90分制限

今時の外食産業の風景が目に浮かぶような一件でした。

報道によりますと、

「滋賀県ろうあ協会の会員らが、兵庫県尼崎市にある飲食店を予約しようとしたところ、全員が聴覚障害者であることを理由に拒否されたことが、同協会への取材で分かった。同協会は抗議し、店側は「不適切だった」と謝罪した。」

「同協会によると、予約を断られたのは、尼崎市で開かれた近畿ろうあ者体育大会の卓球に出場した7人。試合があった5月21日夜に飲食店で食事をしようと、同月9日にファクスで予約を申し込み、全員が聴覚障害者であることを伝えた。しかし翌日に店長から「当店は手話のできるスタッフはいなく、筆談での対応もしておりません」「通訳のできる方がおられない場合、ご予約をお取りすることができません」というファクスが届いた。やむを得ず別の店を予約したという。」

私がとてもとても気になるのは、この店の店長の弁解です。

「筆談で対応すると制限時間の90分間では食事の提供が厳しい。聴覚障害者が店に来られたことがないのでどう接したらいいか分からず、失礼にあたるのでお断りした。申し訳ないです」

昼時ならいざ知らず、夕食の制限時間が90分間というのが、まず利益至上主義としか思えませんが、その件はさて置いて、この1グループを90分で終えられなかった場合、この店長はどんな制裁を受けるのでしょうか?

健常者なら90分のところ、105分かかってしまったとしても、その影響は小さいはず。それが惜しいとは、料理よりも金が好きな経営者なのでしょうか。

ろうあ協会の皆さんは、この店に行かなくて大正解だったと思います。

 

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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.355連続更新を達成しました。

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM