慶應義塾の機関誌『三田評論』には毎号、同じテーマで4人の塾員が投稿する「社中交歓」というコーナーがありますが、7月号のテーマは「朝顔」でした。
そしてそこに台東三田会の先輩である宮川幸雄さんが「入谷田圃と朝顔市」という文を寄稿しておられました。
上野台の落葉が、その東に位置する入谷田圃に堆積して、朝顔の栽培に向いていたこと、
江戸時代、朝顔栽培家が競って、様々な色の朝顔の開発し、その色合いが歌舞伎の舞台の色づかいにも影響を与えたこと、
などが書かれていて勉強になりました。宮川先輩は博学な名文家で、しかしいつも筆致は穏やか。大変参考になります。
しかし!私にとってよりインパクトがあったのは、その隣に掲載されていた、榊原康文教授の「アサガオの全ゲノム解読」という文です。
ここから「朝顔」ではなくて「アサガオ」になりますが、アサガオの全ゲノムの98%は解読済みだというのです。そして江戸時代の朝顔栽培家が開発した、色々な変異朝顔の原因も特定されているのだとか。
例えば「渦小人」は「植物ホルモンの合成に関わる酵素の遺伝子に変異がある」のだとか。よって、鑑定によりその遺伝子をもった種を見つければ、楽々「渦小人」を造れるそうな。
アサガオがそうなら、ウシもブタもトリも、やがて「丸わかり」になるのでしょう。
産地ブランドなんか、押し出そうとしている場合じゃないと思いますよ、もう。
あ、そうそう、入谷鬼子母神の朝顔市は昨日で終わりでして、今日と明日は浅草寺の「ほおづき市」です。お間違いの無きように。
追伸1、青木ゆり子さんと私のトークショー(7/22)にご興味ある方は、コメント欄にご芳名とメルアドをお書き込み下さい。ご案内致します。
追伸2、夏季の「ちんや」の、臨時営業のご案内です。下記の日は火曜ですが、営業いたします。どうぞご利用下さいませ。
7月10日(火曜、浅草寺の「ほうずき市」)
8月14日(火曜、お盆)
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.054日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。