肉と納豆
最近、脂肪の代謝のことを調べていたら納豆に行き当たりました。
納豆菌が体外に分泌する酵素「リパーゼ」が脂肪を「高い効率で低分子化する」つまり分解することが出来るからです。
納豆にはリパーゼが多く入っていますが、そういう食品で、生で食べられるものは珍しいのです。トウモロコシにもリパーゼは在りますが、生では食べにくいですね。
それにしては、「肉+納豆」は推奨されていませんね。鰻+納豆は昔から推奨しているようですが・・・
で、納豆業界の人に、業界では「肉+納豆」を推奨していなのか聞いてみました。返信は、
「聞いたことはありませんね~」
「聞いたことがありません。個人の好みやTVの影響じゃないですか?」
「脂質の代謝に関係しているかわかりませんが茨城では納豆とんかつは結構名物ですよ。ケンミンショーでもやりましたし。」
な、納豆トンカツ?!
知りませんでした。
で、今度は茨城県の人に聞いてみました。
お尋ねしますが、「納豆トンカツ」は食べたことがありますか?消化が良い感じはしましたか?
「水戸の居酒屋で何度か食しました。私もあり得ないと思っていましたが、意外と違和感なく、いや美味しく食しました。豚カツの油っこい感じがオンザ納豆のせいか口当たりが変わった印象でした」
という返事が来ました。
そうこうしている内、
「納豆と肉」を推奨していない見解にも行き当たりました。
「脂肪分が多い食事を摂る際に関しては、納豆やトウモロコシを一緒に食べると脂肪の吸収率を高めてしまう可能性があります。」
と指摘されているようです。
納豆が作りだすリパーゼが脂肪を分解するのは間違いないのですが、分解すれば体内に摂りこんでしまう=太る ということになります。
サン♡リー社の特保のウーロン茶を飲む人のように、ダイエットをしたい人は、脂肪を体に摂りこまないことを目指しているのです。
私は、年配のお客様をイメージして、脂肪を効率的に消化すれば良い、モタレなくて済む、と考えていましたが、ダイエット志向の人は、そういうことを望んでいないということになります。
もちろんダイエット中の人などは弊店の客層ではないので無視してもOKで、弊店は肉を美味しく・スッキリ食べたい人が相手なので、納豆を一緒に食べて良いと思うのですが、そこは客商売の難しいところで、ダイエット中の人がウチに連れてこられる可能性があるので、お客様全員に納豆を食べさせるのは、慎重に考えた方が良いということになります。
一方、成長期のお子さんのいるご家庭であれば、「納豆と肉」は推奨でしょう。
年配の方もだと思います。
ご報告まで。
追伸
『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
是非是非お求めください。
弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。
是非。
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