世界最古の企業
「100年経営研究機構」さんのオンライン研究会に参加しました。
今回のテーマは、
『日本が誇る世界最古の企業、金剛組』
578年創業で、現存する世界最古の企業である、金剛組の刀根健一代表取締役会長ご本人が参加されるトークセッションでした。
金剛組さんは、四天王寺建立のため聖徳太子によって百済より招かれた3人の宮大工(金剛、早水、永路)のうちの1人である金剛重光が創業したと伝えられます。
神社仏閣専門に設計・施工・復元・修理等を主に手がけている会社つまり宮大工の会社です。
金剛組さんは明治維新までは四天王寺の、おかかえ大工であり続けましたが、近代に入って、いくつかの危機を経験します。
まず明治維新の時の廃仏毀釈。四天王寺が寺領を大幅に減らされ、金剛組の仕事も激減します。そこで、この時慣れない「営業」というものを始め、外の仕事を受注するようになります。
次が昭和の空襲。1945年(昭和20年)3月13日~14日の大阪大空襲で四天王寺の多くの伽藍が消失。戦後再建する時に鉄筋コンクリートで再建することになりました。金剛組には、近代建築のノウハウがなかった為ゼネコンの大林組の支援を受けて、新金堂を鉄筋コンクリートで再建しました。
最近の危機は平成の経営危機でした。三十九代目が寺社以外の分野に事業拡大を試みたことにより、大手ゼネコンとの価格競争に巻き込まれて、不採算の受注が多くなりました。
高松建設が支援企業として現れ、銀行の支援も受けて再生しました。
現在は仕事の領域を寺社建築に再びしぼり込み、高松建設出身の社長と創業家の四十一代目が棟梁として組んで、堅実な経営に努めておられます。
事業領域を、どの範囲までと考えるか、企業にとって重要で難しいテーマだと思いました。
*追伸、「ちんや」が使っている千住葱の動画がNHKアーカイブスのサイトで見られるようになっています。
この動画は、今年3月にNHK-BSで放送された「新日本風土記」を再編集した動画なのですが、最初からこの尺だったかのように編集されていて、流石素晴らしいと思いました。かなり旨そうに煮えてますので、是非ご覧ください。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし本日は3.818目の投稿でした。引き続きご愛読を。