金英蘭法
いやあ、そりゃまた荒療治ですね。
すごいです。ひどいとも言えます。韓国の人はどうも極端なことがお好きですねえ。
「極端なこと」とは、来月韓国で施行される接待禁止法のことです。
この法律で、韓国の公務員はもちろん記者、私立学校を含む教員は、3万ウォン(2.700円)以上の飲食接待、5万ウォン(4.500円)以上の贈り物を受け取れなくなります。
韓国メディアによれば、この法律の対象は全人口の1割近い400万人になると言いますから、大変なことです。
この法律によって韓国経済が被る損失は、韓国経済研究院が推計したところでは年間12兆ウォン。しかも、それには二次的波及効果を入れていないとかですから、大変な事態になることは明らかです。
こんなに影響が大きく、しかも自由を制限し過ぎているかのように見える法律ですが、韓国憲法裁判所は、この新法が腐敗防止に必要で「合憲」と判断。民間のメディアや教育者を入れるのも社会に与える影響が大きいからOKなのだとか。
そうまでしなければいけないほど、韓国社会には腐敗の慣習が根深く残っているとも言えるのでしょう。気の毒な話しです。
それにしても、国民に法律を馴染ませることをせずに一気に行きましたねえ。
高級な飲食店の中には、このショックに耐え切れず閉店するところも出て来ましょう。
日本でも「官官接待」禁止が花街に大きなダメージを与え、和の食文化の継承が危ぶまれる事態に成ってします。
いや、待てよ、韓国には気の利いた店が無いね!ということになれば、相対的に観光立国JAPANには有利になるかもしれません。だから損失は12兆ウォン程度では済まないでしょう。
あるいはです、かつてのアメリカの禁酒法みたいに、飲食店がアングラの世界に移行して生き残るかもしれません。
賄賂の無い社会を目指すのは当然ですが、一気に行ったものです。大丈夫なんでしょうか。
この法律を纏めた金英蘭(キム・ヨンラン)とかいう方、間違いなく韓国の歴史に遺るでしょう。
どういう風に遺るか、皆さんも注目してみて下さい。
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株式会社晶文社 刊行
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