川の恵み

国際観光日本レストラン協会の例会が、天保8年ご創業の「福寿家」さんで開催されました。
「福寿家」さんが在るのは埼玉県吉川市。江戸川と中川に挟まれた地帯と言った方が分かり易いかもしれません。
徳川家康が江戸に来た頃、関東平野には未だ多数の湿地があり、川の流路も定まっていないところがあったようです。その関東平野を、徳川幕府は「改造」と言っても良いくらい治しました。
一番有名なのは「利根川の東遷」。利根川は、現在の茨城県に流れるようになりました。
「荒川の西遷」もやりました。荒川の治水が昭和までかかった件は最近、弊ブログの7月10日号に書きましたね。
「福寿家」さんが在るのは、その「西遷」する前の元荒川と中川が合流する地点のちょうど対岸。当日は川の向こうに沈み行く夕日が美しく、実に結構な思いをさせていただきました。
あ、そうそう、料理の件も書かないと。
・・・そういう次第で、この地は川魚料理が有名です。
特に吉川は鯰(ナマズ)が有名です。それを天婦羅にしたものと、薩摩揚げのように、挽肉にして揚げたものの両方をいただきました。
鯉の洗いは、酢味噌との相性がオツ。味博士に相性を測定してもらいたい感じです。
そしてそして、鰻。満腹。
先人の、血の滲む努力により関東では洪水に遭うことが少なくなり、現代人は川に関心を持たなくなりましたが、昨今の洪水をキッカケに川に関心を持ち、さらには川魚料理に関心を持てば・・・と私は思います。
そう、埼玉の食の名物と言えば、ガリガリ君ではなく、川魚なのです。
「福寿家」さん、御馳走様でした。

追伸、夏季の「ちんや」の、臨時営業のご案内です。下記の日は火曜ですが、営業いたします。どうぞご利用下さいませ。
8月14日(火曜、お盆)

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて3.074日連続更新を達成しました。
すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

Filed under: 色んな食べ物,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)