒を飲むと悪酔いしてしまい、どうしてもダメ!という方もおいでのようですから、そういう方ならワインを合わせるのも仕方ないのかなあ、と思います。
その場合は、今日のこの話しを思い出して下さい。
すき焼きの肉は西洋の肉とは違う、という所からスタートしていただければ、と希望します。
ただし、です、弊ブログの読者さんならお分かりの通り、ここに書いてある和牛の特徴を持たない肉が、沢山売られています、日本で。
血っぽくて脂っぽい肉も売られていますね。冷凍だったり、肥育が良くなかったり、熟成させてなかったりする肉のことです。
この記事の肉を提供しているのは、私も旧知の、新橋の名店「今朝」さんですから、上に書いてあるような特徴の肉ですが、そうじゃない肉が世間に多いですよね。
そっちの肉ですき焼きする場合は困るじゃないか!って? そういう時は・・・
ワインは、ジャンケンで決めましょう。
その位の気迫が無くて政治なんかできるか、いやワインなんか飲めるかってことですよ、国民の皆さん。
それっ
最初はグー!
追伸①
ワイン専門誌『wi-not?』vol.3の「浅草老舗七人衆 「冬泡」を啜る」というコーナーに私が出演しています。
是非ご購読下さい!
この本について詳しくはこちらです。
ご購入はこちらです。
追伸②
藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。
他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。
是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)
追伸③
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は327人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.006日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。