牛肉と大根だけで

食に関するエッセイをたくさん書いておられる寿木けいさんが最近ウェブメディアで、岐阜県出身の友達に教わった、大根すき焼きのことを書いておられました。

そのお友達に、地元ではどんな風にして食べているのか聞いてみたら、実家では、うんと薄く切った大根を入れて、すき焼きにするという返事だったとか。

で、寿木けいさんは、

「すき焼きに大根なんてアイディア、私には考えてみたこともなかった。次の日さっそく試してみたら、知らなかった大根の顔が現れ、何度か作るうちにほかの具は姿を消し、牛肉と大根だけで食べるのが私の大好きな食べ方になった」そうな。

私も、岐阜県ですき焼きに大根を入れるという話しは初耳です。

岡山・香川など瀬戸内ではすき焼きに大根を入れるという話しを聞きますが、岐阜は存じませんでした。生産量もベストテンに入ってないですね。(瀬戸内も生産量のベストテンには入ってないです。岐阜19位、岡山30位、香川33位とさらに少ないです)

食べ方も瀬戸内が乱切りないし、そのまんま入れるのに対して、岐阜は薄切りと違います。

ネット民の声では、岐阜だけど入れないという声が多数。地方性とまでは言えないようです。

私は大根は、味としては悪くないですし、薄くするのも「あり」だと思いますよ。

すき焼きは面白い。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.940本目の投稿でした。日頃のご愛読に心より御礼申し上げます。

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3.939日

読者の皆様、本日もご愛読賜り、誠に在り難うございます。

弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.939本目の投稿です。日頃のご愛読に心より御礼申し上げます。

3.939本目ですから、本日の御題は「感謝」です。

「ちんや」をご利用下さる皆様には勿論感謝しかございませんが、特に毎年決まった時期に使って下さる方には、特に想いを深く感じます。

毎年結婚記念日にお越し下さるご夫婦。

毎年大晦日にお越し下さるご家族。

毎年忘年会をして下さる会社さん。

今年も来て下さるということは、今年の弊店の仕事ぶりを及第と認めていただけたわけですから、本当に在り難いことです。

そういう方々を優待するために「ちんやメンバーズカード」には「記念日割引」という制度がありまして、お客様が自分で選んだ「記念日」には割引率が普段の倍になります。年末年始は、その「記念日」が特に多い時期です。

が、今年に関しては、

「今年は止めておきます」

の声を聞くことがあります。コロナのせいです。

夏場にコロナを制圧できなかったことが、本当に悔やまれます。

あれ、「感謝」のはずがボヤキになってしまったので、元に戻します。

「今年は止め」の皆様にも、これまでの御礼を申し上げます。引き続きよろしくお願いいたします。

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第28回

薩摩琵琶奏者で、私の浅草小学校の同期生・友吉鶴心さんの、年に一回のコンサート『花一期』が28回目となり、今年も聞いてきました。

友吉鶴心さんは1965 年浅草生まれ。「すみよし」「ともよし」で50音順の出席番号が近かった人です。

薩摩琵琶を鶴田錦史に師事。文部大臣奨励賞・NHK 会長賞などを受賞。NHK 大河ドラマの、芸能場面の考案・指導もしています。

同期一の有名人と言えましょう。

2015年に、「ちんや」創業百三十五年を記念して、『読み継ぎたい すき焼き思い出ストーリーの本』を刊行した際には、特別対談「浅草小学校同級生が語る、愛すべき浅草とすき焼き」に出ていただきました。

今回も会場は国立能楽堂で、演目は、

友吉さんの師匠・鶴田錦史の「羽衣」

狂言の野村万之丞の「那須余市物語」

コロナ下ですが、盛況で素晴らしいと思いました。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
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今後は3.939本を目指して頑張って参ります(笑)

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ジャップ食堂

さてパールハーバーの日です。

今年の始めに『海を渡ったスキヤキ  アメリカを虜にした和食』(グレン・サリバン著)を、弊ブログに書いたのを思い出しました。書いたのは1月10日。まだコロナの気配は感じられませんでした。

1月10日に書いた時は、太平洋戦争中のマンハッタンの和食レストランについて、

「そうした店も移民排斥法、そして太平洋戦争で壊滅的ダメージを受けます」とだけ書きましたが、実はパールハーバーの後一年くらい続いていた店があったことも、この本には書かれていました。

それをレポートしたのは、マンハッタンの新聞記者で戦前から和食店に通っていたチャールズ・ドリスコールです。

「君、知らないのか、マンハッタンのジャップ食堂、まるで何もなかったのようなツラがまえで営業しているんだよ」

「嘘に決まっているさ。パールハーバーの夜に警察が全部閉店させたって新聞に書いてあったぜ」

「お前さんは、相変わらず世間知らずだね。証拠を見せてやろう。すき焼きを食べに行こう。僕のおごりだ」

→われわれは六番街のジャップ食堂「ダルマ」の階段をがたがた登り入店した。

「ダルマ」ですき焼きを食べながら僕は思索にふけった。この猿面のペテン師たちは僕たちアメリカ人についてどう思っているのだろうか。日本人の心は全く読み取れないものだ。(1942年5月7日)

この戦争は勿論アメリカの勝利に終わり、戦後日本に駐留したアメリカ人の間ですき焼きブームが起こりますが、そのベースには、こうした戦前からの「ジャップ食堂」があったのですね。

忘れたくない歴史です。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.937本目の投稿でした。日頃のご愛読に心より御礼申し上げます。

今後は3.939本を目指して頑張って参ります(笑)

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従弟会

学校の同期生がすき焼きを食べに来てくれて、部屋を覗きに行きますと、メンバーを紹介され、

この人は僕の従弟、

この人も僕の従弟、

この人も僕の従弟、

つまり今日は「従弟会」なんだよ

と言われることがあります。そういうケースが最近続きました。

そうなる理由はハッキリしています。

1965年生まれの私たちの親世代の人=つまり1930年代に生まれた方に最近不幸があって、親戚が集まる機会があったので、そこで従弟にしばらくぶりに再開し、

最近どうしてたの?

→メシでも食おうか→従弟会

と展開しているのです。

親と同居しているので、コロナに気をつけないといけないんだよ・・・

と言う知人が多いのも同じ、世代的な事情からです。

従弟会、これを機会に続いてくれるといいなと思います。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.936本目の投稿でした。日頃のご愛読に心より御礼申し上げます。

今後は3.939本を目指して頑張って参ります(笑)

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ファククターX

さて「第三波」に入ってしまったようですが、今後被害は拡大するのでしょうか、ある程度で抑えられるのでしょうか、それは

神のみぞ知る

と申しても私は怒られますまい、私は専門家でも大臣でもないですからね。

ところで、これまで日本がコロナの蔓延を何とか抑制してきた理由について、世間では様々に議論されています。所謂「ファククターX」の件ですが、その中に、

日本人は清潔だから

というのがありました。そうかもしれません。

が、私は少しだけ違う捉え方をしておりまして、

日本人は病原体と共存してきたから

と思っています。

例えば、日本人は生魚に居る「腸炎ビブリオ」や、生卵に居る「サルモネラ菌」と共存してきましたよね。魚には寄生虫だって居ますが生で食べてきました。

ヨーロッパ人のように魚や卵を加熱してしまえば、「腸炎ビブリオ」も「サルモネラ菌」も死ぬわけで、実はその方が清潔な食べ物です。

が、日本人は殺菌することをせず、菌が居るかもしれない食材=清潔と言い切れない食材を喜々として生食しています。もちろんリスクを減らす努力はしていますが、努力してもゼロにはならないリスクを受け入れています。

その意味で昨今のコロナ患者差別は、最も日本人らしくない行為と言えましょう。身近にいるウイルスに感染したくらいで人を差別するなんて外道ですよね。

手洗いなんかでコロナを抑えらえるか!!

と怒る人もいるようですが、意外とそれが有効かもよ、ということを日本の食文化史は教えてくれていると思います。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.935本目の投稿でした。日頃のご愛読に心より御礼申し上げます。

今後は3.939本を目指して頑張って参ります(笑)

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天外者

俳優・三浦春馬さんが出演していて大変話題になっている「天外者(てんがらもん)」の完成披露試写会があったそうです。

で、その中に明治の元勲たちがすき焼きを食べるシーンがあるそうです。

この映画は、幕末から明治にかけて財界の大物だった五代友厚を描いた映画ですが、その五代(三浦春馬さん)、坂本龍馬(三浦翔平さん)、岩崎弥太郎(西川貴教さん)、伊藤博文(森永悠希さん)が鍋を囲むとか。

現実にはどうだったでしょうか。

このブログの2013年9月11日号に書きました通り、

伊藤博文は牛肉に縁が深いです。

「神戸ビーフ」が神戸居留地の外国人キルビーとハンターによって始められた頃、伊藤は兵庫県知事だったのです。神戸肉流通推進協議会のサイトにも、

「神戸港開港と同じ年に、かの伊藤博文が兵庫県初代知事に就任。英国留学帰りの国際派として鳴らした伊藤は、神戸の外国人居留地の整備に力を注いだ人物としても知られています。そんな彼が、神戸ビーフを好んで食べていたという逸話が残っています」と書かれています。

その他の人については、残念ながら確認できませんでした。

「五代友厚」「すき焼き」と検索すると、今回の映画のことばかりが出てきます(笑)

ならば、無理やりフェイクニュースを造ってしまいましょうか!

・五代友厚はすき焼きが好きだったらしい。

→五代の故郷・鹿児島は終焉の地・大阪で、五代ゆかりのすき焼きメニューを出す

→商店街や商工会も便乗する

→行政も便乗する

こういう展開は、これまでも多かったと思いますよ(笑)

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.934本目の投稿でした。日頃のご愛読に心より御礼申し上げます。

今後は3.939本を目指して頑張って参ります(笑)

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今日は何の日

12月3日は私の誕生日でした。

オメデトウして下さった皆様、誠にありがとうございました。

自分の誕生日なので、この日が何の日なのかは当然気になります。まず、

「国際障害者デー」。

1982年のこの日に「障害者に関する世界行動計画」が国連総会で採択されたそうな。それから、

マルタ会談の日。

ベルリンの壁崩壊を受けて、アメリカのブッシュ(父)大統領とソ連のゴルバチョフ書記長が、地中海のマルタ島で首脳会談した日だそうです。米ソ冷戦の終結が、1989年のこの日に宣言されました。スバラシイ。そして、

「奇術の日」。

これは公益社団法人「日本奇術協会」が制定したそうですが、

手品を披露する時の掛け声「ワン、ツー、スリー!」に因むそうな。

超スバラシイ。

12月3日は「奇術の日」と致しましょう。私の誕生日は忘れて下さい(笑)

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.933本目の投稿でした。日頃のご愛読に心より御礼申し上げます。

今後は3.939本を目指して頑張って参ります(笑)

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サラダ用春菊

ネットのレシピをチェックしていたら、

春菊をサラダで楽しもう!

というのが出ていました。それも、

「子どものころは“春菊といえばすき焼き”というイメージで鍋の中でクタクタに煮込まれた春菊が、ちょっと苦手でした。でも、生のままの春菊を食べてからは、その考えが一変!」

うーむ。

春菊をサラダで楽しめるようになったのは品種改良の結果です。

苦味が少なくなるよう改良された「サラダ用春菊」が売られていて生食可能なのです。硬さも改良されて柔らかくなっています。最近は苦くて硬い春菊を探す方が難しいほど。

春菊が柔らかくなったが故に、それを鍋に入れた場合、すぐクタクタになってしまうのです。

大人のクセに春菊の苦味が楽しめないのか!と言いたいところですが、時代の趨勢には勝てません。

どうぞ、ご自由に、春菊をサラダで楽しみ下さいませ。

ただし、生ということは火を通さないわけですから、食中毒にはくれぐれもお気をつけを。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.932本目の投稿でした。日頃のご愛読に心より御礼申し上げます。

今後は3.939本を目指して頑張って参ります(笑)

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群馬名物

テレビの散歩番組に群馬県下仁田町の旅館「常盤館」さんが出ていました。

「常盤館」さんは昭和初期に竹久夢二が泊まったことがあるという老舗旅館でして、宿泊客は下仁田ネギやコンニャクを使った、すき焼きを食べることができます。

2014年11月に第19回「すきや連」例会を、こちらで開催させていただいたことがあり、名物ですから、今回のテレビでもすき焼きかと思いきや、

カツ丼でした(泣き)

「常盤館」さんには正面の旅館の入口とは別に、もう一つランチ用の入口があり、そこから入ってランチだけ食べることが出来るのですが、その料理がカツ丼でした。どうやら、

下仁田と言えばネギとコンニャク

という発想は最早古い発想らしく、今はカツ丼が一番有名なようです。泣く子とB級には勝てない。

ところで、こうして群馬の名物に成りあがったカツ丼ですが、東京のカツ丼とは別物です。

群馬県でカツ丼といえばソースカツ丼。揚げたカツをソース(タレ?)にくぐらせ、それをご飯の上に載せるのが主流だとか。卵でとじないのです。

群馬のほかに長野や福井でも、こういう食べ方をするようで、地元では、これをB級グルメとして推し出している模様です。

すき焼きも、どうぞ推して下さいませ。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
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今後は3.939本を目指して頑張って参ります(笑)

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