平成中村座
「平成中村座発祥の地記念碑」が建立されまして、その除幕式がありましたので行って来ました。
「平成中村座」は、2000年に歌舞伎役者の故・18代中村勘三郎丈が中心となって、浅草・隅田公園内に江戸時代の芝居小屋を模した仮設劇場を建て、歌舞伎を上演したのが始まりです。
場所は旧・山谷堀。リバーサイド・スポーツセンターの近くです。その地に今回「発祥の地記念碑」が建立されました。
初演から15年で「発祥の地」というのも、随分気が早いなと思う方もおいででしょうが、それだけ浅草の人々が中村座と勘三郎さんを愛してやまないからだと御理解下さい。今回の経費も地元で浄財を集めて賄われました。
旧・山谷堀という、浅草駅から15分ほど歩く、やや不便な土地を勘三郎さんが選んだのは、19歳の勘三郎さんが、この場所で「下町唐座」を見たからです。
唐十郎さんの、テントを使った公演は当時大変実験的で、勘三郎さんは、
「心底驚いてしまった。何だこれは。自分がやっている歌舞伎座での落ち着いた空気とはまったく違うじゃないか。でも待てよ。昔の歌舞伎はこうだったのではないか。」
以来、テントでの芝居をいつかやりたい!ということが勘三郎さんの夢に成りました。
やがて機は熟して夢は実現。2000年に第一回公演が行われ、勘三郎さんが亡くなった2012年の春にも上演がありましたが、12年12月に勘三郎さんの余りに早すぎる死。浅草の人々も悲しみにくれました。
そういうことで13年、14年はお休みでしたが、勘三郎さんの遺志を継いだご子息・勘九郎さん・七之助さんが引き継いで、今年4/1より復活公演が行われています。
今年の復活「中村座」公演の場所は旧・山谷堀ではなくて浅草寺本堂裏ですが、江戸時代の芝居小屋を再現したいという勘三郎さんの遺志は生き続けています。素晴らしいことです。
除幕式には、公演中の勘九郎さん・七之助さんがもちろん登場して父の思い出を語り、盛大な拍手を浴びていました。
鳴り物も入り、樽酒もふるまわれて、賑々しい感じ。
待ってました、中村屋っ!!
追伸
『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。
この本は、
食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、
全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、
この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。
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