8月12日
8月12日は日航ジャンボ機事故の日ですから、坂本九ちゃんの命日でもあります。今年の慰霊式は規模縮小して開催したそうですが、鎮魂曲として慰霊式で奏でられてきた「上を向いて歩こう」は今年も演奏されたのでしょうか。
「上を向いて歩こう」(SUKIYAKI)ほど大きな影響を及ぼした曲は、あまりないだろうと思います。
SUKIYAKIはBBC電子版が2013年に発表した「世界を変えた20曲」に選ばれていますが、この時は日米関係に与えた影響が評価されました。
「1963年当時のアメリカ人にとって戦争で敵対した日本人が謎めいた民族ではなく、自分達と同じく美しく繊細な感情を表現できる人達と気付かせてくれた曲」と評されました。
1963年とはSUKIYAKIがアメリカのビルボード・チャートで1位になった年ですが、真珠湾から22年、終戦から18年しか経っていません。
それなのに、この曲がヒットし、またアメリカを訪問した九ちゃんが空港で熱烈な歓迎を受けていたのは本当に信じられないことです。
この曲が持つ不思議な力は、この時既に現れていました。その後世界中で大変多くの歌手にカバーされます。
九ちゃんが悲劇的な死を遂げた後は、苦境に陥った人達の間で鎮魂曲として歌われる機会が増えました。2011年の大震災の時もそうでした。
この曲が、そもそもエレジーで、しかし悲しいばかりでなく、美しさも持っている点が、多くの人の心を掴んだ原因と思いますが、それだけでは言い尽くせない不思議な力が、この曲にはあると思います。稀有な曲と言って良いでしょう。
坂本九さんのご冥福をお祈りします。
*追伸、「ちんや」が使っている千住葱の動画がNHKアーカイブスのサイトで見られるようになっています。
この動画は、今年3月にNHK-BSで放送された「新日本風土記」を再編集した動画なのですが、最初からこの尺だったかのように編集されていて、流石素晴らしいと思いました。かなり旨そうに煮えてますので、是非ご覧ください。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.820目の投稿でした。引き続きご愛読を。