バター・セレクション

 「ちんや」精肉売店でバターを売り始めようと思い、数種類をセレクトして取り寄せ、試食しています。

 バターは明治時代に導入されたものですから、すき焼き屋が併設する、弊店の売店で売ればイメージとして合致します。実際、セレクトした候補の内いくつかは明治時代に開拓された牧場の製品ですから、親近感があります。

 今時は醗酵バターでないバターもあるようですが、そういうバターは眼中になく候補は皆、醗酵バターですので、熟成させた肉をメイン商品とする弊店が売ることにも違和感はないと思います。

 で、研究中です。色々な食品と合わせて食べています。

 そうしておりましたら、雷門横丁の、もんじゃ「おすぎ」のU子さんが、じゃがいもを分けてくれました。ご親戚が北海道においでだとかで、毎年分けてくれるのです。

 ピンポン!

 しかも丁度良く、蒸し器を購入したばかりでした。じゃがいもを蒸せます。

 ピンポン!ピンポン!

 蒸し器と言うと本当は正確ではなく、従来からあった土鍋に入れる中敷きを買っただけです。その中敷きの下に少量の水を入れ、中敷きの上には当然具材を置き、土鍋の蓋をして、火にかければ即席蒸し器に成るのです。

 蒸したてのアツアツのじゃがいもにバターを載せると、熱で溶けて、素晴らしい香りが立ち昇ります。不醗酵バターやマーガリンでは、こうは行くまい、と思います。

 そして、旨いです、単純に。

 バターが無縁バターいや無塩バターの場合は、安中市「有田屋」さんの再仕込み醤油につけてもよいです。旨いですねえ。

 だいたい、じゃがいもは、煮込むと緩くなってしまうので、すき焼きの「変わりザク」にしにくい具材ですが、それだけに蒸すのがベストかもしれません。

 食べだすと止まらず、一箱あったじゃがいもが大分減って来ました。

 イモ食えば鐘が鳴るなり浅草寺

追伸

 毎日新聞社発行の毎日ムック『100年の味 店100選』に載せていただきました。有難いですね。2012年1月12日発行予定とか。是非お求め下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて659日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Filed under: 憧れの明治時代,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)