総菜半製品

へえ、「総菜半製品」って言うんですか。

それで、その、「総菜半製品」には衛生面の基準が無いんですか。

私はそっち方面に疎いもんですから、存じませんでしたが、チト問題ですね。

さて「総菜半製品」とは、例えば、揚げていない冷凍メンチを指すそうです。

先日静岡県の「タケフーズ」が製造した冷凍メンチからO157が出たと報道された時、私はてっきり、揚げてから冷凍したメンチカツだと思いましたが、違ったそうです。

この他にも、焼く前のギョーザや衣だけが付いたトンカツなど、消費者が調理することで総菜に成る製品のことを、「総菜半製品」と言うそうです。

「総菜半製品」は、たいていは冷凍されています。しかし、これを厳密には「冷凍食品」とは言わないそうです。

揚げてから冷凍したメンチカツなら「冷凍食品」と言うことが出来ます。そして、それは充分加熱殺菌されてから冷凍されていますが、揚げていない冷凍メンチは「冷凍食品」と言えず、実際問題として、これは「生もの」に近い存在です。そういうものがたくさん流通しているとは、私も存じませんでした。

ここで怖いのは、冷凍してあるのに、生ものに近い存在だということです。

消費者が、冷凍してあったのだから衛生面はテキトーでも大丈夫だろうと思うと、さにあらず。メンチのひき肉にO157が付いていた場合、それをぬるーく揚げれば、食中毒になってしまうのです。

そして問題なのは、その「総菜半製品」について、衛生面での基準が全く定められていない点です。

今回の冷凍メンチには「何℃で何分揚げて下さい」と指示が書かれてはいたそうですが、それがとてもとても小さい文字だったそうです。その通りにしなければ、O157にあたるかもしれない製品なのに、文字が小さかったそうで、そこが問題視されています。

皆様、お気をつけ下さいまし。

追伸①

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放送は、11/20(日) 10:00~10:30、

11/26(土) 15:50~16:20です。

 

追伸②

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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.458連続更新を達成しました。

 

 

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糠味噌漬け

昨日の話しの続きですが、この国は、とてもとても衛生的になりました。

私の行っている歯科医院では、患者の歯垢を採取して顕微鏡にかけ、それを診察台の横に設置されたディスプレイに写せるようになりました。

しかも動画です。動画というのがミソでして、歯垢の中に居る細菌がウヨウヨと動いているのが視られるのです。

私の場合汚染状態は「ひどい」というほどではなかったですが、完璧に綺麗というほどでもなく、歯間ブラシなどでもっと徹底的に磨くよう指導されました。

食品衛生業界もやがてこれに続き、限りなく清浄な調理場が出来始めるでしょう。

しかし、このまま突き進むのが良いことなのか?と私は考えてしまいます。

そう思うのは、歴史家の塩野七生さんが雑誌の連載『日本人へ』の中で次↓のように書いていたからです。

「歴史に親しむ歳月が重なるにつれて確信するようになったのは、人間の文明度を計る規準は二つあり、それは、人命の犠牲に対する敏感度と、衛生に対する敏感度、であるということだった。と同時にわかったのは、この敏感度が低い個人や民族や国民のほうが強く、負けるのは文明度の高い側で、勝つのは常に低い側、ということである」

この確信に従えば、日本は負ける側に入っていることになります。

食品衛生に関しては、我が義塾の開祖・福澤先生に、こんな↓文があります。

「よく事物の始末を詮索すれば世の食物に穢き物こそ多からん。」

「先祖伝来の糠味噌樽へ うじと一緒にかきまぜたる茄子大根の新漬は如何。」

この文は『肉食之説』という題の明治3年の文章で、肉食を奨励することを目的に書かれました。当時肉食反対派が肉のことを「穢きもの」と批判していたのに対して、先生は、君らが食べている糠味噌漬けの樽には、うじが侵入しているじゃないか、それを皆平気で食べているんだから、肉ばかりを「穢い」と言うのは、「不通の論」じゃないかと言っているのです。

ここで先生が糠味噌漬けは不潔だから止めるべきだとは言っていないことにご注目下さい。

うじはたしかに素敵なものではありませんが、この世界に普通に存在する有機物です。糠味噌の中で死ねば、やがて有用菌がそれに取りついて分解し、醗酵食品となって、人が安全に食べられます。

こういう文を読むにつけ、菌をとにかく減らして行くことばかりが「衛生的」とは言えないのでないか、私はそう思ってしまうのです

追伸①

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歯医者

歯から金歯が脱落してしまい歯医者さんに行ってきました。しかし今日は金歯の話しではなく、歯周病菌の話しです。

私の行っている歯科医院では、患者の歯垢を採取して顕微鏡にかけ、それを診察台の横に設置されたディスプレイに写せるようになりました。

しかも動画です。動画というのがミソでして、歯垢の中に居る細菌がウヨウヨと動いているのが視られるのです。私の場合「ひどい」というほどではなかったですが、完璧に綺麗ほどでもなく、歯間ブラシなどでもっと徹底的に磨くよう指導されました。歯医者の世界はだいぶ進歩しているようです。

これに比べると食品衛生業界は遅れていますね。

細菌の拭き取り検査もしますが、何日か経ってから細菌の数が報告されてくるだけ。すぐに動画が視られる歯医者の業界にだいぶ負けています。

調理者から爪の垢を採取して、そこに居る菌をすぐ動画にしてみせたら、かなり衛生に気をつけるようになると思うんですけどね。

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キリンビール高知支店の奇跡

遅ればせながら読みました、

『キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え!』。だいぶ売れているようです。

弊店はアサヒさんの地元ですが、国産4社全部扱っておりまして、キリンも置いておりますのでね。

さて、この御本は、アサヒ「スーパードライ」の攻勢の前に負け続けていた頃のキリンの社内で奮闘し、副社長にまで昇りつめ、ついにはシェア1位をアサヒから奪還したという田村潤さんの体験記です。

筆者が行ってきた改革の例をあげますと、

1.会議を廃止

2.内勤の女性社員を営業に回す

3.本社から下りてくる施策を無視

4.高知限定広告を打つ

5.「ラガーの味を元に戻すべき」と本社に進言

などがありました。

業績を上げるためにとにかく排除すべきなのは官僚主義・形式主義で、

3.本社から下りてくる施策を無視

というのは、その為です。本社の施策をこなしていれば、それで給料が貰えるという考え方がとにかくダメなのであって、「何のために働くのか」「自分の会社の存在意義は何なのか」という「理念」を自分で考え抜くことが、すべての大元となると著者は訴えます。

田村支店長の下で「何のために働くのか」=「高知県内でキリンを一番目立たせる」に目覚めたキリン高知支店の営業マンは、以前は月に30軒ほどしか営業回りをしていなかったのが、月300軒に増えたのだそうです。お疲れ様でした。

この成功を皮切りに、著者が四国地区本部長、東海地区本部長、本社営業本部長へと昇進して過程が、リアルに描かれていて、サクサク読める本です。

本社施策を無視して来た人が本社営業本部長というのだから面白いです。

一方、食べ物に関わる者としては、かなり残念なことも載っていました。

それは「ビールは情報で飲まれている」ということです。逆に言えば味では飲まれていない

田村さんが支店長として高知の人々にさんざん聞きまわった結果、

「ほとんどのお客様はビールの味にはそれほど差がないと思っている」

それで、

「美味しそう」

「元気がいい」

「売れている」

という情報で飲むことになります。

そして、その情報の根拠ですが、「目立つ場所にたくさん置いてあるのが売れていて美味しいビール」。当時の「スーパードライ」がまさにそれに当たります。

結局それで、営業マンが奔走してスーパーの棚を他社からブン取る必要があるのです。

うーん。

もちろん、この理論には、ビールは大衆消費財だから、という前提が付いています。大衆すなわち、味のことは良く分からないし、分かろうとも思っていない人々にも売って行くのだから、そういう結果になることもありえる、というわけです。とほほ。

私のような、月300軒も外回りしたくない人間は、寡占的な大衆消費財の市場では、きっと負け犬になるのでしょうね。

読了して、美味しい肉だけを売って行こうとあらためて私は決意したのでした。

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フルーツ新時代

11月号の「三人閑談」のテーマは「フルーツ新時代」で、日頃「東都のれん会」でご一緒する「千疋屋総本店」の大島博社長が出ておられました。

「三人閑談」は、慶應義塾の機関誌『三田評論』のコーナーの一つで、毎月三人の卒業生が対談するのですが、テーマは食べ物とか旅とか趣味関係とかで、お硬いこの本の中では「緩め」です。去年の10月号は「和牛を食す」で、その時は私も三人に入れていただきました。

さて、今回は大島さんと「ドール」の常務さん、それから慶應中等部で家庭科を教えておられる田中綾子先生の「三人閑談」。

その中に大島さんの名言がありましたので、ご紹介します。

野菜は体を癒すもの、

花は心を癒すもの、

果物は体と心を癒すもの。

名言ですね。そうしたお考えで仕入れをなさっているから、千疋屋さんの果物は結構なのだと納得します。

一方残念な情報も。慶應中等部でも果物アレルギーのお子さんが増えているのだとか。大豆や蕎麦のアレルギーは昔からあって、さほど増えないのに果物アレルギーが増えているとか。

人の何かがおかしいのでしょうね。

人の食と健康について、もっと真剣に研究するべき時代に来てしまっているのかもしれません。

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御礼合戦

「ふるさと納税」が常軌を逸してきましたね。

教育熱心な土地だとか、先端産業を誘致してるとか、あるいは天災に遭ってしまったとか、そういう自治体にカネが行くなら、「ふるさと納税」は地域のためになっていると言えるのでしょうけど、今行われていることは、税控除を受けながら買える「オトクな通販」以外の何物でもありません。実に良くありません。

松阪牛が買いたければ普通に買えば良いのに、税控除を受けながら買うなんて無粋でアンフェアです。テレビに、

「ふるさと納税」でこんなにたくさん買いました!

控除もたくさん受けてホクホクです!

・・・なんて言う人物が登場すると、私は吐き気を催してきますが、そういう人生観が違う方の話しは、今日は止めておきます。

私が今日申し上げたいのは、「御礼合戦」は最終的には産地のためにならない、産地の評判を落とす可能性すらある、ということです。

考えてみて下さい。〇〇という産地の牛は全部美味しいですか?

だいたい、牛肉がおいしいかは、生産者の育て方と、その背後にある「お考え」で決まります。

産地の役所の人は「おいしい空気」をPRしたがりますが、牛の味には大して影響しません。三重県松阪市の空気が最高に美味しいですか?そんなことはないですよね

産地の協会や協議会のコントロールが効いていて、そこから来た牛なら、かなりの確率で美味しいと私が思う産地も無いことは無いですが、私の知る範囲では非常に少数です。

大多数の産地協会は、味に関するコントロールを出来ていません。だって、色んな「お考え」の方が協会に入っていますから、民主的に運営すればコントロールは無理です。

そういう次第で、「ふるさと納税」で牛肉を買えば、色んな「お考え」で育てられた、色んな肉を買うことになります。その産地なら全部美味しいと思いますか?

実際問題、牛が美味しくない生産者の方が、どうも、「声が大きい」ように見えます。

地道に美味しい牛を育てている人は、従来から売り先を確保できているので、あんまり自己PRしないんです。PRしたがるのは、そうでない派。

「ふるさと納税」で牛肉を買えば、そういう派の牛を買うことになりがちです。

魚の場合、海流・潮流の影響を強く受けますから、産地が味と結びつくこともあろうかと思います。

しかし牛の場合、結局薬局、「御礼合戦」は産地のためにならない・産地の評判を落とす可能性すらある、と私は思うんですよね。

考えなおしませんか、この制度。

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冷凍野菜

(本日やや長文です)

「私は日々、自分が損か得かだけを考えて暮らしていないか」

これは、たまたまネットで見かけたコラムの中の一文でして、著者の保科省吾さんという方がどんな方かまったく存じませんが、大変考えさせられましたので、ご紹介しました。

本当に、その通りだと私も思います。

今の日本を観てみますと、あたかも全消費者がスーパーのバイヤーであるかのように、1円でも安い物を争って買い求めています。

以前なら「吝嗇家」と軽蔑されて、交友の輪から外されかねないような行動が、今はテレビで推奨されて、皆がマネしています。

なんで、こんな国になったんでしょう?

これでは黒田さんがいくら金融緩和しても、経済は上向きません。

ほんの少し高くて良い物を日頃から買うだけで、どんなに生産者が喜び、経済が回って行くというのに、全員が「1円でも安い物を」とやっていては、小ずるい業者の「思うツボ」です。悪徳な業者の「思うツボ」になる場合もあります。

保科省吾さんは、こうも書きます、

「相手の立場を想像する余裕がなくなってはいまいか」

本当に、その通りだと私も思います。

本日やや長文ですが、そもそも保科さんが、こういうコラムを書いたのは、NHK『あさイチ』が「冷凍野菜を使おう」というと特集をやったからです。

冷凍野菜は、旬の最も安いときに生産者から大量に購入して冷凍するので値段が安いのです。だから、野菜が高い今、「冷凍野菜を使おう」というわけです。

野菜が高いと言っても、スマホのゲーム代に比べたら大したことはありません。それなのに、以前なら「吝嗇家」と軽蔑されて、交友の輪から外されかねないような行動が、今はNHKで推奨されてしまっています。残念です。

この特集に対して、一人の農家さんがFAXを送りました。

「私は野菜農家です。天候不順で収量が上がりません。値段は上がっていますが、ぎりぎりでやっています。こういうときに、野菜は買わないで・・・。と言う特集をやられて、野菜が売れなくなると、生活がたちゆきません。普段より高くて申しわけありませんが、できれば野菜を買って下さい」

私は、この番組を視ていませんでしたが、このFAXが読み上げられると、

「虚を突かれたのだろう、スタジオにいた井ノ原さん始め、誰も反応しない。何しろ番組の趣旨を否定する内容なのだから。そして、以降は何もなかったように番組は進行した」のだそうです。

この様子を視ていた保坂さんは「がーんと頭を殴られたような気がしていた。」そしてコラムに書いた感想が、

「私は日々、自分が損か得かだけを考えて暮らしていないか」

「相手の立場を想像する余裕がなくなってはいまいか」

でした。

本当に、その通りだと私も思います。

日本停滞の本質を、ここに見つけた思いがします。

ほんの少し高くて良い物を、買うことにしませんか?

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西南戦争

「すきや連」で熊本に行った際、市内の書店で熊本商工会議所が作成した、

「熊本観光文化検定 公式テキストブック」を購入しました。

最近各地の自治体が、こうした検定テキストを作っていて、帰りの機中の暇つぶしに最適です。

めくってみますると、西南戦争に関するページが多いことに気づきます。

そうでした!西南戦争はほとんど熊本県内で戦われたのでした。

念のため確認しますと、西南戦争は1877年(明治10年)に、薩摩の西郷隆盛を盟主にして起こった士族の反乱です。で、西郷が鹿児島を出てから最初に新政府側と激突した地が熊本でした。新政府側は、加藤清正が建てた熊本城にたてこもり、西郷軍がそれを包囲して、激戦が行われました。

やがて新政府側は熊本城を救出するべく、北方から乃木希典らが進軍して来ますが、それを迎え撃つ西郷軍と激戦が行われたのは、熊本城から北へ数キロ行った所でした。西郷が清正の名城を相手に苦戦している間に、新政府側がすばやく熊本県まで南下してきたのです。

戦いが最も激しく、双方が撃った銃弾が空中で衝突して「かちあい弾」が出来たという田原坂(たばるざか)も現在は熊本市に入っています。

結局西郷軍は熊本城を落とすことが出来ず、次第に劣勢となって鹿児島へ向け撤退して行きますが、その間にも人吉など熊本県内で激しい戦いがありました。

西郷は東京まで進軍する積りだったのですが、熊本に引っかかってしまった、という感じでしょう。熊本の人たちから見たら、こんな迷惑な話しはありませんが、熊本の士族の中には西郷軍に協力した者も大勢いたと言いますから、不思議なことです。

さてさて、この戦いに際して、新政府側は、皇族の有栖川宮熾仁親王を「鹿児島県逆徒征討総督」に任命しました。

そして、その熾仁親王の賄い方として熊本へやって来たのが、今回「すきや連」を開催した店「加茂川」さんの創業者でした。熊本なのに「加茂川」なのは、創業者が京都から来たからなのです。

料理内容は、当時ブームだった牛鍋。

それが今日まで伝えらえていると言いますから、すき焼きの歴史は全く面白いです。

震災から半年、熊本を訪ねましたら、お城は傷だらけ、倒壊した民家がまだたくさん残っていて大変な状況でしたが、そん中でも「加茂川」さんが元気に営業しておいでなことに、逆にパワーをいただきました。

今回は本当に在り難うございました。

 

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11/26() 15:5016:20です。

 

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開催しました、第25回すきや連

第25回「すきや連」を熊本市「加茂川」さんで開催しました。

全国からすき焼き関係者が、被災地・熊本に集結です。

「加茂川」さんは明治14年のご創業。九州の地ですき焼き専門店の暖簾を守っておいでです。

今回は熊本特産の「あか牛」のすき焼きと、やはり熊本特産の地鶏「天草大王」のすき焼き、さらに馬刺を食べました。「すきや連」で馬肉と鶏も食べるのは初めてですね。

また夜の例会の前に午後「被災地・西原、益城、熊本城の今をみるツアー」を実施いたしました。

空港から地震の被害が大きかった地域を巡り、ツアーの途中で県庁を訪問して、田嶋徹副知事に義援金をお渡しいたしました。

益城の断層の近くには倒壊した家がまだたくさん残っており、熊本城の状況は本当に心が痛むものでした。今後も「すきや連」は熊本を応援していきたいと思います。

<以下は参加者の方に書いてもらった寄せ書きです>

・ラブ語る肥後もっこすや秋澄みて(向笠千恵子)

・雨にも負けず風にも負けず震災にもですね(米増昭尚)

・新生熊本を心より祈ります(折笠廣司)

・農業は「愛と歴史と天候気候」(三善浩二)

・熊本特産の「あか牛」「天草大王」のすき焼き、馬刺、米焼酎と共に美味しくいただきました。熊本・加茂川さん、頑張って下さい(藤井紀美江)

・熊本の被災を現実に確認させていただき、皆さんの辛いお気持ちが実感できました。大変なことだと思います。何もできませんが応援したいと思います。そんな中で、美味しいあか牛と天草大王を頂戴させていただきました。美味しかったです。すき焼きに焼酎良くあいました。ありがとうございました。普段の小さな幸せを大事にしないといけないですね(羽鳥裕子)

・すきや連のお蔭で日本国内知らない所に来ることが出来てます。ありがとうございます。牛馬鳥いっぺんに食べさせていただいたのは生まれて初めてです。ありがとうございました(星南子)

・牛馬鳥 肉のハットトリック美味しかった!(高岡修一)

・3種食べれたのは初めてだったし、あかうしの勉強もさせてもらったし、今半本店・相澤さん、月の井酒造・坂本さんと同じテーブルで楽しくお話しさせて頂けた、これが又とても幸せでした。料理だけでなく、おしゃべり・楽しい空気は大切だなあと実感しました。(赤塚直子)

・牛馬鳥全て美味しかったです(福本吉宗)

・被災地のご苦労を知り、熊本城の惨状を見てからの馬肉、赤毛和牛、天草大王地鶏をいただくと熊本の底力を感じました。頑張って下さい(藤森朗)

・すき焼きで復興!頑張ろう熊本!!(西居基晴)

・がんばれ熊本!あか牛馬刺、大王鶏、本当に美味しくいただきました(相澤二郎)

・熊本の大地の恵みを美味しくいただき、豊かな気持ちになりました(石川大介)

・今日は、あか牛、馬、鶏も出るんだって。熊本すき焼き楽しんで帰ります(清水祐子)

・熊本の再興を早く実現できますように(山口潔憲)

・熊本の復興に向けて県民一丸となり頑張ります。全国よりのご支援ありがとうございます(杉本光士郎)

・皆さまからの励ましをお言葉大変勇気づけられました。ありがとうございます(藤本健) 

・震災に負けない九州のパワーを、逆にいただきました(森大亮)

・地元福井と姉妹都市の熊本、次の「すきや連」例会をお引き受けする御縁を感じます。熊本の皆さん、頑張って下さい(開発毅)

・熊本の一日も早い復興をお祈りしております。その為にも美味しく熊本の食材を食して行きたいと思います(柴田伸太郎)

・災害があっても熊本の人は元気いっぱい!やっぱりすき焼きのパワーはすごいですね。頑張れ熊本!!(高岡慎一郎)

・牛に馬に鶏の三重奏、食べごたえがあります(加藤政義)

・復興の熱き思いをあか牛に見た。すき焼きの香りがたつ熊本の宴(植村光一郎)

・褐毛和牛と天草大王を食べて熊本復興へ(近田康二)

・群馬県下仁田から熊本まで30年ぶりにやって来ました。加茂川様のすき焼き素晴らしいです(島崎進)

・初めて参加させていただきました。赤うし堪能させていただきました。貴重な体験ありがとうございました(荒井一樹)

・加茂川さんのすき焼きを食し、元気をいただきました!一日も早い復興をお祈りいたします(荒井亮一)

・初めて参加させていただきました。加茂川さんで赤牛、天草大王、馬刺と最高のぜいたくを楽しみました。ありがとうございました(藤本有吾)

<以上>

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追伸②

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.450連続更新を達成しました。

Filed under: すきや連,すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

すき焼き川柳コンクール2016

「すき焼き川柳コンクール2016」の結果を発表したいと思います。

このコンクールは4回目なので、ご存知の方も多いかと思いますが、念のため再度ご説明しますと、このコンクールに当選しますと、「ちんや」の食事券が貰えるだけでなく、「すき焼き川柳包装紙」に句が刷り込まれるのです。

これから発表する分は、来年の5月の三社祭の日に出来上がる包装紙に刷り込まれます。

そもそも食事の思い出を記す方法として川柳は一番素敵ですね。それに、すき焼きほど川柳に合う料理は他にないとも思います。川柳は、日本人とすき焼きの繋がりの深さを、あらためて教えてくれます。

そして何より、この店で働く私達にとってはヤル気の源になります。ここに書かれている様な幸せの為に働いているんだということを、川柳は思い出させてくれます。在り難いことです。

こんな包装紙はなかなか無いと思いますよ・・・

おっと、前置きが長くなりました。

それでは、「すき焼き川柳コンクール2016」の結果を発表したいと思います。

 

<超ウケ賞(1句)>

名月を ちんやで愛でる 爺卒寿(あずばあちゃん)

 <大ウケ賞(3句)>

次は何時 大人の君と すき焼を(すーちゃんママ)

すき焼きを 食べる日数え 年をとる(祐笑)

観光と 初の割り下 親孝行(今井卓司)

 <ややウケ賞(5句)>

鍋つつき 距離が縮まる 娘婿(おきみさん)

肉すする 孫の笑顔に 長寿あり(オンリー・スマイル)

帰国して 日本食恋しや 先ずちんや(ニューヨークのミーちゃん)

11才 ちんやの魅力に 取り付かれ(うたぴょん)

パブロフの 鐘が誘うよ 「ちん」やへと(石田恵三)

*入賞お芽出とうございました!

追伸①

CSフジテレビONEの

『寺門ジモンの肉専門チャンネル』に出演させていただきます。

芸能界一肉に詳しい男」寺門ジモンさんが送る肉料理に特化した待望の肉専門番組が、これです。出られて光栄です。

放送は、11/20(日) 10:00~10:30です。

 

追伸②

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.449連続更新を達成しました。

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